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川島雄三監督「幕末太陽伝」を鑑賞する。面白い!

何度観ても面白いのが、川島の旦那の「幕末太陽傳」。カラーライズされないかな、と密かに期待しているのですが。

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川島雄三監督が1957年に発表した名作喜劇。幕末の文久2年、品川の遊郭で飲めや歌えやの大騒ぎを繰り広げた佐平次は、一文の金も持ち合わせておらず、遊んだ分を居残りで働くことに。しかし、お調子者の佐平次は自らの困難をものともせず、遊郭に立ち寄った高杉晋作らとも交友し、巻き起こる騒動を次々と片付けていく。物語のベースは古典落語の「居残り佐平次」。脚本を手がけた今村昌平が助監督を務めている。2012年、日活創立100周年記念事業の一環として最新のデジタル技術を駆使して映像修復した「デジタル修復版」が公開された。

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今回、観たのは「デジタル修復版」。

日活さんありがとう、よくぞここまでキレイに修復してくれました! セリフがハッキリ聞こえる、役者の表情がよくわかる、など、本来なら当たり前のはずの状態になったことで、この映画が持つ滑稽味がよりハッキリと伝わるようになった。そして驚いたのは、セットの豪華さ。今の日本の感覚なら完全に大作映画の規模であり、小気味いい落語噺がベースなのに、こんなに豊かで奥行きのある映像だったとは。

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とにかく、どの登場人物も活き活きしている。
 勤労の志士達(太陽族と無国籍野郎たち)が大根役者なのも、庶民の生活見ずに、自分達の理念で動き回っていたKY感を出したくてわざと起用?と思いたくなるほど、不思議な世界感が出来上がっている。

死の影はチラつくが、生へのバイタリティに溢れている映画。

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イノさんは、死病に侵されている設定ながら、医師の言いつけを頑なに守り、たぶん、その医者にまた治療してもらうために、長崎までの旅費と治療費を必死に稼いでいるのだろう。
 「首が飛んでも動いて見せまさぁ」
 「俺はまだまだ生きるんでぇ!!!」
死の影にあらがう、生き延びるんだという、その心意気。

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川島雄三監督のドキュメンタリーもあります。興味のある方は、是非、一度ご覧ください。

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マイペースな小林旭さん。

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