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「大阪の選択 -- なぜ都構想は再び否決されたのか」読了。感想を少々。

「維新の会」を支持する人は「ゆるい支持者であり」でちょっとした気まぐれで「支持政党無し」「投票に行かない」と変貌しやすい。
しかし「維新を不支持」「維新を嫌う」層の人たちの決意は固く、たとえムチで打たれようとも「絶対に維新を許さない」という強固な岩盤の上にいる

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■この本では、昨年(2021年)の衆議院での選挙結果が反映されていない

まあ、発売時期から考えて仕方のないことなのだが、選挙の結果、全国的に「日本維新の会」が議席数を伸ばしたことについて筆者はどう考えているのだろうか? 

それを知りたいので、ぜひ、増補版を出すか、衆院選の新しいデータをもとにした本を出版していただきたい。

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あとこの本で抜けている点を、いくつか挙げてみる。

(1)「維新」という政党のファンというよりも「吉村洋文」というタレント人気で支持する人が多い


関西圏は横山ノックや西川きよし以来、「テレビに出演している人を支持する」という非常にミーハー的な風土がある。
この本では、公務をさぼり毎日のようにテレビ出演する吉村府知事と、それを異常に高いテンションでヨイショする吉本興業のお笑いタレント(ハイヒール・リンゴ。たむらけんじ、東野幸治など)について深く言及していない。在阪メディア、とくにテレビ局と読売新聞、神戸新聞が、総力をあげて「維新」をもちあげていることは「維新人気」の大きなファクターになる。そこをデータをもとに科学的に解析してほしかった。

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(2)「やしきたかじん」のファンだった若い女性ファンが、そのまま「吉村さんステキ!」のおばちゃんになって「維新を支持している」ことに深く言及していない


維新の創業者・橋下徹の後ろ盾になっていたのが「やしきたかじん」という関西では熱狂的な人気があったタレントであるが、その影響について言及してほしかった。ちなみに、吉村洋文府知事は、やしきたかじんに関する裁判の顧問弁護士であったことを付け加えたい。

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「維新」をつくるきっかけとなった「A級戦犯」やしきたかじん

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この本は、維新に関する「データ」をもとに「ファクト」を導き出したという点は評価できると思う。

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