クリーム2

ありがとう ぼくのワンダフルな12年と11ケ月~天国からのメッセージ~ ⑦

この物語は脳炎という病気にかかってしまったクリームとしんペー家族の闘病生活を書いたものです。ペットを飼っている方に何か感じてもらえると嬉しいなと思います。

一気に全部書いてしまうと長くなるので、1章ずつ話を書いていきますね。
今回は「さらなる悪化(発症から3年 12才の頃)」です。
お楽しみください(/・ω・)/

【前回までのお話】
1章 お母さんとの別れ
2章 ペットショップへお引越し
3章 運命の出会い
4章 発病
5章 宣告~涙…そして決意~
6章 闘病生活(発症から2年半 9才から12才の頃)

さらなる悪化(発症から3年 12才の頃)

脳炎を発症してから3年が経った頃、痙攣発作が一日に数え切れないほどくるようになった。これもぼくの場合運がいいのか、大きなひどい痙攣発作ではなく、数秒の間体がギューッと硬直したり、手や足がブルブル震えるような部分的な軽い発作だった。
なので、それほど辛いものではなかったけど5分おき10分おきと頻繁に起こるので、思うように眠れないのが困ったかな~。
それでも、やはり進行は止められず、体がギューッとなるたびに「うぅーっ」っとうめき声が出てしまうほど、だんだんきつくなっていった。
ぼくは「このままどうなっていっちゃうんだろう・・」と、とても怖かった。

 そんなぼくの様子を見て、家族で何度も何度も話し合った結果【痙攣止め】の薬を使うことになった。これはお父さん、お母さん、お兄ちゃんにとっては苦渋の決断だった。なぜなら、【痙攣止め】の薬を使うと痙攣はおさまるけれど、意識レベルが低くなったり、肝臓や腎臓に負担がかかるなど副作用が心配だったからだ。
でも、副作用を心配するよりも目の前で苦しんでいるぼくを助けることが最優先だと考えて、先生と相談した上、薬を使うことを決断してくれた。
おかげで痙攣は以前に比べると少なくなり、ぐっすり眠れる時間も増えて助かった。
でも、どういうわけか、自分でもよくわからないんだけど、痙攣止めの薬を飲むようになってから頭の中がわちゃわちゃと興奮状態になり、クンクン、ギャンギャン言ってしまうんだ。これも副作用のようで、自分ではこの興奮状態はコントロールできず、辛かった。
そんなぼくをみんなはひたすら抱っこして安心させてくれてた。
「辛いねー。しんどいねー。大丈夫だからね!」って優しく声をかけてくれた。
毎日毎日この状態が続き、時には3時間4時間ずーっと興奮状態で、お母さんは肩こりや筋肉痛で湿布をはりながら頑張ってくれてたね。ありがとう。
夜中も1時間おきに目が覚めちゃうんだけど、すぐに気づいてその度に起きて抱き上げてくれた。
そしておしっこさせてくれたり、お水を飲ませてくれたり。。。
時にはなかなか寝つけなくて、グジグジいうとベランダへ連れて行って気分転換させてくれた。夜空を見ながらお母さんはこんなことを言ってたね。
「クリーム~、もし天国へ行ったらクリームはどのお星様になる?ピカピカ光って、ぼくはここだよー!って知らせてね!」って。。。
そうそう、こんな日もあったな~。夜中や早朝にあの手この手を尽くしても、どうにも興奮がおさまらない時、お母さんの車の中へ避難してたよね。
寒いときにはぼくを抱っこして二人で毛布にくるまり、ただただ夜が明けるのを待った。
5時半になると、近くの山のお寺からゴーンゴーンと鐘がなりはじめる。あの鐘を聞くとホッとしたな~。やっと朝が来たって。
毎晩毎晩寝不足で、お母さんはクタクタだったに違いない。ごめんね、お母さん。
そんな12才の辛い冬が続き。。。そして季節は春・・さらに夏へと移り変わっていった。


7章 さらなる悪化(発症から3年 12才の頃)はここまでです。
痙攣止めの薬を使うことにあたっての副作用など心配事が多くなってきました。果たしてこの後はどうなるのか。
次回の8章「天国への旅立ちの準備(天国への旅立ち1ヵ月半前から1週間前)」に続きます。




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