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「あなたの沖縄」執筆者紹介

 あなたの沖縄が大切にしていること。それは、「沖縄について安心して語れる場所を作ること」です。

 そのために、メンバー同士で集まって、座談会企画や読書会などを開催してきました。沖縄について安心して語れる場所が、世の中にもっとたくさんできてほしい。みんながもっと気軽に沖縄を語ってほしい。その思いから、今年の3月には、「わたしが沖縄を発信するワケ」というリアルトークイベントを開催し、ざっくばらんに沖縄について語り合いました。

 今回は、3月のトークイベントの運営に携わったハルサーの孫さんに、活動に参加した経緯や、トークイベントの裏側についてお話を聞きました。

(聞き手:西由良)


ハルサーの孫(92年生まれ 那覇市首里出身)

自己紹介

那覇市首里の端っこで、おじいの畑を遊び場に育ちました。大学で福岡に出て、結婚して帰郷。妻と、子ども2人の4人家族です。
コラムプロジェクトには、主に、3月に行ったトークイベントの企画や裏方として関わりました。対立しやすいSNSで、沖縄での暮らしや課題を安心して話せるコミュニティができるのではないかと期待しています。このプロジェクトに様々な形で関わる人が増えてほしいので、一緒に活動したい人待ってます。

それぞれの暮らしのなかで、沖縄と向き合う

──ハルサーの孫さんは「あなたの沖縄」にどうして参加してくれたんですか?

 高校の後輩である由良に誘われたのがきっかけです。個人の体験から沖縄について発信するというのが面白そうだなと。自分は、普段NPOの仕事をしていて、様々な市民活動と関わることが多いんです。でも、これまで自分が活動に参加していたわけじゃないので、参加するいい機会だと思いました。

──「あなたの沖縄」の活動に参加してみて、どう思っていますか?

 取り組みとして新しいなと思っています。沖縄について漠然と何かしたいと思っている人や、沖縄のことがまだ自分事化していない人が自分の経験をコラムに書くことで、当事者になっていく、というところが面白いですね。
 あとは、安心して語れるという点もいいですね。政治や基地の話など、SNSで何かを発信しようとすると、批判されたり、対立したりしてしまうことが多くあります。でも、この活動では、個人の経験、事実から書かれたコラムなので、そういうことが起きにくい。あなたはこういう経験をしてこう思ったんだねということが、切り取られた言葉だけでなく、背景も含めてスッと入ってきます。

──「「ナイチャー」と結婚して」はとても読み応えのあるコラムだったと思います。コラムを書いてみて何か変化はありましたか?

 コラムメンバーからの反響が嬉しかったです。「これまで読んだコラムの中で、一番共感した」という感想をもらいました。沖縄に関して、当事者になれないという葛藤や、外部から関わりにくいという思いを持っている人はたくさんいるんじゃないかと思いました。やっぱり書いてよかったですね。

──県外出身の妻と沖縄で暮らした経験をコラムで書いてくれました。どんな思いがあったんですか?

 結婚や移住だけじゃなく、沖縄に関わるきっかけは人それぞれですが、どうやって向き合うかを考えるのって大変だと思います。それは、沖縄県外から来た人だけじゃなく、おそらく、沖縄に住んでいる人も同じです。沖縄に住んでても、最初から沖縄を意識するわけじゃないですよね。何かのタイミングで沖縄について考えるきっかけがあり、沖縄と向き合っていく。私の結婚した際の経験を通して、様々な人が沖縄との向き合い方について考えてくれたら嬉しいです。

──ちなみに、パートナーの方から何か反応はありましたか?

 うーん、どうかな……笑。妻は妻なりに沖縄に向き合っているからこういうコラムを書けたんだなと思います。

安心して語れるコミュニティに共感

──ハルサーの孫さんは、3月のトークイベント企画「わたしが沖縄を発信するわけ」の運営に参加してくれました。どうして子育てや仕事が忙しい中関わってくれたのでしょうか?

 せっかく関わっている活動なので、コラムを書いて終わりにするのは勿体無いなと。それに、コラムを書いている人同士がつながって、コミュニティを作れたら、沖縄について安心して話したり考えたりできる場所になるだろうという期待もありました。
 沖縄のことってどうしても、喋りにくいと感じるときがあります。みんな生活している中で、本当は思っていることがあるけど、語りにくい。それは、身近な人がどういうスタンスかわからないからだと思ってて。「あ、なんか考え方が違うな」って思ったら話せなくなりますよね。でも、話したりすることや考えることをやめると、どんどんわからないまま年齢を重ねて、それぞれが孤立していっちゃう。だから安心して話せる場が必要だろうなと思ったんです。

──そんな想いがあったんですね。
 あとは、単に、イベント準備の時間がギリギリすぎて「大丈夫か⁉︎」という心配な気持ちです(笑)。直前で「え、これも決まってないじゃん! あれもできてないじゃん! 大丈夫?」みたいな。本当にイベントとして成り立つのか⁉︎ という不安はありました。

──いやぁ、もう本当にありがとうございましたということしかできない(笑)
  やっぱ、大変でしたよね?

 うん。やばいなと思ってた(笑)
 なんか、コラムのメンバーもいっぱい運営として参加しているんだけど、みんな初めてのイベントで慣れていないし、それぞれ普段は他の仕事をしているわけで心配でした。でも、なんとか終わったね。

──そうですね。本当に協力していただいた皆さんのおかげです。

 でも、イベントとしては大成功だったし、予想以上だったなと思います。観客の方もいい感想をくれる人が多くて。とりあえず、やってみることが大事なんだろうなと感じました。

──これからもよろしくお願いします…!!

──最後に、特に印象に残っているコラムを教えてください。

 「半分の沖縄とともに」です。
 私自身は沖縄で生まれ育ったけど、進学を機に沖縄を出るまでは、沖縄の問題を周りと話すとか、親から教えてもらうとかそういうことはありませんでした。県外の大学に出て「沖縄ってどうなの?」と聞かれて、はじめて意識し始めたんです。
 執筆者の山本さんは兵庫県出身だけど、沖縄にルーツがあって。大学生の時に、沖縄について考えるきっかけがあったと。一冊の本を読んで、沖縄と向き合っていこうと決めたっていうのがすごいと思いました。沖縄の課題に触れても、めんどくさいと思ったり、わからないと思ったら離れて行く人の方が多いと思うんですが、そこで沖縄の課題と向き合っていくことを決めたのが素晴らしいです。

──ありがとうございました!!

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