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川崎フロンターレU15の日々【振り返り】

前回の記事では、中学生になって感じた【変化】について、書きました。
カテゴリーが変われば、その都度、変化がある。
小学生→中学生,中学生→高校生,高校生→大学生orプロ,大学生→プロor社会人

では、その訪れる変化に対して、どんな準備をしておけばいいのか。特に小学生〜中学生時代が重要になるのだろうか。

変化とは、前回の記事でも触れたサッカーのフィジカル的な部分は、勿論ですが、それ以外にも多くの変化があります。沢山ある中で、今回は2つの事について考えてみたいと思います。

【ジュニア(小学年代)】では、
1.基本的には、監督やコーチは変わらない。長い子であれば6~7年間は同じコーチに見てもらう(スクール除く)が多い。だから、互いの理解が深まりやすい。それが故に色々な融通もきかしてくれる。
2.割と自由な時間が少ない。(習い事などを複数行っている為)

【ジュニアユース(中学年代)】では、
1.監督は学年ごとに変わることが多い。コーチとのコミュニケーション(特に保護者)は小学年代ほど、多くない。(指導者にスタイルで異なります)

2.自由な時間は増える。

では、ジュニア時代にどんな能力をつけておくことが必要になるのか。

1.圧倒的なコミュニケーション能力(ピッチ外)

コミュニケーション能力というと、一番に思いつくことは、【喋る】ことだと思います。
勿論、すごく大事なことで、自分の意思を伝えて、理解してもらう為に。
僕もジュニアサッカーを指導していて、【喋れる】選手は多い。ネットも普及していることから、流行りなどに関する知識も多い。だから、会話は成り立つ。
でも、僕がもっとも大事だと思うことは、ここではありません。
それは、【察知力】です。要は、感じとる力です。
言葉を発さなくても、相手の思いを感じ取れるか自分が何をするべきなのか
基本的に年齢を重ねれば、自分の思いを口にすることはできるし、相手の質問に対して、しっかりと回答することもできる様になると思う。ただ、自分の気持ちを伝えるだけが、コミュニケーションではないと考えています。
相手の気持ちを読み取ることも含めたことがコミュニケーションだと思います。
このコミュニケーションを取れる選手は、考えて行動できる選手に共通することだと思います。考えて行動するから【察知力】が身につく。

では、なぜ必要なのか。
サッカーは、常に状況が変わるスポーツです。計22人(8人制は16人)で、ボールは一つだけ。当然、限られた試合時間の中で、ボールを触る時間より、ボールを触らない時間の方が多いし、コーチも11人(8人)全員に指示を出すのも間に合わない。
だから、自ら「察知」して、何をすべきかを考え行動する力や自分には、何が求められているのかを感じ取れることが大事です。

これはピッチ内に限らず、ピッチ外(普段の生活)でも同様です。
それは、以前の記事でもお伝えした通り、ピッチ外(日常生活)で、察知できない選手が、複雑に状況の変わるピッチ内で瞬時に察知できるはずがない。
日常からアンテナを張っている選手とそうでない選手では、感度が明らかに違う。
この感度が高い選手ほど、自己分析能力も高い。

【ジュニア】と【ジュニアユース】の違いとして、スタッフとのコミュニケーションが少なくなることを上げました。これは、指導者が冷たくなるとかそういう話ではなく、人間的な成長段階で保護者の介入が必然的に少なくなるということ。
そして、クラブチームにもなれば、セレクションを経て入団が決まるので、選手のレベルに大きな差は少なくチーム内での競争率が高くなる。
"試合に出れない時期""うまくいかない時期"にうちの子は…なんて介入ができなくなり、その状況を打開するのは、本人次第。打開できなければ、ライバル達が自分より評価される。そういう世界になっていく。だから、小学生年代のうちから備えておくべきことがある。

では、どうするか。どんな準備をしておくか。どうやって察知力を上げていくべきなのか。
今回は、僕が選手・指導者として経験したことから、3つの事を上げていきたいと思います。

1.【とことんサッカーを好きになること】
2.【自分を好きになること】
3.【時間を逆算して生活すること】

この記事では、1.【とことんサッカーを好きになること】に関して書いていきます。

【サッカーをとことん好きになるここと】
は、サッカーを続けていく上で、最も大事なことだと思っています。
サッカー以外でも、自分が好きなこと、興味のあることに対して、探究心が生まれると思います。
当然、サッカーを始めたときは、サッカーが楽しくて始めているはずです。僕は、サッカーは、姉が始めたことをきっかけに強制的に少年団に入団しましたが。笑
ただ、そこから、段々サッカーに興味を持ち、気づけばサッカーが大好きになっていました。
入り口がどうであれ、最終的にサッカーが好きになっていることが大切です。
これは、あくまでも個人的な経験ですが、段々とサッカーへの好き度が下がっていました。それは、以前の記事でも書きましたが、サッカーが業務的になっていたからです。だから、いかにサッカーを好きでいられるかということが、練習量よりも大切だと思います。

実際に僕は、スクール生やクラブチームでも指導する機会があり、様々な選手を見させてもらっています。
・週末しかサッカーの活動がない選手
・平日も週末もびっちりサッカーが詰まっている選手
大きな括りとして、この二つのパターンがあります。要は、練習量の少ない選手練習量の多い選手です。

では、スクールを開校したとします。そのスクールに来てくれた選手には、普段から練習量の多い選手と練習量の少ない選手がいます。

みなさんは、どちらの選手が上手だと思いますか?

当然、練習量の多い選手です。

では、どちらの選手が成長幅(変化)が大きいと思いますか?

これは、練習量の少ない選手です。

もちろん、全選手がそうではありません。
ここで僕が伝えたいのは、サッカーを楽しめているかどうかの話です。
練習量が多い選手には、楽しむ余白が少なくなってしまっているということです。
逆に練習量の少ない選手は、サッカーがしたくてたまりません。だから、時間があれば、ボールをずっと蹴っています。練習しなさいと言われなくても勝手に蹴っています。練習に対しても、好奇心旺盛で、ミスしたとしても、果敢にチャレンジします。

逆に詰め込まれている選手は、ミスを異常に嫌がります。ミスしないことばかりを優先します。技術は身についているので、自分がやれる範囲でプレーを選びます。きっと、サッカーで色々経験しすぎているのでしょう。

結論、練習量の多い選手がサッカーが大好きで、楽しんでいたら、伸び代は半端ないってことです。

僕は、練習量を否定するつもりはありません。技術は、やればやっただけ身につくので。ただ、そこに「心」が間に合っているかどうかです。

「プロになるなら」・「スタメンになるなら」そんなんじゃだめだ!!って、他人がいうのではなく、本人がそう思う「心」がないと意味がないんです。
だって、最終的に決めるのは、本人なので。

「心」を作る為には、余裕が必要です。それは、体力的にも精神的にも。
これを子供達が自分でコントロールするのは、かなり難しいはず。ここで大事なのが、大人の私たちです。
子供が純粋にサッカーを楽しめているのかをしっかりと見極める必要があり、それは、甘やかす訳ではなく、たまには弱音を捌ける環境を作ってあげる位のイメージです。

この「心」の成長は、人それぞれで比べられるものでもないと思います。
実際に僕は、高校3年生でやっと成長しました。高校生、最後の1年間での成長スピードは、自分でも実感するほどのものでした。なぜ、成長できたのか。それは、サッカーを高校で引退すると決めて、実際にサッカーが日常からなくなる事を想像したら、寂しさを感じ、毎日の練習を大切に過ごすようになった。
中学生の頃は、サッカーのある日常が当たり前すぎた。できなくなる事を想像したこともなかった。
この現象は、時代と共に早くなってきていると思う。まだまだ、可能性しかない選手達の可能性を最大限に活かせるのか心配になる時もある。


この成長に気づいた人間は強い。自信に満ち溢れる。成長が早いとか遅いとかは関係ない。気づいてからの成長スピードは凄まじいものだと確信している。逆転現象だって起こる。

指導者の我々がサッカーの魅力を伝え、サッカーを真剣に楽しませてあげられるか、そして親御さんのサポートでバランスをとり、選手を支えて行けたらいいですね。

僕自身もまだまだ課題だらけです。
そんな自分と向き合いながら、日々精進していきます。

最後まで、お読み頂きありがとうございました。

次回は、2つ目【自分を好きになること】についてです。
是非、お楽しみに。
















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