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《皮トンビ》が国立新美術館に飛んできた? (六本木アートナイト先行展示)

 六本木アートナイトの先行展示が国立新美術館でも始まりました。六本木ヒルズのひろばでスタートした「100色の記憶」(エマニュエル・ムホー)に続くイベントです。

 国立新美術館の正面玄関から入ると写真のような大きな作品が視界に飛び込んできます。鴻池朋子さんの《皮トンビ》で、数年前に所沢市にある 角川武蔵野ミュージアム の外壁に展示されていた作品です(所沢から六本木に飛んできた?)。 雑誌などでミュージアムの下のほうに張り付いているような写真を見ましたが、それが大きいのか小さいのかはその写真からはわかりませんでした。実際に飾られた作品を見て「こんなに大きかったのか」と認識します。そしてパーツをつなぎ合わせた作品であることも、裏から差し込む太陽の光が漏れてくる具合からわかります。

 牛革はいて厚さを調整しカバンなどに作り上げますが、その工程で出てきた捨てられるはずの裏革を利用したということです。私は漉くという言葉のイメージから細かい端切れのようなものがたくさん出てくるのかと思っていたですが、一枚がけっこう大きいのですね。そんなことも勉強になりました。



 国立新美術館の3階にはアートライブラリーが設けられており、手前に中庭があります。そこで庭の手入れをしているように見える人がいました。この人が しばたみづき さんなのでしょうか。
 この《つぼなんかをつくる》Make As Like a Pot というパフォーマンスでは、国立新美術館の敷地内で溜めた水を使い、敷地内で採取した土を粘土にして「つぼ」のようなものを作っていくということです。中庭に入って作業の様子を近くで見ることはできません。そのため、手元ははっきりとは見えないのですが、両手で何かを練っているようでした。
(会期が終れば、つぼは敷地内に土にして戻すようです)



 地下1階へ降りるエスカレーターの先にも先行展示がありました。先のほうにある2台のモニターにはベトナム・ホイアンの街を犬といっしょに歩いている様子が流れています。うらあやか さんの作品です。


 うらあやか さんの作品はほかにもありました。
 正面玄関を出た右手(西側)には美術館の別館があります。外壁のガラスには本館の円錐形の出入口が反射し、その上に掲げられていたのが作品でした。さきほどの地下一階では犬でしたが、ここでは熊蜂と人間の関わりを表現しているということです。青い空を背景にした黒い点が蜂のようです。説明では「連続写真を…」とありましたので、これから別の写真が加わってくるのでしょうか。あるいはだんだんと写真が変わっていくのでしょうか。また来てみるとわかるかもしれません。



 正面の前に置かれているのは《狐ベンチ》。室内にあった皮トンビと同じく 鴻池朋子さんの作品です。私は写真を撮ってここを後にしたのですが、振り返るとこのベンチに座っている人もいました。そりゃそうですよね。座らなければベンチの意味はないのですから…。でも本当に座っていいのかは、よくわかりません。次に来た時に確かめられたら確かめてみます。



 国立新美術館は東京メトロの千代田線乃木坂駅につながっています。地上階への階段・エスカレーターではパープルのねずみが泳いでいるような動画が天井に投影されていました。

 1階案内所のカウンターにもねずみが…

 よく見ると ひよこ?を引き連れています。
 これは 築地のはら さんによる《ねずみっけ》というプロジェクションマッピング作品です。1階ロビーではいつ出てくるかわかりません。ARアプリも用意され、自分のスマホでねずみを探すこともできるようです。
 この作品は1月から始まっていたようですが、六本木アートナイト先行展示のリストにも含まれていました。



 これは先行展示ではないのですが、吹き抜けの3階から1階ロビーのカフェを撮ってみました。人が戻ってきたなと感慨深く見ていました。テーブルにどう座るかもそのグループによって違っていて面白い。
(ガラス越しに撮ったので自分側の光の反射もあって上下で色調が違っています。ご容赦ください)





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