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草間彌生展覧会のグッゲンハイム美術館。ツール・ド・フランスがスペインバスク地方のこの美術館から始まりました

 草間彌生の展覧会が6月下旬からスペインバスク地方の美術館、グッゲンハイム・ビルバオ美術館(Guggenheim Bilbao Museoa)で開催されています。そして、この美術館ではもう一つ大きなイベントがありました。自転車ロードレース、ツール・ド・フランスの開会式イベント、チームプレゼンテーション です。私は日本の自宅からテレビで見ていたのですが、スタート2日前の6月29日に、参加22チームが紹介されたのです。1チーム8人で構成されていますので、合計176人もの選手がチームごとに自転車に乗って壇上に登ってきました。


今年は外国からのスタートに

 現在のツール・ド・フランスはパリ以外からスタートし、パリのシャンゼリゼを目指してレースが展開されます。
 初日のスタート地点を グランデパール(Grand Départ)と言い、注目度が高いことからフランス国内だけでなく外国からも希望があり、今年はスペインバスク地方のビルバオが選ばれました。過去には西ドイツ時代のベルリン、英国ロンドンが選ばれたこともあり、ロンドンではあのトラファルガー広場からスタートしたということです。

 過去10回のグランデパールを調べてみたところ、うち6回が外国からのスタートでした。残り4回がフランス国内からで、モンサンミッシェルやニースなど観光地として有名な場所からのスタートもありました。特にモンサンミッシェルはカトリック巡礼の地として重要な場所に位置づけられており、そこからツールがスタートすることに歴史的な意味を持つとも考えられているようです。


最終日はパリのシャンゼリゼ通りを周回

 そして今年最終日の7月23日日曜日はパリ近郊のサン=カンタン・アン・イブリーヌ(SAINT-QUENTIN-EN-YVELINES)からスタートし、ベルサイユを通過、パリ・シャンゼリゼ(CHAMPS-ÉLYSÉES)のゴールを目指す115.1kmのコースとなります。来年のパリ・オリンピックの競技会場周辺を巡るルートになっているという話しもあり、テレビ映像ではそのあたりの情報が紹介されるかもしれません。
 例年ですと、凱旋門を周ってからコンコルド広場までのシャンゼリゼ通りを通過し、チュイルリー公園の横を通り、ルーブル美術館手前の地下自動車道からジャンヌダルク像の前で折り返してシャンゼリゼ通りに戻ってくるという周回コースを何周か走ってからゴールとなります。そして、今年は8周することがわかっています。パリの有名な場所を映像で確認できるのも楽しみの一つになりそうです。

来年のゴールは南フランスのニース

 ところで、ツール・ド・フランスの最終ゴール地点が シャンゼリゼ通りになったのは1975年のことです。その時のフランス大統領は自転車好きと言われた ジスカールデスタン でした。それより前はパリ中心部から離れた パルク・デ・プランス(サッカー パリ・サンジェルマンのスタジアムのあたり、16区)や ヴァンセンヌ(12区)が最終ゴール地点だったということです。

 来年2024年のツール・ド・フランスは、最終ゴール地点を南フランスのニースへ移すことがすでに発表されています。最終日は7月21日日曜日。一方、パリ・オリンピックの開会式は7月26日金曜日、ラグビーとサッカーはその2日前の7月24日水曜日から競技が始まります。時間的に間隔がありませんし、コンコルド広場も 3バイ3バスケ や ブレイキン、スケートボード、BMXフリースタイル の会場になります。準備がほとんど終わっているであろうこの時期にパリへ向かうのはかなり難しいのでしょう。
 ちなみに今年最終日のスタート地点、サン=カンタン・アン・イブリーヌ には 自転車トラック競技 と BMXレース の会場があるということです。

(※)バスク地方でのレース内容は最後に紹介します。



草間彌生の展覧会

 冒頭で紹介したグッゲンハイム・ビルバオ美術館での草間彌生の展覧会はタイトルが Yayoi Kusama: 1945 to Now (バスク語だと Yayoi Kusama: 1945etik gaurdaino だそうです)となっており、今年2023年6月27日から10月8日までが開催期間になっています。

(グッゲンハイム美術館のインスタグラムより)


 美術館広場の池には彫刻家アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor)による金属の球体を積み重ねたような作品があります。そして、展覧会期間中はカプーアの作品の周りにたくさんの赤い円形の板のようなものが水に浮かぶように設置されます。これは赤い水玉模様のように見えます。

 また、美術館のウェブサイトからは ukiyo.ikebana さんのインスタグラムをリンクする形で館内の作品を垣間見ることもできます。


美術館ではもう一つの有名な作品も

 チームプレゼンテーションではチームごとに池にかかる橋の上を自転車に乗ってゆっくりと渡り、ステージに登場しました。その映像には池の手前にどこかでみたことがあるようなクモの彫刻がありました。ルイーズ・ブルジョア(Louise Bourgeois)のママン(Maman、バスク語で Ama)。六本木ヒルズにあるものと同じ彫刻です。

(グッゲンハイム美術館のインスタグラムより)


 ママンはグッゲンハイム美術館の代表的な作品としてウェブサイトのトップにも掲載されています。調べてみたところ、ほかにもカナダのオタワにあるカナダ国立美術館、英国ロンドン・テムズ川沿いテート・モダンでも常設展示されているようです。テート・モダンはかつて発電所だった建物を利用した美術館ということで、それもおもしろそうです。世界的な作品の一つが六本木にもあると考えたほうがいいようです。



バスク地方でのレース結果は

 最後にバスク地方で開催されたツール・ド・フランス3日間のレース内容を簡単に紹介します。

 7月1日に開催された第1ステージ(Étape 1)は美術館のあるビルバオ(BILBAO)からスタートして周辺の町や村を巡りビルバオに戻ってくる182kmのコース。最後の山下りで集団を抜け出したアダムとサイモンの双子のイェーツ兄弟(英国)がゴール直前まで競い合い、UAEチームエミレーツの弟 アダム・イェーツ(ADAM YATES)がステージ優勝となりました。なお、兄 サイモンは別チームのチーム・ジェイコ・アルウラーから参加しています。

 7月2日の第2ステージ(Étape 2)はビルバオより内陸側にあるビトリア・ガスティス(VITORIA-GASTEIZ)から海岸側のサン・セバスティアン(SAINT-SÉBASTIEN)に向かう208.9kmのコースです。残り1km地点で道路右側に寄っていた集団の左側をスルスルっとほぼノーマークで抜け出した ビクトル・ラフェ(VICTOR LAFAY、フランス)が最後まで逃げ切りステージ優勝を獲得しました。

 7月3日、第3ステージ(Étape 3)はビルバオ近くのアモレビエタ・エチャノ(AMOREBIETA-ETXANO)から海岸線近くを走り、いよいよフランスに入ります。レース距離193.5kmを経てゴールのバイヨンヌ(BAYONNE)を目指します。そして、この日はゴール直前までデッドヒートが繰り広げられ3人がほぼ並んでフィニッシュラインを切る展開となりました。その中のヤスペル・フィリプセン(JASPER PHILIPSEN、ベルギー)がステージ優勝しました。


バスク地方のコース(概略図)



 来年はパリ・オリンピックのため、凱旋門を背景としたツール・ド・フランスの表彰式は見られません(…と思います)。テレビの映像をみるしかないのですが、今年の表彰式はぜひ目に焼き付けておきたいと思います。最終日までの残りのレースも楽しみです。そして、いつの日か直接観戦してみたい。

(ツール・ド・フランスの第3ステージが終わって、2023年7月4日)


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