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詩編 「兆候」 (十篇)

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「流動」より「兆候 秋」までの十篇。
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記事一覧

(ソネット) 「兆候 秋」

道々に並ぶ葉が暗緑の網となり 崩れかけた紅の花の輪を包む 鳩は 何時も 思いもかけぬ所に降…

臨  機清
6か月前
21

(詩) 「大地はもう黒く」

宿命のように旋律を否んだから 体に傷を受けて飛ぶ鳥 しいられた全ての歌に背をむけて 降りや…

臨  機清
7か月前
25

(ソネット) 「扉」

その白い手に触れるには余りに遠い 雨が開かない扉となって立ち塞ぐ 窓を打つ滴さえ 挑むよう…

臨  機清
7か月前
26

(ソネット) 「鏡」

彼女の瞳は遥かな記憶を喚び醒ます 青く暗い輝きを湛えた池 不毛の土地を百合の生命で照らし …

臨  機清
7か月前
18

(詩) 「沈吟」

闇を次第に深めてゆく 一つの時代 ひとつの季節に 渦巻く怒号 暗い音響を彼方に聞く 透明と…

臨  機清
7か月前
22

(ソネット) 「秋の諧調」

黄金を湛えた川縁の道 夕刻 暑気と湿気の強い残り香が漂い 午睡のような秋の静寂のなか 何処…

臨  機清
7か月前
22

(ソネット) 「秋 記憶 風」

開きかけている扉がはげしく軋み 静寂を抑え込んだ風がたえず ただ甘美なばかりの過去へ吹く すべてをひとつの起伏にかえる川 矛盾、混沌を内包しない透明はなく 薔薇 窓 石 が 儚い調和を生んでいる場所を探して 一本の線で縫いとめてゆく 私はそこで 彼方で混ざり合う ふたつの香りを嗅ぐ 香りはいつも記憶を癒し 体を包む ただ 眠りをもとめている 季節の内側で 何もかもをあらう 優しい眠りを 風を 今

(詩) 「緑風橋 晩夏」

たえず変わりゆくものと 決して変わる事のないものとの 境界で 風が 時間が 季節が そして私…

臨  機清
8か月前
25

(詩) 「地層」

微かに 開き始めた新たな季節の 扉がある 風はあくまでも乾き 星の軌道 夜の瞬きを そっと私…

臨  機清
8か月前
31

(詩) 「流動」

断崖を越えた道の先で 薄い灯が 形を定めずに 揺れ動いていた 強い潮風が 纏う衣を濡らして…

臨  機清
8か月前
22