(詩) 「青き花々へ」





一輪の花でしかないものを
それもこの目で見た訳でないものを
いかに愛でるというのだろう

鳥とともに飛び立って
光とともに呼吸する
これらの花々は
青い芳香を放ち
風に身を変え
異郷の遠い記憶をふりまいて

更には
忘却の淵で
形定まらぬ幻にあそぶ

触れる事のできない
これらを慎ましげに
いとおしんでみたい

まれな知識の花弁はなびら
煙のように
蝶のように散らして咲く

私と同じ時間とき を呼吸し合う
色とりどりの花々を