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恋にまつわるいくつかのはなし

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人を好きになるってどういう気持ちなのか、恋に落ちて初めてわかる。君という存在が教えてくれた。みんなが言っている恋とはこういうことなんだと。
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くちびるが離れた後で

久しぶりの出張の帰途。 久しぶりの新幹線。 新大阪から上り方面。 水滴のついた車両がゆっ…

岬にて

どうしてこうなったのかとも思ったが、考えてみれば最初から必然だったのかもしれない。どんな…

TOO MUCH PAIN

もっと違う場所で出会えてたらよかったのに。好きだった女の子から生涯一度だけこんな風に言わ…

友情のその先にあるもの

二年に一度くらいの頻度でお逢いしている女性がいる。以前にnoteで書いたこともあるけど、大切…

友情

もう10年以上前に仕事で知り合いになった女性とずいぶん久しぶりに電話でお話しする機会があっ…

恋に落ちたと気付く時

思へども なほあやしきは逢ふことの なかりし昔なに思ひけん 村上天皇 こんなことになるなら…

身体が透きとおる瞬間に

確かに愛しあっているのなら、二人の身体は溶け合いひとつになる。溶けて混ざり合うその一瞬前、肉体は何もないかのごとくに透きとおる。二人の細胞ひとつひとつが色為すことを止め、もう何も要らないと見えることを手放す。そこに居る存在それだけが全てだから見えている必要さえない。そのことを誰に命じられなくとも身体は解っているから、ひかりを反射することを停止して、存在を透明にする。そしてぼくたちはようやく理解する。ぼくたちを分け隔てている皮膚という境界など互いの気持ち次第でどうとでもなるとい

初恋 〜二番線の風〜

その日曜日の朝の空気は、吸い込むたびに初夏のようでいてまだ春のような、どちらつかずの思い…

初恋 〜太陽の向こう側〜

当時住んでいた戸塚にある自宅から、渋谷のプラネタリウムまで毎月のように通っていたのは、小…

恋をしに行く

安吾はいつだって僕の中でとても大事な存在だ。彼のように無頼と言われる人生を生きてみたいと…

この気持ちが溶けてなくなるまで

君の名は 苗字にさんをつけて呼ぶ ほのかな想い 悟られぬよう  麻 どんなことがあっても…

君に教わったこと

君により 思ひならひぬ 世の中の ひとはこれをや 恋といふらむ 在原業平 ーー…

接点

中三のとき少し気になっていた背の高い陸上部の女の子のこと。高校に入って少し経った頃、街で…

恋とは何でしょう

恋とは何でしょう それは小一のとき 机をあわせて一緒に描いた四コマまんがと転校のしらせ 恋とは何でしょう それは小六のとき 後ろになびくポニーテールと保健室の匂い 恋とは何でしょう それは中三のとき 屋上から見た夕焼け空と校舎の落書き 恋とは何でしょう それは高二のとき 初めてつないだ手の温かさと保土ヶ谷駅の二番線ホーム 恋とは何でしょう それは十九のとき 一斉に舞い上がる無数の蛍と、橋を吹き抜ける初夏の風 恋とは何でしょう それはほのかな想い