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利用可能性バイアスの進化と、その進化的ミスマッチを悪化させるニュースとマスコミ。 #Cogbias ⑶ | エボサイマガジン

" ニュースは、ほかのものを押しのけて意識の表面に浮上する、途方もない力を持っている。その影響を受けていては、分別ある判断を下すのはほぼ不可能だ───とりわけ、経済や政治に関する判断は。"  -ロルフ‪·‬ドベリ

人間のアタマには思考の落とし穴が備わっている。

認知心理学者や行動経済学者たちは、数々の研究や実験によって実証された、その “バグ=リスト” を俺たちに惜しみなく提供してくれる。

しかし、それを見て「ヒトの脳みそは愚かだ」とはっきり言い切ってしまう前に、進化心理学者のG.ギーゲレンツァーやP.トッドらが主張するように「 “愚か” であることこそ適応度が高く、生物個体に賢い選択を促すものだったのだ(少なくともホモ属の長い歴史において)」──ということについて深く考えてみる必要がある。   

認知バイアスが自然淘汰されなかった理由、認知バイアスが自然選択され続けてきた理由を探ってみよう。

〝認知バイアスの進化〟というテーマを取り上げるのがこの #Cogbias シリーズだ。

進化論のレンズを通してみれば、"設計ミス" は、〝設計通りの仕様〟に、"不合理"は〝生物学的合理性〟へと転ずるかもしれない。

#Cogbias シリーズ前回の記事はこちら;



✔︎ 利用可能性バイアス/availability bias とは?

利用可能性バイアス/availability bias を一言で言うと、

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進化心理学(EP)「遺伝子とは、無意識のうちに私たちを動かすものなのだと頭に入れておいてほしい」by ロバート=ライト.心の働きは母なる進…

【「サピエンスの心と行動のロジックを隠れた生物学的動機から読み解くマガジン。進化心理学のフォースを身につければ、世界が変わって見えてくる。】

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