これは僕が500円相談室をしていた時に(ナオトーークが始まって時間的にしんどくて、先日シナっとやめた)とある若手アーティストから投げかけられた質問だ。

おおお。良いね良いね！
オンに出るのは凄く難しい事だけど
出たいって気持ちはすごく重要だよ。

あ、いや、オンは無理なので、ニューカマーを狙ってて…。

ん？ああまぁ最初はニューカマーでも良いと思うよ。

いや、最初はって言うか…。
僕には、オン部門なんて一生無理じゃないかなって思ってて…。でも一度くらい、ニューカマーとして応募できる内に出たいなーって…。

ん？んん？何で？？？？

いや、だって、僕は流石にそこまでは…。
やっぱりオンに出てる方々って特別というか、僕には届かない場所にいる感じがして。

いやいやいやいやいやいや！！！！
若者よ！！！！！
なぜ自分の限界を、自分で勝手に決めとるんじゃい！！！！！

え…？
僕オンとか、想像した事すら無かったんですけど
あれって、出れるもんなんですか…？
あ、いや、そうか。出てる人いるんだもんな。
なんか、考えた事も無かったです。
僕の中では、シルクドソレイユに入るくらいぶっ飛んでる考え方で

いやいやいやいやいやいや！！！！
シルクドソレイユにも！！！！！
入れるから！！！！
いやいや、もちろん簡単な事じゃないけど
ショーアーティストとして生きるかぎり
いくらでも可能性あるから！！！！

え、ええ…えええ？
もちろん、言葉の上ではそうですけど
あれは生まれ持った才能を持ち合わせた選ばれた人たちの場所で…。
…なんか、本気で考えたこと無かったです。

あのね
君はまだまだ若い。
多分自分が思ってるより、若い。
周りには同世代で既に活躍してる人達もいるよね。もっと若く活躍してる人もいる。
そういう人達を見て
ああ、自分は彼らとは違うんだ
って思てるのかもね。
そう思ってる内は、本当の意味の成長は無い。
でも君には無限の可能性がある。
周りは君の事を好き放題ジャッジするけど
君だけは君の可能性を信じてあげてよ。

…なんか、びっくりしました。
そんな事言う人周りにいないので。
周りの芸人友達や先輩にも、オンに出てるような方っていなくて
出たいねーなんて言ってる人はいても、いや無理だろwwwって笑われます。そしたらその人も一緒に無理かーwwって笑ってるんです。
それが当たり前だと思ってました。

oh...なんということだ。
まぁいいや。君の相談内容は
"どうやったら大道芸ワールドカップのニューカマー部門に出れるか"だったね。
もっと上を目指そうが何だろうが
基本的にやる事は一緒だから
まずはそれに関するアドバイスを僕なりにしてみるよ

1.アーティストとして成長する事に力を注ぐ

まずは色んな物を見ること。それに対してお金に糸目をつけないこと。
演劇、ミュージカル、落語、歌舞伎、ダンス等など、日本は意外と手軽に見に行けるエンタメで溢れてる。
外に見にいけないなら映画でもアニメでもいい。漫画や小説でも良い。お笑いでも良い。
お金や時間がない時はテレビでもいい。YouTubeでも良い。
もちろん他のパフォーマー、大道芸人のショーは見に行きまくった方が良い。
大切なのは兎に角色んなジャンルに触れて、感性を磨き育てること。自分が面白いと思う物を探すこと。大衆からは良いとされているのに自分はよく分からないものに出会った時は、何が大衆を魅了しているのか自分なりに分析すること。
練習も勿論大切。全ての基本は基礎力。
何でも良いから、道具に触れている時間を増やすこと。
筋トレと柔軟は可能な限り、自分のペースで。

2.演技・作品を作りまくる。

色んな作品を見まくったら、その中で自分がいいと思った物をパクろう。
パクるっていうと語弊があるかも。完全に同じ事をするんじゃなくて、良いと思った部分が、何故いいかを自分なりに分析して作り替えるの。
衣装とか曲、台詞回しをそのままパクって良いわけじゃない。世界観、構成の流れを自分なりに置き換えて作る。そしてそれをどんどん人前で試す。
エンターテイメントは常に進化してて、先人が面白い物を作ってくれてる。まずはそれをパクりまくろう。個性は後からついてくるから。

3.自分の魅力を最大限伝える宣材資料を作って送りまくろう。

自分なりに満足が出来る物を作れるまで待つ必要はない。まずはフェスに応募するべく、資料を作ろう。
一番大切なのはビデオ。むしろ他の資料は適当でいい。

ビデオを作る時に気をつけなければいけないのは、自分を良く見せようとしないこと。ありのままの自分を3分にまとめるの。
お客さんの反応とかいらない。フェスの審査してる人達は、そのショーを自分達のフェスでやったらお客さんがどんな反応するのか位想像できるから。
等身大の、でも最大限の自分を表現したビデオを作ろう。
ビデオができたら、全国のフェスに応募しまくる。
落ちても良い。何度も応募する事によって、自分の事を気にかけてくれる人はゆっくり増えていく。

基本的に、フェスに出る方法はこの3つを忠実に守り続けるしか無いと思う。

自分を高めて、より良い作品を作って、それを最大限相手に伝える。
この作業を地道に続けられる人だけがフェスに出れたり、より高みにたどり着けるんだと僕は思ってる。

あと一つだけ、最後にちょっとしたアドバイス。

4.一緒に過ごす人は選ぼう。

申し訳ないけど、君や君の友達が"大道芸ワールドカップのオンに出たい"と言ったことを笑う様な人とは付き合いを減らした方が良い。
もっとモチベーション高く、自信の成長と成功に向けて躍進できる人達との時間を増やそう。
人間って自然と周りに合わせちゃう性質があるから、志が低い人達と過ごすと自然とモチベーション下がってしまうもの。
嫌われちゃうかもとか、気にしなくて良い。
こんな小さな業界で、しかもそんな失礼な人に嫌われたところで
君のことを救ってくれる人の方がこの業界には圧倒的に多いから。
業界に拘らなくて良い。役者、ダンサー、ミュージシャン、サラリーマン、学生でもいい。
自身のことを高める為に尽力してる人たちとただ一緒に過ごすだけで
ゆっくり君自身も変わっていくから。

もちろん誰にだって向き不向きはあるし
全ての人がたどり着きたい場所にたどり着けるわけじゃ無い。
だけど、努力は君を裏切らない。
10年、20年かかって
やっと日の目を見たって人を何人も見てきた。

これだけ偉そうな事を言ってる僕だって
まだまだ、たどり着きたい場所が沢山残ってる。

自分なりのペースでいいからさ
もっともっと上を目指して行こうぜ
一緒に頑張ろうよ。

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その後彼がどうなったのかはわからないけど
少しでも自分の可能性を信じてくれる様になってたら良いな

もしこれを読んでる方々の中に、
同じ様な悩みを抱えていたり
いつかは大きなフェスに出たい！とは思っていても
どうしたらいいか分からない場合は
是非参考にしてみてください。
長々と書いてるけど、実にシンプルで地味な事の繰り返しなんです。
誰にだって出来るけど、やり続けるのは難しい。
でもこれで高みに辿り着けるなら
やってみる価値ある気がしません？

ではまたー。
Naoto