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高校最後にアフロから大事なことを教わった。


高校の同じクラスにアフロがいた。
いい奴で、頭も賢い、喋りも達者。
おもしろいやつだった。
彼はギターも歌もうまかった。


部活を引退した高3の2学期以降。
放課後の教室、アフロは弾き語りをする。


歌うたいのアフロだった。


BUMPの「車輪の唄」をよく歌っていた。今でもこの曲を聞くたびに、ボクの脳裏にはアフロが浮かぶ。

錆びついた車輪♪
悲鳴をあげ♪
僕らの体を運〜んでいく♪
明け方の駅へと〜♪

ってやつ

サスケの「青いベンチ」もよく聴いた。

このこ〜えが〜♪
枯れるくらいに〜♪
君にす〜きといえばよか〜った〜♪

ってやつ


時は流れ、卒業式。
最後のHR(ホームルーム)。
3年間クラス替えのないクラスだった。
そのため、地味に絆が強かった。
ボク自身、このクラスが好きだった。


他のクラスがサクッとHRを終えるなか、3年間の思いを担任が語る。その後、一人一人が簡単なスピーチをする。なかなかボリュームのある豪勢なHRになった。


皆がスピーチを終え、最後のHR締め。
感極まったアフロの登場である。
最後に一曲歌うながれになった。
ワイの気持ちはこんな感じ↓

ええやんええやん〜。
感動や〜ん。最後に涙涙のHRや〜ん。
忘れられへんHRになるや〜ん。
なんかドラマみたいでええや〜ん。

ワイの気持ち①


満を辞してのアフロ。
拍手で迎えられるアフロ。
曲は、車輪の唄。
渾身のステージだった。

廊下にはギャラリーが集まり、皆がアフロの歌を聴いてジーンとしてた。ボクも例に漏れずジーンとしてた。ワイの気持ちはこんな感じ↓

はい。
お後がよろしい。
いい解散だ。
高校生活終わったなぁ〜。
いい終わり方だったなぁ〜。
拍手だね〜。感動だね〜ん。

ワイの気持ち②


誰もがそう思ってた。

しかし、アフロは止まらなかった。
すっかり気持ち良くなってしまったのだ。
気持ちがたかぶってしまったのだ。
やってしまった。
もう一曲、歌い出してしまった。
1人で勝手にアンコールしてしまった。
別にだれも頼んでないのに歌い出した。
全くもって歌わなくてよかったのに。
誰がどう見てもお後がよろしかったのに。
独断でライブ続行するアフロ。
弾き始めたが最後、後戻りできない。
廊下まで響くアフロの歌。
さっきまでのあたたかい空気は皆無。
「ええ加減、はよ帰ろ〜」の空気が充満。
皆が下を向きケータイを触り出す。
担任は苦笑いで手拍子している。
なんともいえないシュールな雰囲気。
ボクは友達とニヤニヤせざるを得ない。
ワイの気持ちはこんな感じ↓


引き際って肝心。


高校最後に何か大事なことを学んだ気がした。



・こぼれ話

居酒屋さんでみんなが帰る空気を出してるのにもう一品頼んだりしかも調理時間かかる料理、もう一杯飲もうとする人と香りは似ているような気がします。空気を読むことだけが全てではいことは、重々承知ですが、やはり読むべき空気はあるかと思います。少なくともボクは彼に対して「気持ちがたかぶったとき、我慢ができないやつ」と思っています。この事件以降、アフロに会うたび「〇〇は、気持ち昂りがちやからなw」といじるようになったのは、言うまでもありません。けど、そんな彼のことが好きです。元気してるかな。


・最後に一曲


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