江戸の暮らしは現代と同じ

江東区白川にある深川江戸資料館に行ってきました。9時半の開場から2時間にわたり館内を無料のガイドさん付きで見学しました。天気予報では31度と高めで小雨がぱらつき蒸し暑さもありましたが、館内は程よい温度で快適でした。

さて、この深川江戸資料館の特徴を紹介すると、江戸時代の庶民の街並みを細部にわたって再現してあります。実際の建物も当時の技法と材料を使用しリアルに再現してありました。

当時は木造家屋がひしめく長屋作りが多かったので、火事をおそれて、火の見櫓、天水桶(防火用水)、蔵作りなどの防火対策もなされていた様子が伺えました。

しかし、一度火事が起こると、木造家屋は瞬く間に燃え広がり火を消すことは容易ではありません。ですから防火用水で火を消すのではなく、そこから水を桶に汲んで自らに水をかけて、建物を壊すようです。

これは延焼を防ぐ効果的な方法ですが、簡単な木造建築物ならではの方法です。当時は消防署が無かったので、この役目を果たすのは主に鳶、大工といった職人が行っていました。これにも理由があって、最初に火事を発見し屋根に上がり、自分がこの火事を防いで壊したとアピールした者に、次の建築の権利が与えられているから、積極的に消火活動に参加しているようです。合理的ですね。

その火事の原因に驚いたのですが、実は江戸時代も現代のように独身者が多かったそうで、特に男性の一人暮らしの場合は、仕事を終えて一杯飲み屋で飲んで帰り、酔った状態で寝煙草で火事になるケースが多かったようです。

現代は禁煙意識も高まり、喫煙者も減り、建物も耐火構造になっているので火事自体は少なくなりましたが、暮らしぶりは変わらないのかもしれません。また、江戸時代の間取りは9尺2間(2.7㍍×3.6㍍)約6帖の大きさで、現代のワンルームマンションと変わらない居住空間です。しかし江戸時代は風呂とトイレは共同で含みませんし、設備が少ないため、快適性は現代の方が上ですが、居住スペースとしては十分な広さがあります。

もう一つ現代との共通点として、飲料水は買っていたそうです。井戸があるので、そこから汲みあげて飲んでいたのかと思っていたのですが、飲料用は玉川上水から採取してきたものを、水屋と呼ばれる人が1荷(桶を二つ)担いで売っていたようです。金額は当時の金額で4文(現代では80円~100円)決して割のよい商売ではありませんが、地方から出て来た若者には簡単に稼げる職業だったようです。

このように、見た目の違いはありますが、200年前の江戸と現代の東京のライフスタイルは似たようなものであると感じました。

まだまだ、江戸時代の商売やリサイクルの仕組み、都市伝説になっているペリー来航の際の忍者秘話など、ガイドさんを通した見学スポットが多々あり、ここでは紹介しきれませんので、ご興味のある方は、是非現地まで足を運んでみてください。尚、英語にも対応してくれるガイドさんもおりましたので、外国人も気軽に行ける観光スポットです。


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