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『ゴジラ -1.0』とカメラの話

ストーリーのネタバレはありませんが(たぶん)、これから観ようと思っている方は避けていただいたほうが良いかと思います。また、ほぼほぼ私ことアラサー会社員の想像・妄想となることをご了承ください(いつものことですが)。


舞台は戦後

『シン・ゴジラ』から、もう7年ほど経っていることが信じられない。現在公開されている『ゴジラ -1.0(マイナスワン)』は実写版の最新作となる。また、ゴジラ生誕70周年を記念している作品だそうだ。「ゴジラで育ってきた!」というわけでもないが、ちょくちょくと見てきた者として映画館へ行ってきた。ちなみに、前作は公開当時の2016年頃が舞台となる作品だったと思うが、今作は第二次世界大戦後の日本が舞台となっている。さて、映画自体の批評というのは他の方を参考にしていただくとして、私は劇中に出てくる“カメラ”が気になった。

それは野田という元・海軍技術士官(学者)が持っていた物だ。僅かなシーンなので、正確には分からない。加えて、私にはカメラの知識がないので何とも言えないが“バルナック型”と言われるライカに見えた。これは1954年にライカM3/Mシステムが開発されるまで主要だったレンジファインダー機で、設計者のオスカー・バルナック氏の名前からそう呼ばれている(正式名は別)。舞台となっている年代と、僅かに見えたフォルムからは“IIIc”辺りなのかなと素人会社員は思う。一方、日本メーカーのレンジファインダー機である可能性も考えられる。

時代考証

2023年9月に記した、日本カメラ博物館で見た日本製のレンジファインダーを思い出した。特にキヤノンが戦後に発表した“J II型”というモデルは、パッと見でバルナック型に似ている。キヤノンの公式ページによれば1945年には3台、翌年11月末までには560台が生産されたとのこと。そのうちの1台が野田のカメラだったのかもしれない(設定)。ただ、海軍の兵器開発に携わっていたとのことで(設定)、国外の“メカ”を手に入れることも出来たかもしれない。いずれにせよ本記事に明確な根拠はない。後に配信でもされたら、じっくりと観ようと思う。

それにしても映画の美術監督というのか、こうしたものを選定する仕事は難しそうだなと思う。思い浮かんだのは最も好きな映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だ。色々と割愛するが、主人公・マーティがあるパーティーで赤いギターを演奏する。しかし、そのギターは舞台である1955年に存在しないモデルだったのだ。結局、これは確信犯的な選定だったようで、ざっくり言えば“かっこよさで選んだ”みたいな感じである。その辺はアメリカっぽいというか日本映画ではなさそうな話で、今回のゴジラには時代考証がしっかり入っていることだろう。


注釈:IIIfは1950年に発売されたカメラのため今回の時代考証にはマッチしないけれど、バルナック型のイメージとして。というか写りが良くて・・・。

カメラファン

これまで

余談

SNSで検索してみると、すでに同じようなことをポストしている方々がいた。《レンジファインダー機にしてはシャッター音が一眼レフのようだった》とか《二重像を重ねてピントを合わせる描写がなくて残念》とか。実際にきっとそうなのだろうと思うが、映画としてどこまでリアルに寄せるかは難しい。誰が見てもカメラのシャッター音と分からなければ意味をなさない作品もあるはずだ。そういう意味では、個人的に良いバランスだったと思っている(本記事で触れているカメラについては)。もし、これから見に行こうとしている/2度目を考えている方がいらっしゃれば、頭の片隅に置いていただくとより楽しめるかもしれない(保証なし)。

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