習作_改_

「海」五選

魚鳥は其の身ひとつで海を越ゆ
 我は我が為に何処へか行かれむ


ぼくたちは流れ均され洗われる
     波打ち際の砂粒ほどの


あなたには白状します
 見てただけお城が砂に戻されるのを


降る雨は錆御納戸に代わりをり
   其の混じりたる境目の名は


見古したフィルム ノイズが降り
   島と我とを隔て髪濡らしたり

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