220921 incline side raise・20代前半

incline side raise 8kg
12:48、最高25回(両腕)

入りもアガりも
過ごし方も解ってきて
バイトは楽しく働けていた
トークンの補充や回収
灰皿の交換や床の清掃
筐体の修理にトイレ掃除
色んな経験を積む事がデキた

経験と謂えば
アロハシャツにブカブカのスラックス
黒の革ベルトにエナメル靴
袖口からチラリの刺青と短い小指
という正装とも謂うべきか
ソッチの人がメダルコーナーに来ていた
彼は幅を利かせて居た
店内で使えるメダルは
1ヶ月カウンターで預ける事が出来
その際には所定のカードに
自筆での記入が必要だった
習った通りに彼にもお願いスると
彼は豹変した
ドスの利いた低い怒鳴り声で
俺はイイんだよ、オメーは誰だ?!
と僕を威圧してペナルティと称する
フリーのメダルを要求した
怯えながら意地悪にも
諸先輩や社員サイドの出方を看る事にシた
カウンター奥の事務所の店長と副店長は
居ないかの様に動かず
先輩のC氏は遠巻きに視て居る
怒らせた事は謝りつつ
フリーのメダル供出は僕の一存では…
と言葉を濁しながら
時間が経つのを待った
彼は表に出ろ!と僕を従えようとスる
ローボールの原理だ
1つ聞いてヤると要求はエスカレートする
兄弟がとてもウマく使うから
僕は騙されナかった
頑として動かないと判ると
膠着状態に陥った
どの様にスるべきなのか
教わって無かったのだ
どうしようかなぁと困っていると
C氏がサアッと現れて
一掴みのメダルをカップに入れ
此処は穏便に…と謂わんばかりに彼に持たせ
案の定、と謂うべきか
預けていたメダルと賄賂を受け取って
文句を言いながら去っていった
助かった…とは想わなかった
ああいう甘やかしが彼を一層
増長させて次なる犠牲者が出るのだ
クラウゼヴィッツさん
今回はアンタの謂う通りとは想わないよ

またある日
噂に聞いていた伝説の元バイト
S氏が遊びにヤってきた
かつて隣区の中学校群に於いて
四指と名を轟かす武闘派
その名は僕らの区や高校でも有名だった
その当事者が目の前に居た
彼は古参のバイト達と仲が良く
とても楽しそうに歓談していた
彼は新たな異物として僕を一瞥し
俺、お前みたいなタイプ嫌いなんだよね
との御言葉を頂戴した
やはり相性は有るだろうし
ダメな人が居るのは解るから
コレは仕方ないよな~と
シュンと凹んで静かにシていた
後日、S氏とは海へ遊びに行くのだが
この日、僕が理由を訊いていたら殴っていた
と懐古していた
僕、またまたラッキーだった

先輩のM氏が彼に先日の
僕がソッチの方に怒鳴られた話をシ始めた
彼は鼻で嗤って
何、お前 あんなのが怖いの?
と訊いてきた
生きてる気がシませんでしたよ~(>_<)
と応えると
あんなのチンピラなんだから
叩き出せばイイんだよと彼
うへぇ、本物だぁと想いながら
そんなのデキないですよ~(+_+)
と答えた
ま、今度来たらオレのナマエ謂ってイイから
ヤツは尻尾まいて帰るぜとの御言葉を頂いた
こうやって後輩を庇護の元に置いて
信頼を集めて来たのかナァと想った
後日、コレを聞いて針小棒大に告げ口し
アチコチで喧嘩を起こそうとした某漫画家は
S氏に
お前は除外だ、今度 話しかけたら殴る
と凄まれていた
機会と看るや使役しようとスる処は
彼のヨクナイところだ

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