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親父の背中をみて受け継いだもの

12年前に私の親父は他界しました。

親父の仕事は、いわゆる「町の電気屋さん」でした。

本当に昔気質の仕事一筋な父親でした。口数も多くなく、毎日黙々と仕事をしていた、というイメージが強く残っています。

私には兄がいて、親父と一緒に仕事をしていました。しかし、親父の他界や集中豪雨の被害でお店が床上浸水、壊滅的な打撃を受けたことを機に家業であるお店を閉めることにしました。

その後、兄は大手家電販売店などのエアコン取り付けや家電品の設置、接続などをやる会社に就職しました。

これまで兄がやってきたキャリアがそのまま活かせるので入社初日から即戦力としてガンガン仕事をこなすことができました。さすが兄です。

その頃兄と電話したときに聞いたのですが、これまで「まちの電気屋さん」のような形態でやってきた仕事のやり方と量販店の仕事のやり方では違う点が結構あるとのことでした。

例えばエアコンをつける作業ひとつとっても電気屋のときにはまず下見に行き、工事に必要な部材を見積もってから後日工事を行うのが普通であるとのこと。

一方量販店の場合はとにかく取り付けの数をこなさないといけないらしく、現場にいくのは取り付けの当日1回のみ。

なので、店頭で販売員がお客さんから聞いていた工事条件とは異なったりすることがままあるらしく、その場で柔軟に対処する能力が必要になるとのことでした。

あとは、工事に求められるきめ細かさがちがうとのことでした。

その会社でも、もちろんきちんと取り付けはするのだが、量販店が販売する数をこなすためには、これまで電気屋でやってきた「丁寧な取り付け方」だと間に合わないとのことでした。

兄は、だからといって手抜きをしていることはなく、スピードは上げつつも今までと変わらぬ気持ちで取り付け対応をしているということでした。

その話を聞いていて私が思ったことは、結局これまで「まちの電気屋」を通じてお客さんに売ってきたものは、商品と同時に「まごころ」だったんじゃないかなあと思いました。

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そういえばお店で使っていた封筒にも「まごころサービスの・・・」とかいうフレーズが書いてあったっけ。

昔、まだ実家に住んでいたころ、よく親父から頼まれ、配達やエアコンの取り付けを手伝ったりしていました。そのときの親父の仕事ぶりを思い出すと、なんかそういうことなんだな、と思えました。

兄が新しい仕事の内容に違和感?齟齬?を感じたのは根底にながれているそういった気持ちが見られない事なのではないかなと感じました。

つまりは、親父が長年かけて培ってきた「親父イズム」(と表現するのが正しいのかどうかわからないが)をきちんと受け継いでいるということなんじゃないかなと思いました。

「まごころを提供する」

という精神は親父が残していったとても大きな財産なんじゃないかと思いました。

あくまで自分目線での考察なので実際に兄が思うところはわからないし、見当外れかも知れませんけどね。

ちなみに私が親父から仕事面の姿勢を見て受け継いでいることがあるとすれば。。

それは

「コツコツと粘り強く愚直に」

物事を進めるということでしょうか。

結局、人生でこれが実践できる人達が、本当に強いのだと私は信じています。

それではまた!

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日々感謝 m(_ _)m

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