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PMBOK®ガイド第7版 詳細解説セミナーに参加してきた

久しぶりの投稿です。

5月20日(土)、21日(日)の2日間、表題のセミナーを受講してきました。

今回は久々の対面形式の講義ということもあって、自分としてはいろんな人に直接会って会話ができることも楽しみでした。

1.関連用語の簡単な説明

話をする前に、この手の話をするときに知らない人は混乱する3つの用語、PMBOK、PMP、PMIの説明をしておきますね。

【PMBOK】プロジェクト管理のノウハウや手法を体系立ててまとめたもの
【PMP】  プロジェクトマネジメントに関する国際資格
【PMI】  PMBOKやPMP資格の認定などを行っている一般社団法人

(自分がPMPを取得するためにどんな勉強をしたか、というnoteもあります。よろしければどうぞ。)

2.セミナーを受講した目的

私がPMPを取得したのは2017年、PMBOKが第5版のときでした。第6版までは更新内容を把握していたのですが、第7版はちょっと放置していたんですよね。

ただ、今回大幅に内容が変わったということだけは漏れ聞いていました。

個人事業主として、PMPのロゴを名刺に使っている限りはPMBOKの最新版がどうなっているのか知らないではその価値がぐっと減ってしまいます。

ということで、何がどう変わったのかということを把握する入口としてこのセミナーを受けようと思いました。

3.会場の様子はどんなだったか

セミナー開催場所はPMP関係のトレーニングを受けられたことのある人ならご存知、水天宮前にあるPMI日本支部で実施されました。

入口にあるこの案内をみたら、あぁ、PMI日本支部のトレーニングが帰ってきた!という実感がわいてきました。

カリキュラムですが、土日の両日10時~18時の間みっちりと組まれていました。

講師はなんと10名!チャプターごとに講師の方が交代されるというものでした。

運営側のいろんなご事情があるんだろうなと思いつつ、いろんあタイプの説明の仕方を見ることができたのは面白かったです。

今回参加された方は19名。思ったより多くの方が受講されるんだなという印象でした。

5つのグループに分かれて、チャプターごとにグループワークを実施するという形式でしたがどのグループも熱心で熱いディスカッションが繰り広げられていたなぁという印象でした。

初対面の方とトレーニングを受けるのは、新しいご縁ができるチャンスでもあります。同じグループの方とはPMBOKのことだけでなく、それぞれの仕事の話などいろいろお話ができてとても楽しかったです。


4.PMBOK第7版では何が変わっていたか

PMBOK第6版から第7版では、「本当に」中身が大幅に更新されています。
セミナーでは8つの変更点があるという説明をされていましたが、特に私が印象に残ったのは3つでしたかね。

・プロセス重視の記載から原理原則の記載へ

PMBOK 6版では、具体的にプロジェクトを管理するためのプロセス、そのプロセスへのインプット/アウトプットなどについての細かい記述がありました。

ところが、7版では、それらの記述はゴソッとなくなってしまいました。

え?まじか?

と最初はちょっと信じられなかったのですが、そうなんです。

今の世の中、プロジェクトはかなり複雑化しています。プロジェクト管理手法も多岐にわたっています。

これまでは一番メジャーだったウォーターフォールについてきっちりやり方の指針を示せばよかったのでしょうが、今ではアジャイルがかなり浸透してきています。

結局、どれかに特化して記述するのは現在のガイドとしては汎用性がなくなってしまいます。なのでPMIの皆さんはそういうことよりもっと根源的なことを規定しようよ、という流れになったのではないかと思います。

では何が書かれているのか。

大きいのは次の2つでした。

「原理・原則」
「プロジェクトパフォーマンス領域」

「原理・原則」は、プロジェクトに関わる人々の振る舞いへの指針です。
厳密にはPMBOKガイドの中に書いてあるわけではなく、「プロジェクトマネジメント標準」という別紙に書かれているものになります。

「プロジェクトパフォーマンス領域」はプロジェクトの成果の効果的な提供に不可欠な行動群で、8つの領域があります。
それぞれに書かれていることは、たしかにプロジェクトには大切な事柄ばかりになります。

8つのパフォーマンス領域の行動指針となるのが原理原則となります。

6版までのプロセス関係の記載についてはPMBOKガイドではなく、別のガイドとして発刊されるのだそうです。

これまで習得したことが無駄にならないで済むということはよかったと思いますあ。

・PMBOKガイドを参照すべき対象が拡張された

これまでPMBOKガイドというのはプロマネが読むべきバイブルというものでしたが、記載内容がより根源的な原理原則や行動指針になったため、プロジェクトに関係するすべての「ステークホルダー」が対象となりました。

先に書いた原理原則といったものはプロマネだけが従えばよいというものではなく、プロジェクト関係者全員が則るべきものものとされています。

とはいっても、このガイドをステークホルダーが読むのか、というとすぐには浸透しないかもなぁ、と思いました。

まずはプロマネが正しく理解し、プロジェクトを進めるにあたってはその原理原則を伝えていく、という図式に変わりはないんだろうなぁと思ったりしました。

・テーラリングの重要性が強調されている

テーラーリングとは、「あつらえる」という意味です。それぞれのプロジェクトには、それぞれの」異なる環境、条件、関係者、文化といったものが関わってきます。

それらを無視して画一的なやり方を押し通すのではなく、それぞれのプロジェクトで適正な方法に「あつらえて」プロジェクトを進めることが大事だということのようです。

今回のPMBOKではこのテーラリングをかなり重要視されていて、このために1つの独立した章が用意されています。

おそらくテーラリングというのは意識せずとも大なり小なりやっていることなんだと思いますが、それを改めて文章化したということなんですかね。

ふう、休憩。

5.まとめ

正直、2日間終日みっちりのトレーニングでしたが中身はかなりの詰め込みでして、すべてを把握するということはできませんでした。

それでも何が変わったかの概要はつかめたと思っています。

プロジェクトの細かい「やり方」を云々ではなく、そのもっと大元にある理念を記載したというのは、なんですかね、ちょっと精神面に突入したといいますか、最終的には「経典」ができるんじゃないか、というイメージでした(笑)

PMBOKは私としても個人事業主をやっていくにあたっての武器にしていますし、PMBOKガイドをさらに読み込んで、内容を腹落ちさせていきたいと思います。

それではまた!

日々感謝 m(_ _)m




















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