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20年。

ここ最近、新規取引先から案件のご依頼を頂戴したり、また、既存取引先から基幹ブランドのデザインに関するご依頼を受けたりと、営業として、忙しくもありがたい毎日が続いている。

その中には、かつて自分が20年前、新卒として入社し、3年ばかり籍を置いていた会社の案件も含まれている。

今日、自分が企画提案をして、商品化が決定した玩具の試作品を開発のご担当者へ返却するため、その会社へ訪問してきた。

ご担当者に会うため、オフィスフロアーへ登る。
待ち合い場所になっている商談フロアーの入口で待っていると、たまたま在籍当時、企画をやっていたときの先輩が通りかかった。

「「あっ!どうも!!」」

先輩後輩の間柄ながら、今の立場はお互い違うので、そんなザックリとした挨拶を交わす。
とはいえ、なんとも変な感じだ。こそばゆい。
先輩はそのまま他の来訪者と一緒に商談エリアへ。

しばらく待っていると、件の企画を開発してくださっているご担当者がやって来たので、ご挨拶と併せて、その場で進捗確認とスケジュール感の摺り合わせ。

発売日は来年になる予定だが、なにしろゼロベースからの玩具企画だ。
そういう観点で考えると、割とスケジュールに猶予がない。
なので、スケジュールの摺り合わせは非常に大事………って、何だ?

誰か肩をポンポン、と叩いてくる。

振り向くと、先程、他の来訪者と商談エリアに行った筈の先輩が。
そして、自分の手に飲み物(タイトルバックの写真がソレ)を持たせ、「んじゃ!」と、ふたたび去っていった。

こんな状況、2年くらい前までは全然考えられなかった。

そもそも円満退社していない立場で、尚且つ一生モノのトラウマを抱えさせられた会社になんて、足を運ぼうなど、まったく考えもしなかった。

むしろ、その会社名が目に見えるだけでも辛かった。
それがこの1年半弱で、ウチの売上を支えるクライアントの一角になろうとは、思いもよらなかった。

………時間が解決してくれる。

そんな都合のいい言葉があるけれど、それはあながち嘘じゃない。
40を過ぎて、ようやくその境地に立てたような気がする。

年を重ねるのも、そんなに悪いことばかりじゃないようだ。

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