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石の選び方(基本編)

国内最大規模の鉱物展示会、東京ミネラルショー。そこには、何万、何十万個もの石が世界中から集まってきているわけですが、縁ある石は一つか二つ。多く見積もっても十あればいい方で、縁とは面白いものだなぁとしみじみ思います。
 
もちろん石だけじゃなく、人もそうですね。人、モノ、物事、情報、あらゆるものは見えない縁で繋がり、発展したり衰退していったり。色々な変化によって自分も変わっていくような気がします。そんなことを思いながら、その日に出会ったアメシスト原石を眺めておりました。
 
さて、今回は、石の選び方について述べていこうと思います。まずは基本編です。
 
いきなり極端な話になりますが、石の世界は哲学に通じます。その中でも分かりやすく気づきを与えてくれるのが、石との出会い、つまり「選択」です。
 
私たちが常に行っていること、それは「選択」です。朝、二度寝しようか起きようか。何を食べようか。スマホでどのアプリを開こうか。何時何分の電車に乗ろうか。仕事をどこまで進めようか。週末は誰と過ごそうか。

どの石を手に入れるか。あるいは手に入れないか。選択する瞬間にフォーカスすると、自分が何に価値を置き、何を望んでいるか、そういったことと向き合わざるを得なくなります。
 
特に石は、そういうことを分かりやすく伝えてくれる気がします。

 

石の選び方にルールがあるとすれば、「気に入るかどうか」だけです。あとは、どのように石と向き合うかにもよりますが、頭で考えないことをおすすめします。
 
特に収集を目的とする場合、希少性、プレミア要素、石の種類といったことに重点を置きがちです。それはそれでいいと思いますが、私の場合は全部とっぱらって、どれだけその石に心が惹かれるかだけで選んでいます。
 
・とにかくきれい!一目惚れ!
・AよりBの方がきれいなんだけど、なぜかAが気になる。
・ローズクォーツはすでに一つ持っているけど、今回出会ったローズも気に入った。
 
そういう理屈じゃない感覚は信じた方がいいと思います。私は、そういう感覚オンリーで選ぶことを超オススメします!!
 
逆に、「今、セールだから」とか、「今買わないと手に入らないから、とりあえず買っておこう」というふうに頭で考えて買ってしまうと、高確率でタンスの肥やしになります。見たり触れなくなりますからね。もちろん、気に入ったものであれば全く問題ありません。
 
タンスの肥やしなんて、お金の無駄です。好きな石をお迎えして、見たり触れたりしてウキウキして、楽しくなってなんぼなのです!!

 

もう一つ大事なのは、価格です。ここは難しい。
 
鉱物業界は流通経路が様々で、規制もされていないので、価格基準がないに等しいのです。ここがほかの商品と全く違うところ。だから、同じ種類・質・大きさの石が複数あったとしても、取り扱う業者によって値段が全然違ったりします。数倍の差があることもザラです。
 
石の形や産地に商標登録をして、付加価値をつけて高値で売るケースもあります。それはそれで購入する方もいらっしゃいますので、ここで是非を問うことはしません。とにかく石は、基本的に売り主の「言い値」だということです。
 
そこで買う側は、「石の価値を見極める力」がとてもとても必要になります。変な業者に引っかからないためにも、ある程度の知識を身につけ、相場を知っておいた方がいいでしょう。ニセモノが売られていることもたくさんありますからね。
 
コツは、とにかく色んな石に触れることです。直接触ること。外観だけじゃなく、質感、重さ、温度を知る。手っ取り早いのは、何も買わなくてもいいからミネラルショーに行って、たくさんの石を見て、触れること。
 
ただ、私は「運勢アップ!」とか「幸運!」とかいうスピリチュアル要素満載のお店は好きではないので、そういうところは人にオススメしないようにしています。純粋にバイヤーさんが鉱物好きで、無理に売りつけるようなところもなく、淡々としているお店がいいですね。その辺は好みです。ただ、エゴの強いお店(人)のエネルギーは、基本的に重く、荒いので、そういうところからお迎えした石は、しばらく休ませてあげたほうがいいかもしれません(水に強い石は、水で流すと少し軽くなります)。
 
 
以上の諸々の条件をクリアし、初めて石の価格と向き合います。価格とは、ある意味「その石をどれだけ欲しているのか」を問う試金石です。予算内であれば即座に購入するでしょうが、多くの場合、予算以上の石が欲しくなりますから、超絶悩むことになります。ここでどこまで許容するか。 
 
知っておいていただきたいのは、買う、買わない、どちらも正解だということです。いくら予算オーバーでも、買ったら買ったで、心から気に入ったものであれば、経済的な帳尻はちゃんと合うようになっています。
 
買わなければ買わないで、今はタイミングではなかったということ。いつかそれ以上の出会いがあるということです。買うことに執着しなくてもいいんです!
 
 本当に好きになったものだけ、自分のそばにいてくれればいいわけですから、焦らずゆっくり素敵な出会いを待っていただければと思います。

 

まとめると、ポイントは以下のようになります。
 
・とにかく心惹かれるもの
・好きなバイヤーさんから買う
・出会いは楽しく、明るいほうがいい
・ある程度の知識と相場を知り、値段を見極める
・買っても買わなくても正解!

 

ただ、だんだん石の世界に深く入り込んでいくと、想像もできないような出会い方をするケース、「気に入る」だけでは括れない感覚が湧いて出会うケースもあります。その点については、また回を改めて書こうかと。

 

2年前に買ったブランドバーグ産アメシストと、今回買ったアメシスト。嬉しそう。

過去のブログで書いた記事も、こちらに少しずつ移していこうかなと思っています。

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