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自分が舞台に立っている以外の時間がある話

さて、昨夜はエンタメ界隈でお仕事されている方々との交流会に行ってきました。いつぶりかわからない、終電まで語り合う会。
西野さん、井實さんをはじめ、イベント運営企画、テレビマン、ダンスコンテスト主催、盆栽職人(!)、振付師、レーベル会社、バンドマン…とにかくいろんな「エンタメ屋」が集った昨日。
そこで繰り広げられたのは、そこにいる人の活動がうまくいくためにどうしたらいいか、お互いに意見を出し合う熱い会話でした。

<主催イベント花びらき 出演者募集中>

詰まるところ、企画をやるにあたってぶち当たるのは「お金」で、やっぱりクリエイターの中にビジネスマンを入れないとダメだよね、なんて話になったのですが…。

実は逆?お客様の拘束時間は短い方がいい?

ダンスコンテストを主催しているという方のお話に、こんな悩みがありました。「保護者の拘束時間をどう解消するか」です。
そのコンテストの客席は全て着席。スタンディングはないとのこと。
理由は「立っているのが大変だし、特に保護者なんかは自分のお目当て以外の時間も立っているとなおさら…」ということだったのですが、ここでメスが入ります。「逆じゃない?」と。

プロのパフォーマンスは、座った状態で2時間でも3時間でも見てられるけど、アマチュアほど2時間も3時間も拘束されるのはしんどい。

これ、意外と見落としがちな気がしていて…
さすがに、2時間も3時間もやっているイベントはあまり見ないのですが、よくあるダンスイベントはたいていオムニバス形式(Mステみたいな感じ)で、お目当てはせいぜい5分〜10分。仮に公演が90分だとしたら、言葉を選ばずにいうと、退屈な時間が80分もあるわけです。

この退屈な時間に私自身もなんとなく気づいたのが、1月にダンスイベントに出演した時でした。
20組+ゲストパフォーマンス2〜3組+DJタイム、頭から最後までいると公演時間はなんと3時間です。
ですが、私の出番はそのうちの1回5分。私を目当てに遊びに来てくれるお客さんは、180分の3%がピークタイムです。

ただ、このイベントを飽きずに楽しめられたのは、
①スタンディングがあったこと
②出入りが自由だったこと

の2点が挙げられると思います。

先ほどのダンスコンテストでは「着席していないといけない状況の方が苦痛だ」というメスが入っていました。理由は、途中で抜けられないからです。
スタンディングがある、つまり、自分の居場所が決まっていないと、途中で出たり入ったりすることができます。小さいお子さんがいる方なんかは、これはとてもありがたいことです。

そして、被りますが、出入りが自由だよというルールがあったので、気兼ねなくふらっと来て、ふらっと帰ることができました。実は着席エリアもあったのですが、出入りしていいというルールだと、自分の前を人が通るのもあまり気にならないのでしょう。そういうもんだから。#そういう「カルチャー」を作るのも大事

運営としては、出演者としては、客席が埋まっている方が嬉しいです。絶対に嬉しい。
ですが、時間的に余裕がない、巡り巡ってもやはりアマチュアの質(上手いんだけど!っていう)という点を考えると、実は「コンパクトさ」「移動のしやすさ」というのは、お客様を呼ぶ上でも意外と大事なのかもしれません。

こまめに休憩を挟んで、入れ替えがしやすい、途中から来るのも問題ない、などできるのもいいのかもしれません。

出演者にもつきまとう「長い空き時間」を設計する

さて、お客様の立場で話をしてきましたが、今度は出演者の立場になってみましょう。

先ほども申し上げたように、私は180分のうちの5分しか出番がありません。
自分の順番がくる3組前にスタンバイすることを踏まえても、せいぜい30分くらいです。
150分は暇なわけです。この時間の過ごし方は自由で、会場の客席で観覧してもいいし(これがさっきの観覧ルールに助けられる)控室にいてもいいし、外に出てカフェで休んでてもいいわけです。

この150分をどう設計するか、が運営の肝だなと思い。1番辛いのは「居場所がない」ということ。流石に出る側であっても自分の役目がない150分はきつすぎます。これで、狭い楽屋に缶詰にでもされたら、ストレスです。

意外と「ステージに立つ時の心地よさ」で止まってしまうことはないでしょうか?
いつぞやも話しましたが、私は初めておどらぼTOKYOのプログラムディレクターを担当した時に、出演者が溢れかえってタイムテーブルを調整して満足したら「楽屋はどうするの?待機時間はどこにいればいいの?出演者のこと考えてる?」と指摘されました。

運営側にいると、最初から最後まで、なんなら仕込みから撤収まで、全ての時間が繋がっています。なので、「息抜きの時間」みたいなのはほとんどなく全てがピークタイムみたいな感覚になるのですが、出演者やお客様からすると、ほんの数十分、数分がピークタイムなんです。

「自分が舞台に立っている以外の時間がある」
人間みんな案外忙しいものです。時間とお金を使って足を運んでいただくイベントは最大級の心地良さを提供すること。
そして、アマチュアの催しであれば、少し逃げ道みたいなものを作ってあげること。
これが意外と大切なのではと、改めて考えさせられました。

私が主催している、6月9日(日)イベント花びらきでは、ステージで新しいことに挑戦したい、というダンサー、シンガーを募集しております。
締切は3月24日(日)です!(4月になるまで待ってほしい方はご相談に乗ります)

<応募はこちら↓>

本当に魅力的なパフォーマーが集まっています。(ジャズダンス、ピアノ、エアリアルetc)

花びらきは、はじめての挑戦に寄り添う場所です。

そんな彼らが、ステージで輝けると同時に、ステージに立つまでの環境もしっかり整えたい。
そして彼らを応援して観に来てくださるお客様が快適に過ごせるように、設計していけたらと思います。

引き続き頑張ります!!!


2024年6月9日(日)
13:00〜/16:00〜
ハーフムーンホール(下北沢駅徒歩10分)





初単独主催イベント「花びらき」のサポートいただけますと幸いです。 いただいた支援金は全て運営資金(会場費, ロケハン費, 備品購入費、スタッフ謝礼)に使わせていただきます。 また支援額によっては出演者へのチケットバック費の引き上げも検討しております。よろしくお願いいたします💐