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Ligabue video e Musica

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大好きなLigabue の歌を好き勝手に語ります。
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記事一覧

Il sale della terra(2013)

タイトルは「地の塩」
新約聖書マタイ伝に登場する言葉である。
われわれを取り巻く現代社会の状況を、比喩とレトリックで怒りと希望を歌う。
例えが観念的すぎて、なんとなくしかわからないのだが、
たぶんイタリア語ネイティブに説明しろと迫っても無理かも。
福音書の言葉同様に、解釈は人に依るかもしれない。
ビデオは、2013年アレーナ・ディ・ヴェローナでこの曲が初披露されたときのライブ映像。
6日間にわたる
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Il muro del suono (2013)

タイトルは「音速の壁」
超音速機は克服しているが、物理的障害の例えである。
現代の社会を取り巻く閉塞感の壁、分断の壁・・・
音速の壁をぶち壊す奴はいるだろうか?と歌う。
近年のLigabueの楽曲のなかでも、ロックテイストが前面に出た、大好きな曲。
イントロも間奏も演奏もカッコいい!
ビデオは、地元レッジョエミリアの工場跡地で収録された。
なにやら芸術的?な落書きも、演出のために描かれたものではな
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Marlon Brando è sempre lui (2010)

タイトルは「マーロン・ブランドはいつだってマーロン・ブランド」
言わずと知れた名優マーロン・ブランドにオマージュした曲。
1990年のデビューアルバム収録の楽曲だが、ライブでは観客のコーラスに歌唱指導したりバンドの見せ場もたっぷり、いちだんと盛り上がる。
このビデオは2010年のサルデーニャ・オリスタノ公演から。
Kavehのベースソロから、客演のCorrado Lusutici、Fede、Nic
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L'odore del sesso (1999)

タイトルは「情事の残り香」
身も心も溶け合うような濃密な情事。いつまでもその残り香が消えない……なんていう、Ligabueにはレアな色っぽいお歌。
Fedeが奏でるアルペジオのリフが美しい。
この頃(2000年前後)のビデオクリップには、当時のバックバンドLa Bandaのメンバーが出演して小芝居をしているのが楽しいのだが、このビデオではバンドメンバーが白タキシードの正装に身を包んでバンドマンに扮
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Dedicato a noi (2023)

今日3月13日はLucianoの64回目のバースデイ。
誕生日に合わせて公開された動画は、2023年発売のアルバム”Dedicato a noi “のタイトル曲。
「我らに捧ぐ」の意。
字幕の歌詞はご本人によるもの。芸術的(?)で1文字も読めない(笑)
Tantissimissimi auguri di buon compleanno, Luciano!

C’è sempre una canzone (2015)

タイトルは「いつも歌がある」
ルカ・カルボーニ Luca Carboni に提供した歌を「リガブエ風に」アレンジしてセルフカヴァー、2015年発売のライブアルバム"Giro del mondo"に収録。
ビデオは2014~2015年のイタリア国内スタジアムツアーおよびワールドツアーの膨大な映像から編集されている。
東京滞在時のようすも収録されているが、その際、Lucianoと初めて間近に接したとき
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A modo tuo (2015)

タイトルは「きみらしく」
当初はエリーザElisaに提供したが、2015年発表のライブアルバム"Giro del Mondo"にセルフカヴァーとして収録した。「Luciano自身の歌で聴きたい!」という、(おもに若い女性ファンの)リクエストにお応えしたらしい。
少しずつ自分の庇護のもとを離れてひとり立ちしてゆく娘への、父親の感傷と願いを歌ったもので、内容的には明らかに母親目線というよりも父親目線的
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Tu sei lei (2013)

タイトルは「あなたがそのひと」
2013年発売のアルバム"Mondovisione"に収録。
50歳を過ぎたLucianoが臆面もなく歌い上げるラブソング。
ここまでストレートなラブソングはLucianoの歌ではめずらしい。
この曲については、本人が「lei(彼女・その人)とは、人生を分かち合うに値する人のこと」で、妻Barbaraを歌う曲だと明言している。
Barbaraは娘をもうけている長年の
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Il Mio Nome è Mai Più (1999)

1999年にアメリカが主導してNATO軍がおこなった旧ユーゴスラビア空爆に抗議して、Ligabue、Lorenzo Jovanotti 、Piero Pelùが LIGAJOVAPELÙ の名義で共作・共演した反戦歌。
「わたしの名前は mai più」
mai piùは英語の "no more"に当たる。
1999年のイタリア国内シングルの最大セールスを記録、同年のアリーナ・ディ・ヴェローナ公演
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È venerdì, non mi rompete i coglioni (2016)

タイトルは「俺の金曜日を台無しにしないでくれ」
2016年発売のアルバム"Mado in Italy"所収。
イタリア語は罵倒ワードが豊富なことで有名であるが、その罵倒表現には圧倒的に下ネタ単語が使われることが多い。
言い換えれば、イタリア語には下ネタ単語が日常的に登場する。
道を歩けば、バールで耳をすませば、日本語では言葉にするのがはばかれるような単語を耳にする。
この歌のタイトルも上記の意味を
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Urlando contro il cielo (2020)

タイトルは「空に向かって吠えながら」
1991年発売の2枚目のアルバム"LAMBRUSCO COLTELLI ROSE & POPCORN"所収。
発表以来、全ライブで歌われている定番中の定番、ライブ鉄板曲。
30年以上ライブで演奏されているので、ピアノだけのイントロ、ツインギターのイントロ、ドラムスが轟くイントロ、間奏もときにピアノ、ときにギターの見せ場となるなど、さまざまなアレンジが存在する。
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La metà della mela (2023)

イタリアのカンツォーネといえば、情熱的でベタなラブソングが思い浮かぶかもしれないが、Ligabueの楽曲には、意外とラブソングは少ない。
つい先日のインタビューでも「ラブソングは苦手。すでに世界中に多くのすばらしいラブソングがあるからね」と言っていた。
この"La metà della mela"(「リンゴの半分」の意)は、2023年9月発売のアルバム"Dedicato a noi"に収録されてい
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Non cambierei questa vita con nessun'altra (2022)

タイトルは「この人生をほかの人生と取り替えるつもりはない」
パンデミックによって記念すべきデビュー30周年コンサートが2度にわたり延期され、ようやく開催の運びとなった2022年、同コンサート開催に合わせてリリースされた。
Abbiamo vinto noi! (われわれは打ち克った!)という叫びが力強い。
肯定と希望にあふれた、Ligabueらしい歌。

Una canzone senza tempo (2023)

タイトルは「時代を超える歌」
時代を超える歌に引っかけて、永遠の都ローマを歌う。
歌詞の冒頭、トッティとASローマのユニフォームを登場させたことで、ラツィアーノからは非難の嵐だったもよう。
不愛想なウエイターや穴ぼこだらけの道もコミでローマという街が大好きなわたしにとっては共感以外のなにもないのだけれど。
最後に先日参戦した2023年7月のオリンピックスタジアムライブの映像を使っていて、ムネアツ。