SNSでバズらせたい友人
「なんか面白い言葉作れねぇかな」
とある学校の休み時間、僕の友人はX(現Twitter)のタイムラインを見ながら、そんなことを呟いた。
「そんなの作ってどうすんだ」
「いや、ツイートがバズったらフォロワー増えるかもと思って」
「世の中そう甘くはないと思うけど」
「お前ジジ臭いこと言うよなぁ。少しぐらい夢見たっていいだろ」
Xでバズらせるのが夢って……。
「あ、そういや、来週ぐらいにうちのクラス担任代わるんだって」
「え、マジで?」
てか、急に話変わったな。
「小マジで」
「こまじ?」
「『多分ホント』って意味。次は中マジで最大が大マジ」
「なんか寿司のネタみたいだな」
小ハダとか中トロとか大トロみたいな。
「寿司? 何の話してんだよ」
「さっきの小マジとか中マジが寿司のネタっぽく聞こえたんだよ」
「あー、言われてみればそうかも……何の話してたっけ」
「担任が代わるって話だったと思う」
「ま、いいや。変わろうがなかろうがアマチュアだし」
「アマチュア?」
「『問題なし』って意味。『問題なし』って英語で『ノープロブレム』だろ? で、略して『ノープロ』。ノープロ、つまりプロじゃない。ってことはアマチュアじゃん」
「誰がわかるか!」
捻りすぎだ。
「いやいや、それならギャル語の方がムズイって。少し調べてみたんだけど『KY』とか『MK5』って聞いて、すぐに『空気読めない』『マジでキレる5秒前』って変換できるか? 無理だろ」
「『小マジ』も『アマチュア』も無理だよ」
わかったらそいつはエスパー。
「『KY』だったら『KILL YOU』かもしれないし、『MK5』だって『M(マジ)K(臭い)5(人組)』みたいになんでもありじゃん」
『KILL YOU』って怖っ……。そして、なぜ5人組なのか。
「あれだな。色々な言葉をぐちゃぐちゃにして組み合わせたら面白い言葉ができるかもしれない」
日本語が壊滅する……。
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