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【華茶だよりvol.28】春の新茶シーズン到来!龍井茶で2つの新たな取り組み

みなさんこんにちは、ゆえじ ちゃんこです。中国茶&台湾茶マガジン【華茶だより】2023年3月27日号をお届けします。

今回は新茶シーズン到来!龍井茶で2つの新たな取り組みについてご紹介します。

春が来た!中国各地で緑茶の収穫スタート

3月に入り中国各地で緑茶の新茶収穫が本格化しています。

代表的な銘茶・杭州の龍井茶の主力品種・龍井43号は3月13日に春茶の収穫がはじまりました。群体種(=在来種)も3月下旬に始まっています。

天候条件もよく生産量は例年並みの見込みです。

かわいい新芽たち

先日、杭州へ出張に行った夫が茶畑の写真を送ってくれました。

龍井43号は灌木なので日本の茶畑と似た風景ですね。

西湖龍井のトレーサビリティシステム導入

龍井茶は中国を代表する銘茶、特に西湖地区の「西湖龍井」は需要が高くブランド的な価値も加わり、他の緑茶と比べても全体的に高値で取引されています。

龍井茶に定義される産地の中でも西湖はほんの一部

そうすると出てくるのがニセモノ問題。

本当は西湖龍井の条件を満たさない茶葉なのに「西湖龍井」と言って販売するケースが続出します。

生産量が限られたブランド茶であるはずの西湖龍井がどこでも安価で売られるようになってしまう・・・そうすると消費者は本物の西湖龍井を見抜くのが難しくなるし、生産者にとっても評判やブランド価値が下がることになるため、深刻な問題です。

今年2月15日、杭州市は西湖龍井茶のニセモノ防止を目的としたトレーサビリティシステムの法案を公布。

認証マークの見本

消費者は西湖龍井茶を買うときにまず表示を見ることで安心して本物を購入することができるようになりました。

茶業は地元の経済を支える主要産業。政府や自治体が主導となってブランドを守る動きは各地に広がりを見せています。

高級茶用の茶摘みロボット試運転

浙江理工大学機械工程学院が開発している銘茶用のAI茶摘み機が西湖龍井の茶畑でテスト運用されました。

特殊な3Dカメラを搭載し、茶葉を立体的に観測、人工知能が自動で銘茶にふさわしい茶葉を選んで摘み取るのだとか。

AI茶摘み機は3年の研究を経て、現在のモデルは約1.5秒で新芽を摘み取ることができ、その精度も86%に達しています。(1.5秒はプロの手摘みと同程度の速さ)

最高級の龍井茶を作るにはまだ及ばないが、中〜高レベルの高級茶を作るには十分だ」とのこと。

とはいえ実用まではまだ課題も多いです。茶摘みの効率や質も高めていくのはもちろん、同時にAI茶摘み機そのものの価格や運用コストも下げていく必要があります。

製茶や茶園管理の機械化は進んでいますが、高級茶の茶摘みはいまだに手摘み頼みになっています。

担い手減少による人件費の高騰は年々茶葉の生産コストを押し上げている状況。中国の茶産業界でも生産の機械化は重要な課題です。

近い将来、手摘みと変わらないクオリティの高級茶をより合理的な価格で買えるようになるといいですね。

次回は4月10日の配信を予定しています。
よろしくお願いいたします。

ゆえじ ちゃんこ


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発信者プロフィール

ゆえじ ちゃんこ | 中国茶ナビゲーター

中国茶の淹れ手として地球にやさしい中国茶交流会(通称エコ茶会)など各種イベントで中国茶の魅力を伝える活動を10年以上継続、のべ500名以上の方にお茶を淹れてきました。

オンラインではSNS総フォロワー7000名以上の方に向けて中国茶の魅力を伝える情報発信を行っています。

Amazonで販売中の電子書籍『世界一わかりやすい中国茶のはじめかた』はKindle新着売れ筋ランキング1位獲得!!

現在は福建、香港、東京の3都市を拠点に活動中です。

また、ライブドア公式ブロガーとして絵日記ブログ『中国でブルジョワ華人の妻してます』では国際結婚や海外生活についても発信しています。

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