ゆえのよもやま

たぶんHSS型HSP/INTP/山羊座/日々のよもやま話を書いています

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最近の記事

現実を拡張して生きる

平日の休みの朝はいつも、息子を送り出してからもう一度寝たい。 けれども息子はまだ小学生なもので、うっかりしているとあっという間に「ただいまー」と帰ってくる。月間の予定表に時折散りばめられている「短縮⚪︎時間授業」なるものが訪れる場合はなおさらだ。だからこそ、自宅で1人過ごす時間はまだまだ大変貴重である。 そういう時に私は、「現実を拡張する」と決めている。そう、自分がもう一度眠るその間に有能なハウスキーパーが働いてくれるかのごとく、自動化でき得るあらゆる家事を自動化し、目を

    • 6月/紫陽花の季節になると思い出すこと

      ふと気づけばまた1つ季節が進み、紫陽花の季節になっていたので、6月に生まれ、そして6月に旅立っていった彼の話でもしてみようか。 私と彼は、幼稚園からの幼馴染みだった。幼い頃から10年ほど、私はずっと彼に恋をしていた。あいにく終始片思いだったけれど、あまりに彼が素敵だったのでなにもつらくはなかった。今も昔も変わらず内向的だった私は、颯爽と吹き抜ける陽気な風のような彼を通して、世界の広さと人間の誠実さを1つずつ知っていった。 彼は少し小柄で、特徴のある少しかすれた声を持つ、い

      • 子どもの夜驚症と親側のメンタルケアについて

        我が家の息子は、おそらく夜驚症。発熱のときはもちろん、就寝中の暑さや寒さといった体感温度によるストレスがきっかけで発症する。 息子の他に育児経験がないため、なるほどこどもはこんなものかなのかと思っていたこともあり、これまでとくになんとも思ってこなかったが、最近はどうやらこれが夜驚症というものらしいということが分かってきたため、そしてそれは成長するにしたがって次第に影を潜める類のものであるらしいことが分かってきたため、備忘のために記録する。 はじめに、夜驚症とは何かというと

        • 時間はなぜ戻らないのか、という問いについての根拠のない仮説

          「時間はどうして巻き戻せないのか?」と子どもに聞かれたことがある。考えてみれば確かに不思議な話で、どうせなら可逆的であっても良さそうな気もする。 こういうとき、わりとすぐに調べてしまうのだけど、この時はふと調べる前に少し自分でも考えてみようと思った。なぜかは分からない。5月だからかな。 さて、何かが一方向に進む時、それはその物体に対して「なんらかの力」が働いている。例えばボールが地面に向かって落ちるとき、地球の重力によって地面に引っ張られる力が働くことでボールは落ちる。

        現実を拡張して生きる

          今なら戻れる、気がするお肉の話

          30を過ぎて数年が経ち、ここ最近明らかに体質が変わってきたのを感じている。体質というより、体のフォルムと言った方が正しいだろうか。 それまでとの生活スタイルにさほど変化はないものの、何と言っても腰回りと下腹の肉付きが明らかに増えた。これはおかしい。体重の変化もさほどないにも関わらず、見た目の体のフォルムが変わってきている。肉づきが、より下へ、下へと。

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          今なら戻れる、気がするお肉の話

          子どもと旅するときに大切にしていること

          これまで息子と一緒に旅した場所を数えてみる。 北から順に、北海道、青森、秋田、山形、新潟、熱海、奈良、出雲、山口、種子島、石垣島。こんな感じかな? とにかく私が旅が好き。飛行機に乗るのも好き。というか空港が好き。陸路ももちろん素敵だけど、空港のあの希望と自由が入り混じったような雰囲気がすごく好き。空港に行くと、なぜか身体中の細胞が息を吹き返したような気持ちになる。 旅先ではもちろん、観光がメインではあるけど、私は地味にその土地ならではの植生が好き。緯度の違いによって、植生

          子どもと旅するときに大切にしていること

          草間彌生と甲本ヒロトに生きる力をもらった話

          あれはどっちが先だったんだろう。あんまりよく覚えていないんだけど、これまで私が「芸術」を前にして泣いたのは、草間彌生の作品を前にした時と、ふとつけたテレビで甲本ヒロトが歌う姿を目にした時だった。 芸術作品を前にして泣いた、なんていうと、なんだか「純真な心を持った感動屋さんなんです、私」とアピールしているようにも聞こえるかもしれないが、おそらくそういう話ではなくて、どちらかというと「"普通"に振る舞うことに疲れた人間」の心の底にかろうじて残っていた「生きる力」みたいなものに、

          草間彌生と甲本ヒロトに生きる力をもらった話

          孤独を飼いならした先に

          「万有引力とは 引き合う 孤独の力である」 谷川さんの、私がとても好きなフレーズ。 「宇宙はひずんでいる それゆえみんなは 求めあう」 本当に、きっと、その通りなんだろう。心の奥底でそう響く。 私たちには「心」という質量があるから、何がどうしても重力が発生するんだ。 まっすぐ進んでいるつもりでも、時空自体が曲がっているから仕方ない。 そのカーブに沿って、一番安定する軌道に落ち着いて進むだけなんだ。 自然にしたがって、まっすぐ在るだけで、いいんだ。 変に力まなくても

          孤独を飼いならした先に

          青天井のクラウンー豊かな哀しみと、哀しみのなかにある光

          子どもの頃に聴いて、今も鮮やかに記憶に残っている歌がある。NHK「みんなのうた」で流れていた、「青天井のクラウン」という歌。ご存知の方もいるだろうか。 出だしが「道化師は踊る」という歌詞になっているので、いつも「道化師のソネット」と混同してしまうんだけど、楽曲名は「青天井のクラウン」なんですよね。 明らかにただ者ではないような、この世界の酸いも甘いも幼い頃から見つめてきたような特徴的な男性の声と歌い方で、明るさと哀しみが混在する、骨のある、それでいて琴線に触れるようなメロ

          青天井のクラウンー豊かな哀しみと、哀しみのなかにある光

          2022年に買って良かったもの・3つ

          もうすぐ2022年が終わるなあと思い、今年はどんな1年だったかを振り返るにあたって我が家の生活に導入して良かったものを思い出してみることにした。とりあえず3つくらい。 1つ目は、食洗機。我が家は賃貸なのでタンク式のものを導入したのですが、これはもう言わずもがな、とても素晴らしい仕事をしてくれています。 家事全般、別に嫌いというわけではないんだけど、朝起きて、日々フルタイムで仕事をして、帰宅後に息子のお風呂、夕飯を作り、済ませてから宿題の面倒をみて、明日までに持っていくもの

          2022年に買って良かったもの・3つ

          旅をするように暮らして、暮らすように旅をする

          どこかで聞いたこのフレーズ。私が大事に持っている感覚の1つです。 旅をするように暮らす。 それだけで、次々に押し寄せる「日常」に追われるような今この日々も、実は人生の旅の一部なんだとそっと気づかせてくれる。 ずっと続くように思えることでも、状況は絶えず変わっていく。車窓に映る旅の景色が移り変わっていくように。そしてもう二度と同じ景色には戻れないように。 今持っているモノに執着しなくてもいい。いつでも手放してもいいし、手放したところで自分の中に刻まれた経験は消えない。も

          旅をするように暮らして、暮らすように旅をする

          離婚なんて爆笑問題だと思った話

          そういえば秋だったんだよなあ、と思う。あの日、私が離婚届を出したのは。 当時私は渋谷区に住民票があったので、渋谷区役所にいた。離婚届を提出するために。 その年の冬の終わりに不穏な出来事があってから半年後、法律の力と何人かの具体的な手助けを経て、あの短かった夫婦生活が終わり、今、私の手によって離婚が成立しようとしていた。 「やっと終わるんだ」という安堵感と、「これで本当に終わるんだなあ」という感慨深さ、寂寥感が入り混じった複雑でナーバスな心境で、私は1人渋谷区役所にいた。

          離婚なんて爆笑問題だと思った話

          猫背の君に伝えたい

          姿勢は、その人となりを表すのだろう。 姿勢が良いだけで、「あら素敵な人ね」とか、「なんだか誠実そうだわ」とか、「きっとなんらかの実績に裏打ちされた揺るぎようのない自信があるのね」とか、とりあえずは人に良い印象を与えるし、姿勢が良くて損になることはないんだろう。 かといって、じゃあ猫背の人はいわゆる「悪」なんだろうか。否、私は猫背の人それぞれの「なぜそうなったのか」を想像してみたいと思う。 もしかしたら、生まれつきすば抜けた集中力と知性を併せ持ち、人よりも何かに没頭する時

          猫背の君に伝えたい

          「良い天気」が晴天とは限らない

          俺もまたここで続けられそうさ そんな気がした曇りの日/スピッツ「バニーガール」 一般的に「あー今日は良い天気だなあ」という時の空模様って、たいていの人は晴れ渡った青空を思い浮かべると思うのだけど、「良い天気」の状態って人によって実はそれぞれだよね、と思う。 私の場合、晴れた空を見るのはとても好きなんだけれど、実際に自分が晴れた空の下にいるのは好きじゃない。というか意識的に避けるようにしている。 というのも、晴天のもとに5分もいれば、紫外線が体に与える諸々の影響をダイレクト

          「良い天気」が晴天とは限らない

          ウイスキーと林檎

          この冬、ウイスキーを林檎ジュースで割って、ホットで飲むことにハマっています。 こうして夜にジャズピアノなんて流せば、もうほら悲しいこととかやらなきゃいけないことがふわあっと空間に溶けてく。 今なら、静かに目を閉じても大丈夫だ。私という存在の輪郭をもう一度辿るんだ。 そうやって生きることを少しずつ先のばしにしながら、ここまで来たんだよなあ。 指先に美と魔力を灯すネイルもそうだし、お化粧品も、万年筆も、華やかなノートもそうです。 消費して、消費されて、身にして、粉になっ

          ウイスキーと林檎

          「だって、大人でしょ?」

          最近、心の中でとなえる度に すとんと胸に落ちるフレーズ。 ああ、私は大人だったんだった。 あの人も大人だったんだった。 自分で考えて決めていいんだ。 そうしたいと思ったんだもの。 その言動の責任は持つんだもの。 それでいいじゃない。 というか、それしかないじゃない。 誰かや何かが気になって身動きが取れないとき、 怖くて、哀しくて途方に暮れるとき、 思い出すだけで物事の境界線がくっきりと浮かび上がるような、 物事の行く末が澄んで見えるような、 おまじない

          「だって、大人でしょ?」