見出し画像

服薬と自然の間で変化する、自閉スペクトラム症のホームエデュケーション

息子が「火起こしをしたい」と言い始めたのは、2年ほど前だったようです。

2021年9月〜10月は、朝起きた息子が「膝をイスにぶつけた!」「目の中にまつげが入った!」などのパニックを頻発していました。
1年前からエビリファイを1mg/日飲み始め、本人も以前よりはゆったりと過ごせるようになり、行動や言動が落ち着いたなぁと感じていたのもつかの間。
毎日の小さなパニックに、私も少し疲れてきていました。

今年8月、医師から追加でリスペリドン(※)1mg/日を処方されていたので、「気持ちを落ち着かせて不安を和らげる薬だよ。飲んでみる?」と服薬を勧め、2,3日飲んでみたのですが、「朝起きると身体に力が入らない。筋トレができない!!」と逆に不安要素が増えてしまい、服薬を中止している時期でもありました。

(※)中枢神経系に作用するドパミンやセロトニンの機能を調節することで、不安感や緊張感、意欲の低下などの症状を改善します。
通常、統合失調症、小児期(原則として5歳以上18歳未満)の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の治療に用いられます。ー「くすりのしおり」よりー

息子には、家の中が狭すぎる。少し走ったり手足を広げたくらいでモノにぶつからない場が必要!と強く強く思い、満を持して参加したのが「いもいも 森の教室」でした。

いもいも森の教室

会場は東京都郊外。着くなり目に入るのは、透明度の高い美しい川。

画像5

気温19度、水温一桁でも、水を見たら入らずにはいられない子どもたち。
親なんてそっちのけで、スタッフさんや参加者のお友達とめいっぱい楽しんでいました。

画像3


画像2


息子が「火起こししたい。かまどを作りたい。お湯を沸かしたい」とお友達とかまどを作り、ベテラン参加者のお姉さんに火起こしを手伝ってもらうことに。

画像3

画像4

キャラメルポップコーンを作ったり、川の水を沸かしてみたり。

画像6

画像7

息子は、やりたいことが全部やれて大満足だった様子。「もうここでやることはない」と言い切って帰宅したのでした。
自然の中ではぶつかった、ころんだ、水が冷たいなど、家にいるより刺激は多いはずですが、パニックは起こしませんでした。
小さい頃「この子は動物なのかな?」と思うほど、「みんな」とは違う感性で生きていた息子。やっと人間に近づいてきたけど、時々、こうやって自然に還る時間が必要そうです。息子だけではなく、家族みんなね。

薬どうなった?

服薬を中止していたリスペリドン。結局、飲みはじめました。
1mgで副作用が出ても、すぐに服用を中止するのではなく、0.5mgに減らして耐性をつけていくやり方もあると教えていただいたのです(いつもお世話になっているBranchのオンラインコミュニティで。ありがたいです)。

喘息予防に飲んでいる常用薬と一緒に、半分に割ったリスペリドンを用意したら何の疑いもなく飲んでくれたので、数日後には1mg服用開始。
今は、身体に力が入らないなどの訴えはなく、身体を家具にぶつけても目にまつげが入っても、落ち着いて対処しています。

森の教室に参加してから、息子の焚き火熱がボーボー燃えています笑。ファイヤースターターで火をつける練習、薪づくり、枝や松ぼっくり拾いに余念がありません。ご飯を炊いてみたい、ラーメンを作りたい、ピザを焼きたいetc...やりたいことはたくさんある様子。
我が家のホームエデュケーションは、少しだけアウトドアになりつつあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?