_直感_文学ヘッダー

「直感」文学 *欲求と、空白。*

 そういえば昔。

 僕はずっと、僕であることを分かった瞬間があった。

 それがあんなにも羞恥な場面でなければ、もっとこの気持ちを人に明かしていたのかもしれないけれど、あいにくそれは僕にとって、あんまりにも表立って言うことではないと思えた。

 *

 強いオーガズムを感じた時、それまで、僕だった僕が、僕であることを感じた。

 射精、とは、こんなにも僕に”僕自身”を感じさせるのだった。

 どうしてだろう。

 いや、こんなにも感じていたことではなく、僕が今まで”僕自身であると気付いていなかった”ことについて。

 *

 僕は、常に僕を感じていたいと思った。

 そうしなければ、僕は僕でいられなくなるように思えたから。

 だから僕は、女性を求めてしまうのだろう。

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