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「上げて落とす」スタイル 〜上げ2〜 テレビに出る

WBSで特集された、
そのインパクトは甚大だった。

翌朝から、縫製工場をはじめ、
アパレルや百貨店、生地商社など
業界関係から問い合わせの電話やメールが
怒涛のごとく押し寄せた。

放送に合わせて募集を開始した
職人登録説明会には、
東京と大阪の会期を合わせて
数百名から応募をいただいた。

テレビの力を思い知らされた。


そして、
どういう理屈でそうなったのか分からないが、
ありがたいことに ここから当社は、
メディア露出ラッシュに見舞われる。

関西のニュース番組に始まり、
ラジオ、新聞、雑誌、Webメディアと、
毎週のように立て続けに取材していただいた。

大きな露出はさらに続く。
「スッキリ!」「news every」で特集され、
とにかく2016年上半期は
メディアに露出し続けた半年となった。


nutteを立ち上げる前は、
メディアから取材されたことなど
もちろんない。

サービス立ち上げ直後、
初めて新聞にnutteを取材してもらったときには、
記者に「これじゃあ記事にできないですね」
と言われてしまった。

記事として読者に刺さるように、
記者がつくりたい文脈に沿ったコメントを
わたしが提供できなかったのだろう。

その時は記事にならなかった。

それから、
これだけ立て続けに取材をこなしてきた。

きっとわたしも さすがに慣れて、
カメラの前で 事業の展望やらミッションやらを、
さぞかし ビジョナリーかつ雄弁な感じで
語れるようになったことだろう。

しかし残念ながら、
わたしはそうならなかった。

どういうわけか、カメラを向けられると、
頭が真っしろになるのである。


人前で話すことが苦手なわけでは、
それほどない。

プレゼンなら、数百人の前でも
まるで怯むことなく 堂々と語れる。
わりと自信がある。

ところが、テレビでも新聞でも、
取材でカメラを向けられると、
途端にわたしの話は
的を得ないものになってしまうのだ。

(記者)質問する
(伊藤)答える
(双方)的を得なかったっぽい雰囲気になる
(記者)別の話をする
(記者)しばらくして、
    違う言いまわしで同じ質問をする
(伊藤)さっき答えたな同じこと言うのやだなと思う
(伊藤)同じことをコンパクトに答える
(双方)的を得なかったっぽい雰囲気になる

伊藤がひとりで取材を受けると、
だいたいこういう塩梅だ。

基本的には事故った空気になる。

「これじゃあ記事にできないですね」
と言われるのも、
さもありなん といったところである。

なんというか、
相手がつくりたい文脈に沿わせた会話をするのが
苦手なのだろう。

空気を読まずに、
こちらが言いたいことを言う とか、
要はコミュ力の問題なのだと思う。

プレゼンができるのは、会話ではなくて
一方向のコミュニケーションだからだろうか。


いずれにせよ、いくらやっても
あまりにもうまくできないので、
自力での解決をあきらめることにした。

ずいぶんいくつも
テレビに出させていただいたのだが、
わたしのコメントは実はすべて、
弊社役員さとうあんり(@anri811)が書いてくれる
素敵カンペを読んでいるだけなのであった。


そして下半期。
勢いは止まるところを知らず、
怒涛のメディアラッシュは止まらない。

こんなにコミュ障 剥き出しの有り様で
なんとあの「ガイアの夜明け」で20分以上に渡る
特集していただくことになる。


(つづく)

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