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できませんと言うと、本当に何もできなくなる。 #坂の上の雲

坂の上の雲が本当に面白い。

生き方の勉強になるし、登場人物が本当にカッコ良いし、物語として面白いし。

学生時代に一度挫折した小説だけど、今ならじっくりと読めるのも嬉しい。

今回は第5巻で面白かったことを書きたい。

旅順攻防戦、児玉源太郎の一念

5巻は日露戦争の要とされた、203高地の攻防について書かれている。

203高地の攻略は日本にとって、戦いに勝利するための必要な条件だった。

しかし乃木希典率いる陸軍第3支部は、攻めあぐねていた。

数万人という規模で兵士が死傷していく。

その状態を見かねて、助けに行ったのが、陸軍参謀長官の児玉源太郎だった。

児玉が指揮を始めた途端に、数万人が死傷していた難攻不落だった203高地をあっという間に陥落させることができたのだ。

難攻不落の203高地が数日で陥落した


203高地 wikiより。

児玉が指揮を取り始めたことで、なぜ戦況が大きく変わったのか。

それは児玉が絶対に勝利させる決意していたからだ。

児玉が203高地の現状をみてまず思ったことは、砲台の配置がわるいということだった。

ターゲットから遠く離れすぎているため、砲台の意味をなしていない。
それが日本の戦況が思わしくないと喝破したのだ。

児玉はすぐに指令を出した。

「1日で砲台を移動させよ」

その指令に対して、砲台の専門家はこう切り返す。
「それは不可能です。砲台を移動させようとすると、設置の準備なども含めて数日はかかります。」

しかし児玉は、納得しない。
そのように砲兵から反対されるとわかった上で、このように言った。
「これは命令である。明日中に砲台を移動させよ」

児玉はそれが難しいことであり、多大な労力が必要ということはわかっていた。
しかしそれ以上に、1日で実行させることが作戦上必須だと思っていた。

実際に実行してみた結果は、児玉の宣言通り、1日で移動させることができた。

移動させるのに数日はかかります。という反対は一体なんだったのだろうか。

できません、と思考停止で言わないこと

その分野についての知識があればあるほど、難しい作戦や自分がやったことのないことについては難しいと言ってしまう。

それはやはり、常識から考えてしまうからだ。

けど「できません」と結論づけてしまっては、何も進歩は生まれない。

できない理由なんていくらでも見つかってしまう。

これが当時の203高地で起こったことなのだろう。

それはできません。そう言い続けたからこそ、うまくいっていないのに同じ作戦を続けてしまった。

その結果として、何万人もの命が無駄に奪われてしまった。

できる理由を探す

本当はこうしたいけど、失敗したくないからできませんと言ってしまうことはある。

時間がないからできないです。
やったことないからできないです。
成功しないと思います。

できないと決めた瞬間に、できない理由はいくらでも湧いてくる。

自分がやりたくないことであれば、それでも良いと思う。

けど自分が本当はやってみたいこと。
今のやり方でうまくいっていない時。

そんな時はえいや、とやってみる。

そうすると、反対にできる理由も湧いてくる。

無意識で、できないと決めつけていることはないだろうか。

まずはできると決めることが大事。

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