3月の全短歌⑧《終》これから君は
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失恋をした直後とかだったはず忘れな草と名づけた人は
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4番手あたりの惜しいわたしにも表彰台は用意されてる
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たぶんもう会わないけれどすれ違うことはあるかもあったのかも
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新米がお釜の中で立っていてよそう茶碗でお辞儀をしている
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性別はわからないけどあの二匹たぶんつがいで旅をしている
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そよ風が生まれた日に立ち会ったつくしが春の足るを知る
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笹舟に散った花びら着地してこれから君は大海へ行く
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ポジティブが私を殺しにくる夜に照れた顔する湯舟のアヒル
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すぐムキになって命を賭けていた男子ら死なず揃って老いて
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猫語話す彼らに紛れ笑うけど犬派の尻尾はゆっくり下がる
81
やさしさを少々くれる小悪魔の手のひらの上BOY MEETS GIRL
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白線の内側で待つのんびりとあなたが今日を好きになるまで
83
三度目の告白だから結果などもう気にしないただ好きなだけ
84
三歳にとって世界は光であるだからわたしは闇でも光る
3月は全84首でした。ややスランプ気味ですが、来月も地道に続けていきます。
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