3月の全短歌⑤泣き方の自由+
41
ため息がひとつだけある教室でそれを拾える君の尊さ
42
あの日に根うまれてきた根やさしい根とおい空の根ゆめを見てる根
43
星のない夜空で月が見てるのは路地裏に散る流れ星の死
44
雨の日にうつむいて会うその花はわたしにとって晴れだと笑う
45
花びらが落ちる刹那にこの恋の行方を賭けて君に触れた手
46
弱音吐く相手がいると思い出し泣いてる夜が心強くて
47
そういえば泣くの忘れていましたとハニカミながら降る天気雨
48
俺なんていなくてもいい春の日にあなたはいてくれと願っている
49
いつかまた会える感じはないけれどとりあえずまだ地球にいます
50
ランプから精霊みたいの出ないけど君を想うと明かりが灯る
番外
夕焼けの気配を感じた黒猫がひとりで泣けとここを立ち去る
ぴより子さんにイラストを描いて頂きました、ありがとうございました!
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