見出し画像

「子どもたちに民主主義を教えよう」理論と実践から教育の本質を解き明かす②~不登校・ホームスクールでもできるのか~

前回に引き続き、「子どもたちに民主主義を教えよう」という書籍の紹介です。
↓前回↓

1万年にわたる奪い合いの人類史

哲学者である苫野一徳さんは、人類の歴史を語ってくださいます。

人類は「生きたいように生きたい」という自由への欲望を持っており、自由であるためには、安全を保障された土地、つまり領土が必要でした。
しかし、広い領土が欲しいのは他の人も同じなので、自分の領土を守るため、戦うことを余儀なくされます。

また、領土内でも王や貴族だけが特別な立場にあり、その他大勢の人たちの自由を制限するというピラミッド構造がありました。
それに対する不満が高まると内乱が起きますが、新しい王侯貴族も同じように領民の自由を奪います。

領土を奪いに来る敵との戦い、自分の自由を守るために行う内乱。
人類は1万年もの間、命の奪い合いを繰り返してきました。

自由の相互承認という発明

それを終わらせるため、200年~300年前に生み出されたの考え方が、
・あなたが私に危害を加えない限り、私はあなたを攻撃しない
・このルールをみんなで守れば、全員が自由を得られるよね

というものでした。

これが自由の相互承認であり、民主主義の根幹です。
つまり、民主主義とは血で血を洗う奪い合いの歴史を終わらせるために生み出されたものだったのです。

苫野一徳さんは、「自由の相互承認」と前回ご紹介した「対話を通じた解決」を伝えることが教育の本質だとおっしゃいます。

言われてみればその通り。
相手の自由(考え方)を尊重しつつ、対立が起きたときは対話を通じて解決を目指す。
国民がこの力をもっていなければ、民主主義は正常に機能しません。

教育は何のためにするのか、いままでは「納税できる大人を作るためかしら?」と思っていましたが、全然違いました 笑

ホームスクーリング家庭で出来ること

この本では、一貫して学校教育について語られています。
子どもたちがホームスクーリング(家庭を中心とした学び)を選択している私としては、家庭という小さい単位で民主主義を身に着けられるのかが気になるところ。

先日、この本の刊行記念オンラインセミナーがあったので、お2人にチャットで質問をしてみたところ、次のとおり答えてくださいました。

家庭というのは自由の相互承認を学ぶ大切な土台。
「私の存在がちゃんと認められれている」と感じる最初の場所であり根幹。
その次に、市民社会があり国家がある。
だから、「あなたはあなたでOKだよ」と家庭で伝えていくことが大切。

家庭か学校かということよりも、民主主義を教えていられるが大切なんですね。

さらに、「子どもたちに民主主義を教えよう」というタイトルについても触れられていました。
「教えよう」という言葉を選んだのは、「大人は子どもに教えられるだけ民主主義を理解していますか?」という裏メッセージが込められているのだそうです。

この本を通じて、自分がいかに民主主義を理解してなかったかを痛感した私には耳が痛い言葉でしたが、だからこそ、しっかり学び実践していくことの大切さを感じました。

本当におすすめの1冊です

関連記事

今回、学びについて色々考えたので、次は「勉強」についてまとめてみした。
↓次回↓


「あなたはあなたでOK」だよを伝えるために日々やっていることの一つが、寝る前だっこ屋さんです。
↓こちら↓


「不登校」や「ホームスクーリング」など様々なテーマで連載をしているため、全体をまとめたページを作っています。
↓こちら↓


この記事が「いいな」と感じたら下の♡を押していただけると励みになりますし、他の方に届きやすくなるのでとても嬉しいです。
さらにフォローボタンも押していただければ、新しい記事が更新されるたびにお知らせが届きます。