見出し画像

ディレクターというお仕事

私がアトリエを構えるKAMINARIビル。元は仲間たちとの工房という目的で借りていたけれど、立地や、カフェ、入居者用共有スペース、屋上があるという建物の特性から、これまでいくつかのイベントを開催してきました。

クラウドファンディングを実施し、2階の共有部をイベントスペースに改装するプロジェクトを実施したのが去年の春頃。

そこから、入居者以外の方にも展示会やDJイベント、ミニライブ、ワークショップで使っていただくべく、HPやマニュアルの制作を進めていた。

そして先月、建物の管理をされているomusubi不動産さんから、「オドリバディレクター」、「KAMINARIコミュニティマネージャー」という形で、これまで行っていたことを正式にお仕事として頂くことに。
とっても嬉しかったし、今後について色々と考えるタイミングでもあった。
今のままの思うことを、今のうちに書いておこうと、noteを開いています。

「ファッションデザイナー」、「フォトグラファー」、「イラストレーター」…、クリエイターには様々な職能があるけれど、私には強く当てはまるものが無いと思っていた。

キャリアでは「インテリアデザイナー」に当てはまるのだけど、私が考えたいのは「その店舗の雰囲気になんとなくあったなんとなくオシャレな什器の配置と壁の色」ではない。そこでどんな人が集まって、何をするのか、その為にはどんなコンテンツが必要なのか。単なる「場所」ではなく、人が活動することで生まれる、独自性を持った「場」のデザインだった。

必要ならばグラフィックもやるし、インテリアもやる。制服が必要なら、ファッションデザイナーをアサインして、イベントを開いた方がいいのならイベントを企画する。ディレクションに近いもの。

でも、「なにができるの?」って聞かれた時に、これがややこしい。ディレクター……?何の?となる。例が無かったのもそうだし、なによりお金を貰って仕事をしているというより、完全に「KAMINARIビルで勝手に色々やっている人」だという感覚だったので、ディレクターをやっていると言っていい自信が無かった。

そんな理由から、omusubi不動産さんから正式にKAMINARIオドリバのディレクターとしてお仕事を頂けたのは嬉しかった。

もう1つは「KAMINARIコミュニティマネージャー」というもの。

ここ最近は、ずっとコミュニティとアソシエイションのあり方について考えていたので、これについても嬉しかった。

・コミュニティとは、土地やカルチャー、年齢など、何かしらの共通項目で形成される共同体。「浅草」、「20代」、「クリエイター」…
意見は主観的なもの。

・一方、アソシエイションとは、共通の目的を持った人々が、自発的に作る組織。明確な目的達成のために結成されるため、意思決定の指標が明確にある。

コミュニティーマネージャーではオドリバの予約管理だったり広報だったりも含まれているけれど、アソシエイションとの区別を考えると、まずはKAMINARIとオドリバにさまざまな共同体という括りでの来場者を増やし、今後MA+OIとして始動していくクリエイターズアソシエーションに紐付けていくということが可能になる。

「オドリバディレクター」、「KAMINARIコミュニティーマネージャー」という肩書きを頂けたことによって見えてきた色々。「時間と空間のデザイナー」とは言ってきたものの、もう少し明確化しないと伝わらないと思ってる。

KAMINARIを開いたシェアアトリエのモデルケースとして完成させて、最終的には日本中の、KAMINARIと同じような規模のシェアアトリエが活発化していって、日本各地の使われていない場所がアートやデザインの拠点にしていきたいと思っている。そのためには一「場の運営者」から、「場の運営者」が発生する環境づくりを担う役割になっていくことを見据えて活動をしていかなきゃいけない。

今現在はomusubi不動産さんが「場の運営者」が発生しやすい環境を作ってくれているけれど、不動産屋さんとはまた違った観点から、共に創り上げていく形でその活動をできないだろうか。
インテリアデザイナーとして、まだ手が加えられる最低限の動線を整える役割なのか、はたまた若手の悩めるクリエイターと対話できる機会を企画すべきなのか、各拠点の事業者と契約をして、コンサルタントとして入りながら、運営者になり得る人の隣で一緒に創り上げていく人になるのか。

専門学校を卒業してから、師匠の元で週の3日間はデザイナーとして働きながら、残りの3日間を自分の仕事に充てるという働き方をしてきた。
卒業をした途端に個人事業主になった私は、デザイナーであるとともに経営者になってしまった。どんなに修行を積んでから独立したデザイナーだって、個人事業主になった途端に「経営者」になってしまう。その都度フライヤーを作ることだってお金になるけれど、長期的なプロジェクトの運営や場の運営を始めてしまったら、デザインの力を借りてお金が回る事業を考えなければ、活動は継続していかない。
お金持ちになりたいという夢はあまりないけれど、その仕事でいくらもらえるかがデザイナーとしての評価額だと考えると、上を目指すなら収益は多い方がいい。

もちろん「アーティスト」に近い仕事のクリエイターが、「この人が作る世界観で自社の商品をアウトプットしてほしい」と依頼する形がベストだと思う。でも私には目に見える商材も実績もまだない。なんとか頭を使って事業を組み立てていかなければいけない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?