Yuichiro Etori

ジャズトロンボーン奏者として演奏活動、レッスンなどをしています。普段活動している中で得…

Yuichiro Etori

ジャズトロンボーン奏者として演奏活動、レッスンなどをしています。普段活動している中で得た音楽に関するノウハウや考える事などをこちらで公開していきたいと思います。https://yuichiroetori.wordpress.com/

マガジン

  • ジャズアドリブのススメ

    ジャズのアドリブが出来るようになるための知識や練習方法について、とても基本的なことから上級者向けのアイデアまで順を追って紹介していきます。 最新号は一部譜面を除き基本無料公開。こちらは過去公開分をまとめて閲覧できるマガジンです。不定期更新。

  • Talking about Trombone

    世界の色々なジャズトロンボーンプレイヤーについて映像を中心に、参考になる奏法や練習法なども紹介していきます。

最近の記事

ジャズアドリブのススメ Vol.16 ジャズスタンダードを吹いてみよう【All the things you are #2】 Diminish Cordとは

前回に引き続きAll the things you areを題材に、ディミニッシュコード(Diminish)について紹介したいと思います。 ディミニッシュコードとは All the things you areの最後から5小節前に出てくるコードでB°7やBdimなどと表記しますが、これらはディミニッシュコード(Diminish cord)といいます。 ここに4つのディミニッシュコードがありますが、これらは全て同じディミニッシュのグループです。 どういうことか見ていきま

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    • ジャズアドリブのススメ Vol.15 ジャズスタンダードを吹いてみよう【All the things you are #1】

      今回はジャズスタンダードナンバーからAll the things you areを題材に色々なアプローチについて紹介したいと思います。 曲中での転調が多くやや難易度が高い曲ですが、シンプルながらも実に美しいメロディは数多くのミュージシャンに愛されており、スタンダードナンバーの中でもとてもよく演奏される曲の一つです。 トライトーンサブスティテューション元の曲のコード進行を別のハーモニーに置き換えることをリハーモナイゼーション(略してリハモ)と言いますが、ソロのアプローチ上で

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      • Talking about trombone #7 Andre Hayward

        今回紹介するのは現代のトロンボニストの中でも正統派なビバップスタイルを得意とするAndre Haywardです。 世界的に有名なジャズのコンペティションであるThelonious Monk Institute of Jazzで2013年にグランプリを獲得。あのWynton Marsalisにも「バターのような音色だ!」と絶賛されたほど、ファットで魅力的な音色を持ったプレイヤーです。 お手本のような流暢なブルース。 リーダー作の音源はあまりないのですが、サイドマンとしては

        • ジャズアドリブのススメ Vol.14 ビバップスケール

          今回はジャズ特有のスケール、ビバップスケール(Bebop Scale)について紹介したいと思います。 Bebop(Scale)とは? まずはビバップ期を代表するピアニストBud Powellの演奏を聞いてみましょう。 どこを切り取っても非常に滑らかで美しいソロラインが描かれていますが、そのラインのところどころでクロマチックスケール(半音階)が聴こえてくるのが分かるでしょうか? スケールの特定の場所に半音階を挟むことで非常に滑らかなラインが生まれ、長いソロラインを演奏する

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        • ジャズアドリブのススメ
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        • Talking about Trombone
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          ジャズアドリブのススメ Vol.13 自由なドミナントモーション

          今回は譜面に元々書かれているコード進行とは別にドミナントモーションを設定してアプローチする方法について紹介したいと思います。 練習の題材としてスタンダードナンバーからJust Friendsを取り上げたいと思います。 この曲が少し変わっているのは、最初のコードがサブドミナントから始まっているという点です。通常曲の最初と最後にはその曲のキーのトニックに相当するコードが配置されることが多いですが、Just Friendsはそのルールに当てはまらない曲のひとつです。 曲のキーを

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          Talking about Trombone #6 Bob Brookmeyer

          今回も世界の色々なトロンボーンプレイヤーを紹介したいと思います。 今回はジャズでも珍しいピストン式のバルブトロンボーン使いの名手でもあり、ビッグバンドの歴史を語る上でも欠かすことのできない偉大なアレンジャーでもあるBob Brookmeyerを取り上げたいと思います。 Bob Brookmeyer もともとはビッグバンドでピアノを弾いていたようですが、クロード・ソーンヒル楽団への入団を機にトロンボーンに専念するようになります。 Stan Getz、Gerry Mullig

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          ジャズアドリブのススメ Vol.12 ジャズスタンダードを吹いてみよう【The days of wine and roses #3】

          今回はVol.9、Vol.10と紹介してきた酒バラのアナライズの完結編です。 この曲のチェンジ全体を振り返りソロのアプローチをおさらいしましょう。 STEP1. ダイアトニックコードを見分けよう 緑でマークされた部分は全てFメジャーキーのダイアトニックコードです。 コードファンクションを無視したかなり強引なやり方ではありますが、この部分はFのメジャースケール一発で演奏することもできます。同じスケール(キー)を共有しているので、調性として同じカラーを持っているということです

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          ジャズアドリブのススメ Vol.11 テンションとⅡ-Ⅴ-Ⅰの練習

          ※Vol.11以降は練習に役立つ譜面のみ本文末尾の有料部分で公開させて頂きます。記事は有料公開になっていますが無料で読んでいただける部分だけで内容は理解できるよう書いていますので、練習を効率的に進めたい方はあわせてご購読下さい。 今回はテンションと2-5-1進行の練習方法について紹介したいと思います。 コードトーン+テンションコードをアルペジオで練習するアイデアはVol.5でも少し触れましたが、今回はそれにテンションを組み合わせて練習する方法を紹介します。 テンションに

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          ジャズアドリブのススメ Vol.10 ジャズスタンダードを吹いてみよう【The days of wine and roses #2】

          今回も酒バラを題材にアナライズの続きをしていきたいとおもいます マイナーセブンスフラットファイブ3小節目のコードA-7♭5に注目しましょう。(前回添付した譜面と記号が異なっていますが同じコードを表しています。) これまでにも何度か登場していますが、これはマイナーコードの一種でマイナーセブンスフラットファイブコードまたはハーフディミニッシュコードと呼びます。

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          Talking about Trombone #5 Delfeayo Marsalis

          今回も世界の色々なトロンボーンプレイヤーを紹介したいと思います。 今回紹介するのは名門マルサリスファミリーの三男、Delfeayo Marsalisです。 祖父にピアニストのEllis Marsalis、兄弟にはWynton Marsalis、Branford Marsalis、Jason Marsalisとジャズ界を牽引する音楽一家の出身で、大変優れたトロンボニストです。 非常にオーソドックスなプレイスタイルで、ルーツにはニューオリンズミュージックがあることを感じさ

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          ジャズアドリブのススメ Vol.9 ジャズスタンダードを吹いてみよう【The days of wine and roses #1】

          今回はThe days of wine and roses、邦題では酒とバラの日々(通称、酒バラ)として親しまれているスタンダードナンバーを題材にしたいと思います。 テーマを吹いてみようまずはテーマを練習しましょう。全てのアドリブ練習の基本ですね!

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          ジャズアドリブのススメ Vol.8 ジャズスタンダードを吹いてみよう【There will never be another you #2】

          今回は前回に引き続きThere will never be another youを題材にガイドトーンを使ったソロの練習方法を紹介したいと思います。 ガイドトーンとはガイドトーンとはずばりコードトーンの3rdと7thの音のことです。 例えばCを主音としてメジャー、マイナー、ドミナントの基本的な3種類のコードを比較すると、コードのキャラクターが変化した時に一緒に変化する音としない音の二つに別れるのがわかります。

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          Talking about Trombone #4 Carl Fontana

          今回も世界の色々なトロンボーンプレイヤーを紹介したいと思います。 今回紹介するのはDoodle tonguing(ドゥードゥルタンギング)によってトロンボーンの奏法に革新をもたらしたCarl Fontanaです。 Carl Fontana ウディハーマン楽団からキャリアをスタートさせ、ライオネルハンプトン楽団やスタンケントン楽団など名だたるビッグバンドで活躍しました。 同時にソリストとしての能力も高く評価されましたが、その大きな特徴の一つとしてフォンタナ特有の高速パッ

          Talking about Trombone #4 Carl Fontana

          ジャズアドリブのススメ Vol.7 ジャズスタンダードを吹いてみよう【There will never be another you #1】

          今回からは実際にジャズのセッションでよく演奏されるジャズスタンダードを題材に練習する方法を紹介していきたいと思います。 今回紹介するのはThere will never be another youです。 まずはどんな曲か聴いてみましょう。 テーマを練習しようジャズスタンダードでアドリブを練習する時に最も重要なのは、まずその曲のテーマ(主旋律、メロディー)を覚えることです。 そもそもアドリブとは即興でメロディーを創りだすこととも言えるので、過去の優れたメロディーから得ら

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          Talking about Trombone #3 Conrad Herwig

          今回も世界の色々なトロンボーンプレイヤーを紹介したいと思います。 今回紹介するのは現代ニューヨークのトッププレイヤーの一人Conrad Herwigです。 Conrad Herwig Clark Terryのバンドからキャリアをスタートし、Joe HendersonやTom Harrell、Joe Lovanoなどの一流ミュージシャンのバンドで活動。 ジャズ以外にラテンミュージックにも造詣が深く、サイドマンとしてEddie PalmieriやPaquito D'River

          Talking about Trombone #3 Conrad Herwig

          Talking about Trombone #2 Slide Hampton

          今回も世界の色々なトロンボーンプレイヤーを紹介したいと思います。 今回紹介するのは言わずと知れた生けるジャズレジェンドのこの人。 Slide Hampton つい先日88歳の誕生日を迎えられたようで、昨今の状況もあり残念ながら亡くなられたレジェンドもいる中で個人的にも嬉しいニュースでした こちらは85歳の誕生日の様子ですが、ニューヨーク第一線のミュージシャン達からもとてもよく愛されているのが伝わってきます。 J.J.Johnsonからの流れを汲む王道バップスタイルのプ

          Talking about Trombone #2 Slide Hampton