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少年よ、学校をさぼってどこにいく

息子のG9(中学3年生)の2学期がまもなく終わろうとしている。

私の住む街は、珍しく日本と同じ6-3-3制の学校体制で、息子も娘も街にひとつしかないマンモス中学校に通っている。

この学校の評判がよろしくないことは長年聞いていたが、まー、聞きしに勝る学校生活である。

よく海外と日本の教育を比べて日本の教育の融通の利かなさを嘆くような日本語の記事を目にするが、中学校以降に限ってはこっちの学校ってどうなの?と思うことが多々ある。

ひとえに、生徒がモチベーションを保てるような授業内容や学校生活ではないのだ。

加えて、メキシコに行ったり、クラブチーム(学校外のスポーツチームみたいな)の遠征で長いこと休んだり、コロナやノロにかかったり、生徒も学校をガンガン休むし、親も休ませる。

スポーツデー(かなり簡略された体育祭みたいな)などの行事は「休んでいい日」と思っている子も多く、行事に来た子はクラスで一人だったということもあるらしい。
そういう時は先生もどうせだったら帰ってくれた方がいいなと思うらしい。

らしい、というのは隣町の学校の話だからだが、わが町の中学校でも似たような傾向はある。

さらに、わが街に高校は一つしかなく(隣町の学校は60㎞離れている)、受験もないので、勉強をがんばる、みたいなこともない。
部活的なものもないわけではないが、そういったアクティビティは習い事の一環としてやるのが一般的なので、学校の部活動は活発ではない。

授業にしても、この地域に割かれている教育委員会からの予算の多くは人件費にあてられているそうで、その結果、教育や課外活動への予算が少なくなり、親としてはなんだそれ?と言いたくなるほど内容が薄い。

そういうわけで彼らにとっては

「何かに頑張る機会のない中学生生活」

なのだ。

小学生時代はそれでもいいと思うのだけど、中学生になるとそれはかわいそうなことだな、と昭和世代の私は思ってしまう。

文化祭、体育祭、地区選抜体育祭、合唱コンクール、部活など。
「だりー」とか言いながら結構がんばったな。
人と力を合わせるとできないこともできるようになることを学んだな。
締め切りに合わせて展示物をどうにか仕上げたりしたな。
そういうことがほぼない、と思ってもらえたらわかりやすいとおもう。
なんていうか「青春」がない(昭和的な考えかもしれないけど)。

ちなみに中学校までの成績は大学入学に影響することもないとので、ある程度できてれば(できなくても)、まあいいや、みたいに思われている節もある。

私は病気でもない限り基本的に学校は行きなさい、という派だったけれど、この学校の雰囲気をみていて学校よりも優先させたいことがあれば、休んでもいいや、と思うようになってきた。
例えば、時期外れの家族旅行や、子供が情熱をかけられることに。

息子からも
「高校にいったら成績や出欠が大事になるし、高校卒業したらもっとちゃんとしないといけないので僕には今しかない。だから好きなことをやらせてくれ」と熱弁される。

その彼のやりたいこととは、スキーだ。
カナダらしく近くにスキー場があるので、雪が降った日にはスキーに行かせてくれ、と懇願される。
その他に、週末にもクラブチームに入っているので、スキーにかける情熱はなかなかだ。

たしかに、学校よりスキーをしている方が
「好きなことに情熱を注ぐ」という経験を積める。
それは、ぬるい学校で机に向かっているより大事なレッスンな気がする。

実際、息子よりももっと本格的にスポーツをやっている子は遠征でたびたび学校を休んでいたりもする。
あとは家族でメキシコ旅行も多数いる。
先生や学校からは出席率について何も言われない。

そんなわけで、雪が降るとちょこちょこ学校を休んでいたら、そこに体調不良も入ってきたりして、結構休んでしまった二学期となった。
(一応オンラインでできる課題があるので、そこでちょいちょいキャッチアップするようにはしている)

娘はというと、息子ほどやりたいこともないし、友達に会えるので彼女は毎日ちゃんと学校に行っている。

日本は高校受験もあるから、こういうわけにはいかないだろうけれど、どうですみなさん、こんなカナダの中学校どう思います?
いいな、と思えますか?

高校はもう少し厳しくなるので、確かに遊ぶことを許されているのは今しかないかもしれない。

さて、旅行の計画でも立てようかな。




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