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2013年 6月の日記 1

【銀座界隈ドキドキの日】zineの搬入のため、銀座へ行った日のこと。
  銀座へは久しぶりに行ったけれど、やっぱり渋谷や新宿とは全然違って面白い。「銀座も変わってしまった」なんて言えるほどかつての銀座にも明るくないわたしは、今の銀座でもじゅうぶんにドキドキの一日を過ごせるのでした。
 なにせ、銀座モダンアートさんのある奥野ビルがあまりに素敵。京都や大阪で、古い建物、とりわけ古いビルにときめいてきたくせに、東京のビルにはてんで無頓着でだったことを恥じる思い。レトロ、という言葉はなんだか手垢じみていて苦手なんだけど、もっというと昭和レトロ、とかいう表現も「オゲゲ」なんだけど、結局好きなんだな、ああいうのが!
 特にドキドキしたのは手動ドアのエレベーター! 近々またzine展をのぞきがてら行かなくては、と思っていま す。今なんでだかわたしのなかで、「若いときの若尾文子が歩いてそう」「淡島千景が座ってそう」っていうのが最上級の褒め言葉です。古い建物をいっぱい見ておきたいんですよね。だってほら、ほっとくと燃えちゃうから! なくなっちゃうから! 建て替えられちゃうから!

 というわけで、足をのばして、新しくなった歌舞伎座を初めてこの目で見る。立て替え前の「あと11日」っていうときにも来たなあ、と懐かしむ。あの日は松竹さんに打ち合わせできたんだっけなー。あたし……せっせと働いてたなあ……ってちょっとせつなくなったりもする。あの時は辞めるなんて考えてもなかった……か、どうかは忘れました。ちょっとは思ってたのだろうか、頭のはしで。それとも全然考えになかったんだろうか、バババーンと新しくなった歌舞伎座のぴかぴかさの前ではそれすらも遠い過去。もう元には戻れないよね、アンタもアタシも、と語りかけたら、本当はこっちが目的だったりする、喫茶『YOU』へ。

 とろんとろんのオムライスとクリーム添えのホットコーヒー。基本コーヒーはブラックで、だったのだけど、先日の京都『築地』でウィンナコーヒに砂糖をいれてから、ふいと「喫茶店のコーヒーには砂糖とミルクが必要なんじゃないか説」が浮かび、以来「ここは」と思う店ではそうしている。「イノダってコーヒー甘いからいやなんだよね」とかいってたのが野暮だったんじゃないか、って気づいたってことです。オオヤミノルさんの最近出した珈琲の本がすっごく面白くて、その影響もあるかもしれない。

 腹もくちくなったところで新橋駅まで歩こうや、なんていって資生堂のビル一階でお菓子なんかみて(夏季限定のレモンチーズケーキ、パッケージが最高でした)、チョコレート専門店のメニューを解読したり、いざ出勤のお姉様方に道を譲ったりしながら、気づけばオー・ バカナルも通り過ぎ、見覚えのあるガード下。
 串焼き屋でちょろっとお酒を呑んで、隣りの老夫婦に「それお酒? ここお酒あるの?」って訊かれたりなどまた楽し、なのでした。

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日記が好きなので書き続けているわけですが、読んで、面白がっていただけたら、それほど嬉しいことはありません。いつもありがとうございます。