2013年 1月の日記/その2

【ひさびさ下北沢】
 半休をもらえたので、ひさしぶりに大月江観(※1)氏と待ち合わせ、下北沢で会う。わたしが下北沢のビデオ屋で働いていたのは2003~2004。10年前になる。北区つかこうへい劇団の研修期間が終わって路頭に迷っていたころ、「映画いっぱい観たいです」というモチベーションのみで面接を受け、「好きな監督はゴダールです」とうそぶいて採用され、名札の文字の色が青からピンクになるまで(昇進した)働いたあのビデオ屋は、もうずいぶん前になくなってしまって、いまや下北沢は完全に他人の顔。真夜中は別の顔。シドニィ・シェルダンってどうしてあの一瞬あんなに流行ったの? ともかく、えー、こんなになっちゃったのねえ、とかいいながら下北沢をふらふら歩く。

 江観氏に連れられていったお店のカレーはとてもおいしかったし、炬燵がいくつもおいてあってくつろげた。そのあと古着屋を何店かめぐったら、ミルクフェドのバスローブが、バスローブにしては破格の値段で売っていたので衝動買い。過去に幾度となく、バスローブなんていつ着るの? と咎められては買うのを諦めていたのだけれど、今のわたしは胸をはって答えられる。オイルマッサージのときに着るんです! 
  アーユルヴェーダを取り入れ生活を始めてから、わたしは毎朝5時に起きて、太白ごま油で全身をマッサージしているのであります。「マッサージのあとはバスローブなどを着て休息を……」って本にも書いてあるのであります。そして、いきたかった古着屋「ヒッコリー」へ。着れば誰でもPEANUTSのキャラクターみたいになる、すごい可愛いセーターを見つける。ヒッコリー、可愛いものしか置いてない、愛すべきお店だった。そして、そういえば女の子とこのように遊ぶのは久しぶりだった! と気づく。もう一度お茶をしておしゃべりをする。話はつきない。江観氏がうけとめてくれるので、わたしは安心して暴走。

 そのあと、「飛龍伝」(※2)を観る。いろいろ考えた!そしていろいろ話したくなり、終演後、玲央君と橋本のあつしさんにわあわあしゃべってしまう。
で、 カトウシンスケ(※3)と作戦会議的に会談。このひととも長いつきあいだ。2人でわあわあしゃべる。タクシーに乗り込むぎりぎりまでしゃべった。10年前には想像もつかないくらいいろんなことが起こったけど、めぐりめぐって身辺にはよい友人、仲間、同志が残って、そいでまた下北沢に戻ってくるっていう、なんか象徴的といえなくもない感じのする日。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
*追記*2018/8/7
※1……現・渡辺えみさんの当時の筆名。彼女は、私がパートナーの病を相談していた数少ない友人の1人で、ポンポコパーティクラブマーケットではコンビを組んで運営している大事な人。ちぎり絵作家でもあります。
※2……黒木華ちゃんが神林美智子だった、今思うとすごい公演。橋本淳くんが素晴らしかった記憶。
※3……映画『ケンとカズ』主演でおなじみのカトウシンスケくんは、2008年に私が地獄にいた頃に知り合った同い年の親友。あの地獄を生き抜けたのは、損得なしの友達があのタイミングでできたからだなあと思います。超いいやつなので、主演作いっぱいで嬉しい今日この頃。『どうしようもない恋の唄』、シネマートで公開中!


日記が好きなので書き続けているわけですが、読んで、面白がっていただけたら、それほど嬉しいことはありません。いつもありがとうございます。