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信じてもらえないと思うけど、ばあちゃんが旅立つ日、私の夢にじいちゃんが出てきました。

奇跡とか偶然とか「願えば叶う」とか
そういった曖昧な考え方を
私は心のどこかで信じていませんでした。

小学生の頃に流行ったおまじないや
恋のジンクスなんて
相手にバレずにやる系のやつは
成功した試しがないし
恋が実ったことは一回しかありません
(あるんかいっ!)

それでも私はご先祖さまの存在や
神様だけはいるのだと信じています。
いや信じようとしています。

というのも小さい頃から
不思議な体験をしたり
聞いたことがあるからなのです。

しっかりとした時期は覚えていないのですが
私が幼稚園か小学校に上がる頃に
私の曽祖母が亡くなっており
その日の夜に人生で初めての
金縛りにあったことがありました。

曽祖母は私が物心付く頃には入院しており
ほとんど会った記憶はありませんが
私が人生で初めて参列した葬儀だったこともあり
子供ながらにすごく悲しんだ記憶があります。

その日の夜
いつものように父さん、兄、私と母さんで
川の字になって寝ていました。

眠りについて暫く経った頃でしょうか。

夢か現実か定かではありませんが
布団に仰向けで横になってる自分の身体が
身動き取れなくなっているのがわかりました。

オレンジ色の豆電球の薄暗い灯りの中
「どうしよう」と不安になっていると
膝の上にずっしりと重みを感じたのです。

ふと足元に視線を向けると
薄紫色の着物を身に纏った曽祖母が
正座をして私を優しい笑顔で見守っていました。

私は不思議と恐怖はなくて
優しい笑顔の曽祖母が

『そんなに悲しまないで』

と言ってくれているようで
どこか安心したのを覚えています。

それから少しして横にいたはずの母さんが
お手洗いから帰ってきたのか
引き戸を開けて寝室に入ってきた瞬間に
金縛りも曽祖母もいなくなってしまいました。

母さんは起きている私に驚きましたが
「早く寝なさい」と隣で布団に潜り

私はさっきの出来事が不思議でならなくて
暫く天井を見つめて
ぼんやりと考えていたような気がします。

後にも先にも金縛りに遭うことも
夢に曽祖母が出てくることも
それ以降一度もありません。


それから時を経て私が23歳くらいの頃に
一番近い親族である祖父が亡くなり
その3年後に祖母が亡くなりました。

私は社会人になってから
ほとんど一人暮らしをしていましたし
ちょうどコロナ禍で老人ホームに入る祖母とは
面会が一切できない状態だったので
祖母の容態が悪いとわかっていても
実家には帰れません。

そのため祖母の訃報を聞いたのは
仕事中のことでした。

そしてその日の夜のこと。

また私は不思議な体験をしたのです。

今度は金縛りにはなりませんでしたが
夢の中で住んでいる部屋が出てきたのです。

玄関の扉が開いていて
その前で誰かが身支度をしています。

『また遊びに来るからな。じゃあ頑張れよ。』

その誰かが黒いジャケットを羽織り
私に向かって手を振りました。

そこにいたのは大好きなじいちゃんだったのです。

玄関から眩しい光が差し込み
逆光で影になってよく見えません。
それでも確かにじいちゃんの優しい笑顔でした。

『そろそろばあちゃんを連れて行くな』
という意味だったのでしょうか?

そのまま光の中に消えていったじいちゃん。

目を覚ますと私は泣いていました。

久しぶりに夢に出てきたじいちゃんが
ばあちゃんの葬儀の前に現れ

なんだか色んな気持ちが入り混じって
なかなか布団から起きることができませんでした。


この世は全てが必然であるとよく言いますよね。

確かにそうであると私は思います。

もちろん偶然のような出来事や
奇跡的な出来事ってありますよね。

友達と偶然どこかで出会ったり
同じ共通点がたくさんあったりとか。

それってきっとこれまでの経験によって得た
必然的な巡り合わせだと思うのです。

自分と波長が合う仲間って
なぜか惹かれ合いますよね。


なんとなくこの人となら仲良くなれそうだなとか
これまで仲良くしてきた友達や
これまで好きになった趣味の仲間とか

そういう経験則からなんとなくわかりませんか?

それってやっぱり
偶然や奇跡みたいな曖昧なものより
確かな必然であると思うのです。

私が曽祖母や祖父を夢で見たのも
なんとなく頭の中でその人のことを思っていたから
出てきたのかもしれませんし。

それを偶然と捉えるのか必然と捉えるか
それとも奇跡だと思うのかは自分次第ですが。

私は現実に起こることに関しては
そこまで奇跡だとか偶然だとか思いませんが
ご先祖さまや神様の存在だけは
信じていたいと思っています。

ご先祖さまが見守ってくれていると
信じて行動すれば必然的に良いことが
起こってくれるかもしれませんし。

気休めの願掛けのようなものですけどね。

あと一歩勇気が出ない時の神頼みやご先祖頼み。

ほんのちょっとだけ勇気をくれる気がするのです。


ご先祖さま
どうかこれからも見守っていてくださいね。


由佳

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