見出し画像

不況を吹っ飛ばす爽快感「トップガン マーヴェリック」。トム・クルーズの凄さとハリウッド映画の派手さにブラボー!

スクリーンに向かって「トムちん、最高!」と心の中で叫んでいた。

久々に、ド派手でカッコよくて痛快な「いかにもハリウッド映画」を観た。
80年代映画の金字塔「トップガン」から、30年以上のときを経て登場した続編「トップガン マーヴェリック」。


久しぶりに見た、御年60歳のトム・クルーズは、めちゃくちゃいい感じに年を重ねていて、相変わらずクールでまぶしかった。

めちゃくちゃファンというわけでもないのだが、とにかくハリウッド映画のスターといえばトム・クルーズ。

トム・クルーズを一躍有名にした「トップガン」は当然見たけれど、特段ファンというわけではなかった。しかし今作のあまりの評判の良さに、いそいそと劇場に足を運んだ。大正解。

トムちーん!カッコイイ!!ヒューヒューだよ!(古い)


1.わたしが憧れた「ザ・ハリウッド」なアメリカ映画


ド派手でクールでひたすらカッコいい。アメリカがめっちゃノリノリだった時代のアメリカ。

ハリウッド映画は、ゴージャスな俳優陣と、とにかくドラマティックな展開、予算を派手につぎ込んで、さまざまな世界を見せてくれた。

特に「トップガン」は、トム・クルーズをスターダムに押し上げ、劇中で着用したフライトジャケットやらなにやらが日本でも大流行するというブームの火付け役だった。

80年代が黄金期だったこの「ハリウッド映画」のスターたちに憧れて、あんなイケメンスターと英語でお話ししてみたいと、田舎の片隅で英語を勉強し始めたのが英語好きのわたしの原点だ。

今や移民や貧困、不況でアメリカはもはやジャイアン的なボスキャラ感が薄れてしまった。

ド派手でクールで爆発しまくり、予算を大々的に使った「いかにもハリウッド映画」な映画もなりを潜め、

その代わりに、CG頼みの薄っぺらい作品か、なんか妙に地味な映画ばかりになり、ハリウッド作品で観たい映画も少なくなった。

そんな感じで、なんとなく世界が不況に向かってどんよりしているからこそ、派手な花火をぶち上げてくれたトップガンに感謝。

ノースタントで戦闘機に乗り込んで、失神寸前になりながらの本気の演技。CGでなんでもできるからこそ、本物を見せたいという職人魂、トムちん好きだわ。

昔を懐かしむだけでなく、トムちん自ら体を張って、まだまだ俺らガンガンいけるぜ!とメッセージをくれる。


2.ノースタント、極限状態で挑む撮影。トム・クルーズの本気にしびれる


トム・クルーズの映画なんて久しく見ていなくて、ミッション・インポッシブルも確か数年前にほぼノースタントで撮っていたと思ったが、あまり見る気も起きず

「もういい歳なんだから、頑張ってアクションなんかやめたらいいのに」と思っていた。

でもごめん、トムちん、やっぱりあなたはヒーローだ。

めちゃくちゃGがかかる戦闘機に自ら乗り込み、失神寸前で演技を続けるそのド根性。

何かトラブルがあったら死につながるような状況で「リアルを見せてやる」という執念のようなものさえ感じる。

ついでに若手パイロット役の俳優陣も3か月間トレーニングを積んで、実際に戦闘機に乗り込んだそうで。トム・クルーズの映画に出るということは、その本気を一緒に体験することになるのだろう。

資金は豊富にあるのだから、お金をかけて精巧なCGを創るなんていくらでもできるのに「リアルでしか伝わらないことがある」と信じて貫くその姿勢に頭が下がる。

そして実際、その「リアル」は伝わった。目に見えるものじゃなく「気迫」みたいなものでちゃんと伝わってきた。

トム・クルーズは誰もが認めるアメリカの顔だけど、そのストイックさは、ジャパニーズサムライみたいだなぁと思う。

日本を好きでいてくれて、それも嬉しい。

3.自分の才能に甘えず、努力を惜しまないトムが好きだ。


若いころは、ハリウッドのイケメン俳優のうちの1人、という印象だったけど、その当時たくさんいたイケメン俳優は、どんどん太ってしまったり、劣化してしまったりした。

けれどトム・クルーズは、自分のスター性に甘えず、いまだにスターであり続けようとして、その努力を怠っていなかった。自分に与えられたその才能を、磨き続けていた。そのことに感動した。

このころの若くてとがった青年から

いい感じに味わい深くなった60歳。60歳!?

(C)2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.



そして、異世界の60歳が、AVIREXのアビエイタージャケットを着てカワサキのニンジャで2ケツ。メットなし!フゥー!!!カッコイイ!!!

こんなイケおじがうちに来て「乗れよ」と言われたら、ごめん、乗る。迷わず飛び乗る。ごめん旦那。

欧米系の方々は、比較的見た目の老化も早い気がするのだが、トムの身体は昔のままで、もちろん顔は老けたし、もしかしたら職業上リフトアップもしてるかもしれないけど、老いに抗っているわけではなく、ちゃんと「いい歳の重ね方」をしているように見えた。

その熟した感じを出せるまで生き残ってる俳優さん、あんまりいないと思う。

時代は少し違うけれど、あんなに可愛かった「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオもすっかり太ってオジサンになってるし、ブラッド・ピットもまだイケメンだけれど、映画スターとしての活躍は下火。

80年代といえばアーノルド・シュワルツェネッガーなんかも肉体派で売れっ子だったけれど市長になってすっかりお爺さんだし、ほんと、トムのように長い間スターであり続けている人が他に思い浮かばない。

そして、長年スター街道を走ってきたからといって、他の若い俳優を押しのけてまで自分が目立とうという「俺さま感」もない。老害にならないように配慮して、自分が主役として引き立ち、かつ若い世代も引き立て、さらに前作から出ていた面々も引き立てる。そういう気づかいができる人なんだなぁと作品を観て思った。

トム・クルーズ自身もおそらく、最近のハリウッド映画の元気のなさにやきもきしていたことだろう。そのうえコロナ禍にもなり、映画産業自体も下火になった。

公開延期が重なったが、今だからこそ、元気をなくした世の中に、トム・クルーズの衰えを知らないスター性と、80年代映画の金字塔「トップガン」をさらにアップグレードした続編がわたしたちに「まだまだいけるよ」と元気をくれた。

そしてやっぱりハリウッドのド派手映画といえば、ジェリー・ブラッカイマー。手に汗握る空中戦、ドッカンドッカンの爆発シーンなど迫力シーンはこの人の右に出る人はいない。さすが!

4.映像だけでなく、しっかり作りこまれたストーリー


とにかくトムが身体を張って・・・という触れ込みで宣伝されているが、内容もかなり練りこまれて、テンポよく、面白くなっている。

ハリウッド映画はこれでなくちゃ、という予定調和とか、おふざけなアメリカンコメディの要素も入っていたり、トムちんが「古い世代の人」として扱われているシーンとか、いろいろ面白シーンを盛り込みつつ、

「トップガン」では、優秀なアビエイター(海軍のパイロット)として上位1%の選ばれた人材として危険を顧みず、才能と自信にあふれて危なっかしいことばかりする若造だったのが、本作「トップガン マーヴェリック」では、自分が教える側に回り、そんなイキリ散らかしていた若かりし自分のような若者を育成する。とはいえ、さすがルール無視の鉄砲玉らしく、マーヴェリック流で若きトップガンを育成していく。

そして前作で出演した”アイスマン”ことヴァル・キルマー、エド・ハリスなど、続投キャストも登場して懐かしい限り。

回想シーンや前作のオマージュもたくさんあるので、前作を見てからウン十年経っているわたしでも「ああ、そんなことがあったなぁ」と前作のエピソードを思い出せた。

わたしは前作を観ずにふらりと鑑賞したが、いろいろ懐かしくなって、帰宅してから配信で前作を見直した。そしたら、何十年も前の作品なのに、オープニングからめちゃくちゃしびれた。そして今作が、前作の監督、故トニー・スコットへの敬意もふんだんに盛り込まれていることを知った。


5.我らがトム・クルーズ、万歳!「トップガン マーヴェリック」は必見!


アクション好きでも、航空ファンでもないわたしが、こんなにしびれるアクション映画ってあまりないんじゃないか。

メインテーマをバックに、空母から戦闘機が飛び立つまでのシーンは本当にたまらんくらいカッコイイ!!!

日本の劇場では声を出せないが、アメリカの劇場で観たら、「フゥー!!!SO COOL!」と叫びたい。

ストーリー、脚本も作りこまれて、すべてのシーンに映画への愛がこもっていることを感じて、なんだかウルウルきてしまった。最近の薄っぺらいCG映画と違うよ、全然違うよ。トムちん、伝わってるよ。


カッコいいだけの映画なんか中身がないとか言われがちだけど、ここまでカッコいいを追求したらグウの音も出ないくらいカッコいい。

観るなら絶対に劇場で。映像が音響がとんでもなくすごい!


そしてトム・クルーズ。

60歳でこんなカッコいい姿を見せられたら、もうすぐ50歳のわたしが、腰が痛いだの疲れが取れないだの、もうオバサンで無理、とか言ってられない。

トムちんがあんなに頑張ってるんだもの、80年代のスターが、まだスターを張ってるんだもの。正真正銘のスターってこういう人だ。

トムちん、世界に元気をありがとう。大好きだよ!

今日もお読みくださりありがとうございました!

「トップガン」でトム・クルーズが着たことで大流行したファッションのまとめ記事も書きましたので良かったらどうぞ


この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?