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作り置きの分量目安が「3〜4日」の理由

鶏ごぼうそぼろ(保存の目安は、冷蔵庫で1週間)


ご飯のお供に、おにぎりの具に。冷凍保存もできます

<分量の目安>
鶏ひき肉 350g
ごぼう 1本(150g程度)
しょうが 適量
みりん 大さじ2
しょうゆ 大さじ2より少し多め
きび砂糖 小さじ1、甘めが好きなら小さじ2

<つくり方の流れ>
①ごぼうとしょうがはたわしでこすり洗い。どちらも皮付きのままでよし。ごぼうは小口切り(薄い輪切り)にして水につけ、しょうがは千切り。

②鍋に水気を切ったごぼう、その他材料全部入れる。調味料を鶏肉に吸わせるように、全体をよく混ぜる。
※ここがポイント。味ムラと加熱ムラを防ぎ、肉をほぐしやすくする

③鍋を中火にかけて、箸や木ベラで混ぜながら炒めていく。ごぼうと鶏肉の水気が出たら、フタをして弱火で5分煮る。

④5分後フタを取り、強火にしてひたすら汁気を飛ばす。
※ここがポイント。汁気をできるだけ飛ばすことで、時間が経っても味が薄まることなく、日持ちもよくなる。

気まぐれな食欲が救世主を窮地に追い込む

すぐ食べられる状態で冷蔵庫の中に収まっている「作り置き」。いわゆるまとめてつくって何日か食べ続けられるものを週末につくるのはいつしか習慣になっていて、いつだって私を救ってくれる。学生時代も今も、変わらずに頼れる存在だ。今も冷蔵庫に、きゅうりの甘酢漬けとゆで鶏がある。ヘロヘロに疲れている時、食べたいものが思いつかない時、冷蔵庫を開けた時に「あってよかった…」と私は心から感謝する。

しかし、困ったことに、私は気まぐれだ。
月曜日の夜は焼き魚にでもしよう、と思って切り身魚を買ってきたはずなのに、月曜日当日の帰り道にちょっと店先で香りを嗅いだだけで「あ、カレーが食べたい」と心移りする。(献立作成アプリをうまく使いこなせない大きな理由の1つは、この変わりやすい心模様にある。)

この気まぐれさが、本来なら心の支えであるはずの「作り置き」さえも微妙な立場に追い込んでしまうことがある。
それはだいたい、3日目ぐらいから起きる。
あってよかった、が、「まだ残ってる」になったら危険信号。
それはいつの間にか、作り置きではなく「残り物」という厄介者になりつつある。
せっかく救世主になるはずが、みんなになんだか距離を置かれ、そして作った本人が責任やもったいなさや義務感でしょうがなく食べ切る、なんてことになったら罰ゲームみたいだ。そんなの不健全で、楽しくない。

つくりおきおかずの条件

つくりおき、の名の下に、実に様々日持ちするおかずをつくってきた。
結局食べ飽きたり、味が落ちたりして捨ててしまった、そしてそれは一度でもなく、そんな苦い過去が私にはある。
そして今は、量も品数もつくりすぎず、メニューをしぼっている。

①食べる人みんなが「大好物」
これが一番大事。家族の中の料理する人が不在の時でも、普段料理しない人が冷蔵庫で見つけた時に手を出して食べるぐらいのものがいい。
我が家なら、鶏ごぼうそぼろ(上にレシピあり)や塩ミンチ、茹で鶏や煮豚(スライスした状態で置いておくのがポイント)、野菜の焼き浸しやきんぴら、甘酢漬け、五目豆など。単に日持ちするだけでなく、全員の「好きの最大公約数」にメニューを絞っている。

② 味が落ちないこと
味付けし直したりせずに、時間が経ってもそのままでおいしいものがいい。五目豆や野菜をまとめて焼いてポン酢をかけた焼き浸し、生で食べても美味しいきゅうりやキャベツ、玉ねぎなんかの甘酢漬けは年中欠かさずに冷蔵庫にある。
甘酢漬けのいいところは、日持ちする上にぐっと野菜のカサが減って保管しやすくなり、そのまま他の生野菜にかければドレッシング代わりになるところだ。
マヨネーズ和えなどは酸味が飛んでしまったり、具材がマヨネーズを吸いすぎてふやけてしまったりして意外と味が落ちやすい。

③ そのまま食べられること
ふりかけレベルに手軽なそぼろや塩ミンチは、温めなくてもご飯にかけるだけでいいし、スライスしたゆで鶏や煮豚は、なんならそのままひょいと、手でつまめる。
そのまま食べられること温め直したり、切ったりせずにそのまま食べられる、ということは「食べようと思ったけど、めんどくさいからやめた」という機会損失を回避する、とても大きな要素だ。

足りないぐらいがちょうどいい、は真理かもしれない

かの将軍、徳川家康は遺訓で「及ばざるは過ぎたるよりまされり」といい、道教の始祖とも言われる思想家、老子は「持して之をみたさんとするは、其の已むに如かず」と言い。

作り置きも同じかもしれない。多すぎないのがちょうどいい。毎日食べたらちょっと足りないぐらい、途中で外食になったり気分が変わっても、美味しく食べ切れる量。だから私にとって、作り置きの最適量は「3〜4日で食べ切れる量」だ。
あってうれしい作り置き。冷蔵庫のきゅうりの甘酢漬けとゆで鶏は、今週の私のとても心強い味方のまま、まもなくお腹の中に収まって跡形もなく消えようとしている。

家の中の誰もが好きで、いつなんどき食べてもおいしくて、時間が経っても味が落ちないのが、作り置き。当たり前のようですが、意外とこれを全てクリアするおかずって、多くはないのかもしれません。



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