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あなたもしてるかも?資料にある文を勝手に読み替えないで!

文章力養成コーチのゆか先生です。
小学生から中高生、そして大人まで文章指導をしています。指導する文章は、作文や小論文が主ですが、大人の場合はその人のニーズに合わせて指導していて、中にはプレゼン資料や会議資料のチェックなんかも依頼されます。

プレゼン資料や会議資料を読み上げる場合、気をつけたいことがあります。それは資料にある文を勝手に読み替えないということです。このパターンの人が多くて驚きます。
そもそも資料というのは、言いたいことを端的な言葉で頑張ってまとめたものですよね。それを読み上げる時に、わざわざ元のぐちゃぐちゃの状態に解凍しながら読み上げる人がいるんですね。何のためにまとめたのかということを忘れてしまっている。せっかくスッと頭に入る形、例えば箇条書きなどになっているはずなのに、それを口頭で説明する時に、ぐちゃぐちゃに戻してしまうと、むしろ読み手の頭の中に入っていきにくくなります。
資料を解説するために、読み替えるんじゃないの?って思うかもしれませんが、解説は解説で別に考えた方がすっきりします。分かりにくいかと思うので、ちょっと簡単な例をあげて説明しますね。

例:プロジェクトリーダーシップの重要性

  1. 役割と責任の明確化

    • プロジェクトリーダーシップは、プロジェクト内での役割と責任を明確に定義し、チームメンバーに方向を示す役割を果たします。これにより、タスクの重複やコミュニケーションの混乱を最小限に抑え、プロジェクトの効率性を向上させます。

  2. チームビルディングとモチベーション

    • プロジェクトリーダーは、チームメンバーの協力とモチベーションを維持するために重要な役割を果たします。適切なリーダーシップスキルを活用し、チーム全体を鼓舞し、プロジェクトの成功に向けて導きます。

  3. リスク管理と問題解決

    • プロジェクトリーダーは、プロジェクトに関連するリスクを認識し、適切な対策を講じる役割を果たします。また、問題が発生した際には、迅速かつ効果的な解決策を見つけ出し、プロジェクトの進行をスムーズに保つ役割を担います。

1のところを見てみます。

  1. 役割と責任の明確化

    • プロジェクトリーダーシップは、プロジェクト内での役割と責任を明確に定義し、チームメンバーに方向を示す役割を果たします。これにより、タスクの重複やコミュニケーションの混乱を最小限に抑え、プロジェクトの効率性を向上させます。

箇条書きのタイトルは「役割と責任の明確化」です。
これは、このまま読み上げることが原則です。
なぜなら、その次に何行かに渡って書いてあることをやっとまとめたのが、このタイトルだからです。それを読み手が勝手に読み解いてはいけないのです。なので、正しい読み上げ方としては

プロジェクトリーダーシップの重要性として、1つ目に挙げられるのは「役割と責任の明確化」です。

これ一択ですね。
それなのに、例えば次のような読み上げ方をする人がいます。

プロジェクターリーダーシップの重要性として、1つ目に挙げられるのは、チームの役割、そしてチームとしての責任を明確に定義することにあると思われます。

思われますって(笑)それって個人の感想ですよね?的(笑)

このように、読み手の解釈や思いを込めながら読み上げてしまうと、資料としては、箇条書きにした意味がなくなってしまうんですね。
また、大抵の読み手は、資料やスライドを見ながら、自分の頭でその言葉を理解していくわけですから、一文字違うだけで「あれ?今、どこ読んでるんだ?」という瞬間ができます。これが0.2秒でもあると、脳が迷ってしまうんですね。特に耳で聞いている言葉と、目で見ている言葉が違う場合は、要注意です。書き言葉は、結局、書いてあるので「あ、ここか」と、戻って送られるんですけれども、この戻るまでの0.2秒をバカにしてはいけません。その間は脳を内容理解に使っていないことになるのですから。

webライターの世界では「その記事を読むか読まないか、人間は0.2秒で決めている」というデータが知られています。この数字は数年前に分析屋から聞いた数字なので、今はもっと短くなっているかもしれません。私たちwebライターは、その迷いをできるだけゼロに近づける作業を大事にしているわけです。
もちろん文学作品なんかは別ですよ。え?どういうことなんだ?という迷いこそが、読者を作品に引きずり込むので(笑)

もとい。
箇条書きには、読み手が誤解しないよう、数行の解説がついてる場合もあります。上の例もそうですね。

  1. 役割と責任の明確化

    • プロジェクトリーダーシップは、プロジェクト内での役割と責任を明確に定義し、チームメンバーに方向を示す役割を果たします。これにより、タスクの重複やコミュニケーションの混乱を最小限に抑え、プロジェクトの効率性を向上させます。

こちらも、できるだけ言葉を足したり引いたりせず、そのまま読み上げることが基本です。
そもそも、ここに書いてある事柄を読み上げる必要があるかどうかは、その場に集まった読み手の、そのことに対する理解度にも左右されますので、それはそれで調整しましょう。
もし初心者のような人が集まってる場合は、その解説だけで1スライド作り、説明する必要があります。
読めばわかるよという人が読み手の場合は「読んでおいてください」で十分です。
その中間の場合は、例えば理解を助けるイメージやがあるといいでしょう。

とにかく、自分勝手に読み替えるのことだけは、避けた方が賢明です。
耳で聞いてる言葉と、目で見ている言葉が違う場合、先述したように、内容の理解に遅れが出ますからね。

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