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2/10-3/5 外界に心を開く

2月10日(土)

ためていた病院をはしごするつもりが昼前に起床。あわてて準備するもひとつしか行けず。

千早茜『男ともだち』、角田光代『銀の夜』購入。角田さんの新刊、文庫になるまで見逃していた……。

夜、夫婦別姓について恋人と話す。
なぜわたしが苗字を変えなければならないのか、というかどちらかの苗字に揃えねばならないのか。彼と同じ名前を名乗れることをうれしく思う気持ちはもちろんゼロではない、けれども、不条理だと感じる部分も大きい。


2月11日(日)

午後、結婚指輪を見に行く。
本命はNIWAKA。彼もわたしも大好きな京都のブランドであること、日本の美や四季がモチーフになっており、ひとつひとつにストーリーのあるデザインがそろっていることが理由であった。

結論からいうと、買いました。プロポーズからわずか一週間である。スピード感大事にしてこ。
きちんと検討したのはNIWAKAが一軒目だったけれども、もうこれ以上デザインもコンセプトもぴんとくるものはないだろうと思ったのだった。

ハイになったまま大丸に立ち寄り、半額になっていたハンバーグ弁当を買って帰宅。
指輪のオーダーシートの控えを眺めながら晩ごはんを食べた。ふたりの名前がフルネームで連なっているのがうれしい。こんなことは最初で最後なのではないかとふと思う。


2月12日(月)

母とララランドのシネマコンサート。

はじめて観たときから7年ほど経つ。状況も考え方もいろいろ変わった気がするし、当時のように心を震わせられるだろうか……と鑑賞に臨んだが、なんっにも変わってなさすぎて笑ってしまった。毎回同じところでめちゃくちゃ泣く。最初のパーティーシーン、ミアのオーディション、ラストシーンは何度観ても嗚咽してしまう。
右隣に座る母も、その向こうにいた大学生らしきお洒落な男性も、左隣の高校生らしき女の子も泣いている。パワー・オブ・ララランド。有名すぎて言うのが恥ずかしいようなところがあるけれども、やっぱり今のところ人生ベスト映画だ。ちなみに、愛はかつてここに書いた。

開演前に公園で食べてたのしかった

千早茜『男ともだち』をお風呂に持ち込んで読み進める。おもしろすぎて、気づいたらお湯がすっかりぬるくなっていた。

お互いを指輪のデザイン名で呼び合ったり、指輪の画像を手の写真に合成したりして遊んでいる。
浮かれている。浮かれさせてくれ。


2月13日(火)

春みたいな日。とはいえ日陰は寒い。

最後の訪問を終え、帰路に着いたはずが逆方向の電車に乗っていた。最近多すぎる。げんなりして駅のホームで麦チョコをむさぼり食う。

麦チョコほんま好き

昼 バターロール2個
おやつ 麦チョコ約1袋
夜 しんしんのラーメン、ミニネギトロ丼、サーモン塩辛、明太子。塩分過多〜


2月14日(水)

あたたかい。ついにコートを置いて家を出る。

春の匂いがして落ち着かない。
昨日から頭痛がつづいている。頭が痛くてぼーっとしてやる気が出ない。

終業後、ほどいた髪の毛から朝付けた香水の残り香が甘く漂い、ふっと心がやわらいだ。

ひとりの夜。牛ホルモン焼き、ねぎとろ丼、おみそ汁、ピザポテトめんたい味、クリームのやつ、サーモン塩辛、明太子。案の定胃が重い。

抗えなかったよ〜〜

ひさしぶりにばかみたいに食べてしまった!人目がないとだめだ。ひとり暮らしのときはこうやって歯止めが効かなくなりがちだった。太ってから痩せるほうが、太らないように気をつけるよりもずっと大変だとわかっているのに。

バレンタイン、今年は手作りしたかったのだけども平日は到底無理で、なんだか前後の週末も時間をとれず、スルーしてしまった。わたしはチョコをもらったのに……。ホワイトデーにがんばりたい。

かわいい



2月15日(木)

ヒートテック、薄手のニット、ジャケットで通勤。電車に乗るときには全身じっとり汗をかいている。湿気も相まって暑い。メンタルが落ちており、それに伴って体調もやや悪いのを感じる。

ためていた事務作業もろもろを終えて帰路に着く。駅まで迎えに来てくれた恋人、野菜たっぷりの晩ごはんまでつくっていてくれた。日々感謝しかない。貰ってばかりいる。


2月16日(金)

臨月のお腹を抱えて絶望している夢を見た。取り返しのつかないことをしてしまった、と感じていた。

常に恐怖しているほどには、わたしが失礼な振る舞いをすることはまずない。むしろ気を遣いすぎて逆に失礼みたいなことのほうが起こりうるし、気を遣っていることが相手にばれているうちはだめである。ということを胸に刻んで懇親会に臨む。


2月17日(土)

『銀の夜』読了。角田光代全開、最高〜〜!と思いながら読んでいた。本当にありがたかった。なんかお若いときの文章のような?と思ったら過去の連載をまとめたものだそう。

現金なもので、結婚が決まってから目に映るなにもかもをうつくしく感じる。近くの公園で梅が咲いていた。
はなちゃんとめぐちゃんに会い、婚約を報告する。酸いも甘いも酸いも酸いも話していたふたりだったので、直接報告できて良かった。一緒に喜んでくれて心からうれしい。

ついにゼクシィを読む。本編には戸籍謄本の取り方とか現実的なことが書いてあるのに、彼専用ゼクシィなるものはポパイ崩れみたいな内容でウケた。"ボクらの時代は、愛をまっすぐ伝えるのがカッコいい。" じゃないんよ(うろ覚え)。地に足をつけんかい。


2月20日(火)

インスタの広告の精度が妙に上がっている。「自己満足の式ならやりたくないあなたへ 『そうではない』結婚式」だの「テーブル装花、高砂……高額な費用につながるものはすべてなし!な結婚式」だのばかり出てくるようになってきた。


2月22日(木)

サイズ直しに出していた婚約指輪が帰ってきた。
うれしいので早速つける。めでたいのでロイヤルホストへ。

祝い肉&ハンバーグ
家のすぐ近くなのにドリンクバーで2時間近く粘る

noteでプロポーズの日のことを書いた記事にたくさん反応やコメントをいただき、なんだか信じられない気持ちでいる。
一方フォロワーさんも少し減ったけど……。わかります……かつての自分がそうだったので……。

インスタでも「ストーリーズにnoteのリンクを貼る」というだるい匂わせみたいな投稿をしただけなのに、スクロールが必要なくらいいろんな方からコメントが来て、え〜ほんまに……?ありがとう……(涙)という気持ち。
友だち少ないし、みんなわたしのことなんか興味ないやろうに優しいなあ……と呟くと、同居人「あなたはもっと外界に心を開きなさい」と言う。


2月23日(金)

朝からブライダルフェアへ。
お察しのとおり婚約以降、全速力で物事を進めています。善は急げ。

ゼクシィをきっかけに調べてみると、行くだけでホテルの宿泊券だのアフタヌーンティーの招待券だの商品券だのが貰え、そのうえ豪華な試食会が付いていることも多いのだった。しかも参加は無料である。そんなうまい話ありますか?と思ったけど本当にありました。
まあそのうちの一件でも成約できれば全然安いもんなんだろう。ともあれ、今しかできない経験なので、ありがたく享受しておくことにした。

もともと、「いわゆる披露宴」みたいなものはなくてもいいかもと話していた。おしゃれなレストランを借りて友人を招き、結婚パーティーみたいなものができたらいいかな、と。
しかしながらブライダルフェア、単純なわたしはまんまと結婚式モードになってしまった。ある程度は想定していたけれども。
見学した会場が想像をはるかに超えて良かったせいもある。披露宴もありかもしれない……。いろいろ見比べて決めたい。


2月25日(日)

はなちゃんが勧めてくれた映画、『PERFECT DAYS』観る。

シネリーブル神戸にて

鑑賞後の感想、キャッチコピーのとおり「こんなふうに生きていけたなら」に尽きる。
日々のきらめきに心を震わせられる感性、自分だけの心地よいルーティン、ささやかな贅沢、実直に働くこと、時に感情をあらわにすること、揺るぎないお守りをそばに置くこと。人生において大切にしたいことが丁寧に描かれていて尊かった。うつくしかった。

2月27日(火)

今日から金曜まで出張。
本当にやめてほしいのですが体調が危うい。過信している葛根湯のドリンクを買って道端で飲み干す。あと眠いのでコーヒーもたくさん飲む。
すると飲み合わせ的にどうだったのか、数時間後キマったようになる。身体はカッカと火照るのに、妙に頭が冴えてぎらついた感じになった。それはそれで働きやすくて良かった。クセになりそう(良くなさそう)。

安い宿をとったら、ユニットバスが下水くさくてつらかった。


2月28日(水)

葛根湯ドリンクを飲んで出勤。
初の単独出張で、てんやわんやしていたら一瞬で夜になった。ずっとうっすら緊張していて気持ちがうわずっている。土地勘がないので移動中もはらはらしどおしだった。
夜、力尽きて駅の吉野家で定食を食べる。

初日と違う宿にチェックインしたら、ものすごく綺麗でテンションが上がった。トイレ・バス別、部屋もアップグレードされており謎にダブルのツイン。昨日との差もあり、なおうれしい。
湯船に浸かりながら、先ほど買った『アンソーシャルディスタンス』読む。金原ひとみさんの小説からしか得られない養分がある。寝る直前までのめり込む。

YouTubeも見られるテレビがあってみさとさん
もはや家



2月29日(木)

昼、時間がなくてふたたび吉野家。
夜、さすがに広島っぽいことしとこと思い

生牡蠣!
生牡蠣②!
牡蠣飯🦪

ひとりでとぅるんとぅるん食べる。満足。


3月1日(金)

昼、時間がなくて三度吉野家。

仕事の昼休憩時、noteで更新された日記を読むのを習慣にしている。今日は葉さんの日記を読んでいたのだけども、好きなものを連ねた文章にちょっと泣いてしまった。
以下、勝手ながら引用させていただきます。

開けた海が好き、波の音が好き、きれいな光が好き、光が入る空間が好き、変わっていく光を眺めるのが好き、本が並んでいる光景が好き、本が好き、静穏な空間が好き、凛とした空間が好き、
宿や本屋やカフェに入りながら、好きなものや場所に出会い、ずっとじんわりと幸せだった。頭でなく感覚で惹かれていく感情を、何度も取り戻していた。

「光と海をもとめて、瀬戸内の旅」より

本当にわかる。この気持ちをそっくりそのまま知っている、と思ってしまった。失礼ながら自分が書いたのかと錯覚するくらい。
こういう瞬間に出会うと、このために生きてきたのかと思うくらい幸福になる。また出会いたいな。出会いに行きたいな。

ひとりで生きていきたいわけではない。人が好きだし、ふとした局面で人とのつながりに生かされていることを実感するけれども、積極的に人とかかわりたいわけではない。本当は黙ってしずかに暮らしたい。その中でときどき訪れる人とゆるやかにつながり、心を通わせたい。一緒にいないときもたまに思い出して、あたたかい気持ちになれるような人とだけつながりたい。
と強く思いながら、人と会うため次の場所へ足を向ける。わたしは今、人と会う仕事をしている。働く。

午後、出張特別電源が切れた感覚があり、おうちに帰りたくて恋人に会いたくてめそめそする。
本当にぎりぎりのところで社会人をやっている。もうすぐ6年目なのに。

終業連絡の電話で上司の声を聞いたとき、安堵のあまりちょっと泣きそうになった。
ずっと気を張っていた。同行も大変だが、ひとりはひとりで大変である。とか言ってもうすぐ6年目なんですけどね……。

帰路にて



3月2日(土)

昼ごろ目覚める。ズキズキと胃が痛む。食欲がとりえなのに何も食べられない。
顔の赤さを指摘されて、なんとなく検温すると発熱していた。えーと思いながら寝る。夜、38度5分まで上がり、よもやコロナかインフルかと震える。あまり記憶がない。こんこんと眠る。

なにくれとなく世話を焼いてくれる同居人に、「このいきもの、弱っている……。出張がんばって帰ってきたのに、かわいそうに……」と笑われる。彼はわたしをかわいそうがることを趣味にしているところがある。


3月3日(日)

ときおり目覚めて水分やゼリーを摂取しつつ、眠りつづける。
夕方には解熱。ちゃんと社会人の体調の崩し方であった。

夜、「パトラッシュの……おじいさんの病院……」と寝言を言っており、え?と聞き返されると「アマゾン……」と口走っていたらしい。なんのこっちゃ。夜の習慣だった『フランダースの犬』を約1週間見ていないせいかもしれない。見なきゃ。


3月4日(月)

仕事に行く。
午後、ようやく胃痛もおさまり、さっそくお寿司を食べに行く。


3月5日(火)

わたしは働くのが下手だよな……と不意に思う。サイゼリヤでテキパキ働く店員さんをぼんやり眺めていたときのことだった。

前職のときはわりあいテキパキこなすほうだと自負していたのだけども、あれは業務範囲の限られた派遣社員だったから生まれたまやかしだったのか?現職ではいっこうに要領が良くならず、日々もたついてばかりだなと思う。学生時代、飲食店でアルバイトをしていたときもまあ要領が悪かった。適性もあるかもしれないけれども。

夜、恋人とスシローではない外食。たまに行くちょうどいいあんばいのイタリアンへ。

このあとパスタとピザとお肉とドルチェ出てきてお腹はち切れるかと思った

今日で交際5周年。実は、この日にプロポーズを受けるのではとひそかに思っていたのだった。
婚約者として迎える最初で最後の記念日である。来月、わたしたちは入籍する。

サムネイルは広島の川。
川のある街で育ったので、見かけるとなんとなく写真を撮ってしまう。

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