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3/6-31 ライフイベントぞくぞく

3月6日(水)

NHKの夜ドラ『ユーミンストーリーズ』3話を見る。4夜連続のうち3夜め。
第1弾は、綿谷りさ原作の「青春のリグレット」。以前、特集番組で知ってからこれは絶対見たいと思っていて、ひさしぶりに放送時間にテレビの前で待つことをしている。

15分とは思えない物語の濃密さ。ものすごくおもしろく、えっもう終わり?と思ってしまう。夏帆っていいよね。本当にいいよね……。


3月7日(木)

ホルンとトロンボーンをかけもちで担当することになった夢を見た。ピッコロとフルートをやっていた身からしたら、そもそも楽器が重すぎる。大変だな〜と思っていたら本気の寝坊をした。家を出る時間を15分過ぎている。
猛スピードで準備し、定時を少し回って始業。フレックス制度があって助かった。

「青春のリグレット」最終話。
懐かしそうに昔話をする菓子(かこ)に対して、陸が「そうだっけ?全然覚えてない」と返すシーンにえぐられた。かつては陸ばかりが菓子のことを好きだったのに。当時を忘れていることが本当か嘘かはわからないけれども、自分を振った相手に対する最大の復讐ではないかと思う。結婚指輪をきらめかせながらあっさり背を向ける陸を見て、菓子、しっかりやられたなと思う。
だいたい、腕時計を返すという口実で振った相手を10年越しに呼び出すところも、いかにも感傷に浸っている感じでいたいたしいのだ。と厳しく当たってしまうのも、自分の身に覚えがなくもないからである。傲慢なことをしたなと思う。

原作の『Yuming Tribute Stories』を買ったのでさっそく読む。
ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』も、書店でぱらっと立ち読みして買い、一気に読んだ。
読後最初に感じたのは、結果として文章を書く仕事に就かれていることに対するあこがれ。彼女の労働観には共感しかなくて、だからこそどんなに今の仕事にやりがいがあったとしても、一生続けるのは難しいんかなあと思ったりする。

メガ割でミルボンのヘアミルク、ByURのスキンケア、UNOVEのトリートメント。消耗品だから……と言い聞かせて購入。


3月8日(金)

『ユーミンストーリーズ』が頭から離れない。すごく好きなドラマだったな。
自分が入りたがってお風呂のお湯をためてもらったのに、たまる前にソファで寝落ちしてしまって最悪な奴だった。


3月9日(土)

後輩ご夫婦のお家へ、恋人とともにお邪魔した。
11月に生まれたばかりの赤ちゃんと初対面。おそるおそる抱っこさせてもらうと、なんとこちらを見上げて笑うのだった。え、笑ってくれるの……?と思わず涙ぐんでしまう。赤ちゃんの笑顔ってなぜあんなに尊いのか。すべて赦されたような気持ちになってしまう。
我々が話しているときもずっと同席してくれていて、発言者の方へいそがしく顔を動かしているのが健気でかわいかった。どうか健やかに育ってね。


3月10日(日)

二度目のブライダルフェア。去年の誕生日にディナーで訪れたホテルへ。
エントランスから披露宴会場まで、どこをとっても洗練されたモダンな雰囲気でおしゃれ。規模感も程よくて自分たちの式を想像しやすかったのだけども、とにかく大人気のホテルで、希望の時期はほぼ日程が空いていなかった。
それから終盤、プランナーさんからのゴリ押しがすごくて、ややうんざりした気持ちで会場を去ることになったのだった。結局、会場は本当に素敵だったけども最後の印象が良くなくて、ここはないねという話になる。

夜、満を持して角田さんの新刊『方舟を燃やす』読む。
超〜〜〜おもしろい……。物語に没頭する感覚、快楽である。半分ほど一気に読み、ソファで寝落ち。


3月11日(月)

夜、『方舟を燃やす』続きを読みながら、またしてもソファで寝落ち。何度も起こし続け(てくれているらしい、いつも)、呆れはてた同居人から「いい加減にしなさい」と叱られる。声のトーンが親から子に対するそれだった。


3月12日(火)

夜、結婚指輪が届いた!うれしくて急遽スタバに行く。恋人の手元の写真を撮りまくる。


3月13日(水)

なんやかんやで手術が必要になってしまい、月末少しだけ入院することになった。人生初入院である。朝イチで諸々の説明を聞きに行く。
生活面は恋人、金銭面は親(良い歳をして恥ずかしい話ですが……)、仕事面は会社によって、本当に身体のこと以外なんにも心配がいらない状態にしていただいた。あまりにも良くしてもらって身に余る思い。しかるべき方法でそれぞれに返したい。

説明時、恋人が同席する際に関係を訊かれ、もうすぐ結婚しますと伝えるとあっさり了承された。その後も「ご主人は〜」と度々呼びかけられていて、婚姻制度の説得力をあらためて感じる。それにしても「ご主人」ではないけどな、とぶつくさ言う。


3月15日(金)

夕方、仕事で地元の駅に降り立った。改札を出た瞬間、むせるような春の匂いに胸をつかれる。
この場所で幾度も始まりの季節を迎えてきた、と思う。地元を離れなければ覚えなかった感慨だろうか。

思い立って母に連絡し、実家で晩ごはんを食べる。
ひさしぶりに父とも母ともゆっくり話せて楽しかった。家族だから仲良くあるべきとは思わないけれども、当たり前ではないからこそ、話の合う年長者としてそばにいてくれることが非常にありがたい。父は小売業に従事しているのだが、日に何度も(主に雑談目的で)来店する高齢者について、「そういうお客さんのこまごました買い物にお店が支えられてるからな」と話していた。その考え方に本当に頭が下がる。


3月16日(土)

思わず、なんでこんだけ時間かけてこんなふうなん?と声が出た。
確実に髪を巻くのが下手になっている。それか髪が扱いづらくなっているのか。
外巻きにしたはずの毛先がなぜか片方だけ内巻きになり、風に吹かれたようになっている。丁寧にブロッキングしたはずなのにぼさっと広がって仕様がない。インスタグラムで見た動画の女の子は、左右片方の髪の毛をトータル3回くらいに分けて巻き切っていたが、わたしは誇張なく10回以上分けないと到底巻き切れない。この程度だろうと掴んだ毛束すら、挟み切れずにぱらぱらこぼれ落ちてくる。いやになる。
なぜこんなにも毛量が多いのか。やっぱりストパー当てようかな。


3月17日(日)

三度目のブライダルフェア。気になっていた北野異人館の式場へ。
会場のコンセプトも雰囲気もスタッフの皆さんの対応も何もかも良くて、見学途中に何度も「ここなのでは?」とヒソヒソ囁きあっていたのだけれども、見積もりを見た瞬間に黙りこんだ。単純に高!というのもあるし、「数時間のイベントに数百万円をかける」ということが、そもそも我々の価値観にそぐわないのでは?と気づいたのだった。このあたりのことはまた別で書きたい。

おそらく我々が確度の高そうなふるまいをしていたためにあらゆる提案が行われ、帰路に着くころには5時間弱が経っていた。さすがに疲れた……。


3月18日(月)

春の心身不調週間が到来したことを確信する。毎年恒例、やはり今年も抗えなかった。

映画『正欲』観る。原作を読んで衝撃を受けた作品だったが、映画もまた良かった。光のない死んだ目をしたガッキーが夏月にしか見えなくて、これは『違国日記』も期待できるかもと思うなど。あと磯村勇斗のことが最近すごく好きなんですよね……。


3月19日(火)

なんにもないのに泣きそう!と思いながら働く。
毎年調子を崩す春、今年はいけるかと思ったけどやはりだめだった。粛々とやり過ごすのみ。
泣きたいくらい頭が痛い。頭痛ーるを見ると「警戒」だった。


3月20日(水)

入院&療養期間に読む本を大量に仕入れるべく、数ヶ月ぶりに図書館へ。強風が吹き荒れ、雨ときどき雹のようなものが散らつく中、たたかうような気持ちで歩を進める。天気予報を見たらそのときの気温は6度だった。6度て。
徒歩20分、己の代謝の良さはやはり裏切ることがなく、到着するころにはマフラーの下が汗ばんでいた。いきなり暖房の効いた屋内に入ったから、汗と鼻水が止まらなくて恥ずかしかった。
朝からずっと天気雨。今年の3月はやけに雨が多いような気がする。

夜、恋人のご家族と食事。あらためて結婚のご挨拶ということだったが、いつも通りおいしいものを食べながら、楽しくお話を伺っていたら終わった。関係性に甘んじず、大切な人の大切な人たちをきちんと大切にしていきたいと思う。


3月21日(木)

ブライダルフェアの特典でいただいた宿泊券で、旧居留地のホテル泊。徒歩20分の場所で外泊するのはへんな感じ。
休日は対象外だったので、仕事終わりにそのまま向かう。近くの洋食屋さんで夕食を済ませ、大丸の地下でケーキを買って戻った。不意にあらわれた非日常の日。

神戸の夜景はうつくしい



3月22日(金)

よりによって遠方でアポがあったので、8時前にホテルを出る。せっかくなのでもっとゆっくりしたかったな。

朝の雰囲気も素敵だった

出先で桜が咲いているのを見つけて、写真を恋人に送る。ささやかな喜びを共有できる相手がいることに、しずかな幸福を感じる。


3月23日(土)

朝から美容院。本当は淡路島へ行って記念の写真を撮りたかったのだけども、あいにくの雨で断念。
北野エリアを散歩して、異人館のカフェでミルフィーユを食べ、トリックアートの館で遊ぶ。行き尽くした感のある神戸エリアで、なんとかやっていないことを見つけた。


3月24日(日)

わたしの実家へ結婚の挨拶に行く。
両親とは何度も会ったり食事したりしているしと気楽に向かうと、盆暮れ正月どころではなく実家がととのえられていて、ただならぬ雰囲気を感じた。同じくどこか気楽にしていた恋人にも緊張が走った様子。
あらためてきちんと挨拶をしてくれて、母は涙ぐんでおり、父は感慨深げに頷いていた。幼少期からのアルバムもすでに準備されており、4人で一緒に眺めるという定番のやつをやった。照れくさいので随所で茶化していたけれども、だいじにだいじに育てられてきたのだ、と思って本当はちょっと泣きそうだった。これまででいちばん結婚を実感した日となった。


3月27日(水)

情緒がうまくいかなくて泣きそう。差し迫った手術もこわい。むやみに奮い立たせても無意味であることは経験上わかっているので、まずは平常運転ではない自分を認める。
明日からしばらくお休みをいただくので、もたもたと引き継ぎ業務を行う。21時ごろ終業。


3月28日(木)

入院当日。
弱音を吐ける人が身近にいると弱くなるなと思う。ひとりなら淡々とこなしていただろうに、ついぐちぐちと泣き言を漏らしてしまう。いい年をして申し訳ない。

受付後、病棟と病室の説明を受ける。担当の看護師さんが同世代くらいの女性の方で、とても感じが良く優しい。一気に緊張がほぐれた。
15時ごろ診察。明日の手術を担当してくださる主治医の先生と対面した。物腰がやわらかく穏やかな方で、またも緊張がほぐれる。この先生なら安心だ、と思った。接する方がみんな優しくて、病室もきれいで、家にいたときの不安がみるみる軽減されていく。ありがたい。

面会室で恋人と動物占いをしながらコーヒーを飲んでいると、両親が来てくれた。来なくても大丈夫と伝えていたのだけども、顔だけ見られたらとわざわざ1時間以上かけて来てくれたのだった。ありがたい。お菓子もくれた。

両親を見送っていよいよひとり。角度を変えられるベッドも、仕切りのカーテンも可動式のテーブルも何もかもがめずらしく、そして思いのほか快適で内心ちょっとはしゃぐ。わたしの手元には5本の映画をダウンロードしたタブレットと4冊の本があるのだった。無敵の気持ち。
のんびりしていると手術室の看護師さんが来て、明日の説明をしてくださった。なんと手術室ではBluetoothで好きな音楽を流せるとのこと。今ってそんな感じなんや!?照れながらaikoをお願いした。

18時過ぎに夕食。ごはん、ビーフハヤシ、サラダ、ヨーグルト。おいしくて、病院のごはんは薄味でいまいちという偏見がひっくり返る。

部屋の洗面台で歯磨きと洗顔を済ませ、金原ひとみ『マザーズ』をモリモリ読んでいたらあっというまに21時消灯。
読書灯だけ点けて読みすすめ、23時ごろドキドキしながら眠剤を飲んでみる。眠ると明日が来るのでこわい。
効きはどうだったのか、夜中の雨風が轟音だったのもあり、何度か目覚めながら朝を迎える。


3月29日(金)

6時過ぎ、部屋の電気が点き、看護師さんの声で目が覚めた。

昨夜寝る前、口の中がものすごく苦くなって、気のせいかと思ったけども目覚めてからもやっぱり苦い。
眠剤が溶け残った?と思ったけども、すごく小さい錠剤だったしそれはなさそうだ。調べてみると、ストレスのせいなのだろうか。ストレスってすべての症状の原因になりうるよな。

ダウンロードしていた『真夜中の虹』を観終えてまもなく、9時ごろにお声がけされて手術室へ移動。

はじめて足を踏み入れた手術室は、ドラマなどで見ていたよりも明るく、でも機械がたくさんあって物々しい雰囲気が立ち込めていた。
幅の狭い手術台に乗り、麻酔の説明を受ける。頭元には看護師さんが3人。恐怖のあまりBPMがやばいことになっていたわたしに、「私と誕生日1ヶ月違いなんですよ!同い年です」「昨日は何食べたんですか?」「aikoの音楽ちゃんと聞こえますか?」とたくさん話しかけてくださって、そのときaikoのキラキラが聞こえてきて、情けない話なのだけども緊張と安堵で泣いてしまう。すみませんびびってしまって、と言うと「不安にならない人なんていないですよ〜」とまたも優しく声をかけてくれる。このあたりからあまり記憶がなく、次に声をかけられたときには手術が終わっていた。麻酔ってすごい。

少し発熱するも、夜には歩けるようになり、ごはんも普通に食べた。すでに退屈で早く帰りたい。
『マザーズ』、高瀬隼子『水たまりで息をする』読了。22時過ぎに眠る。


3月30日(土)

とにかく暑い。暖房がついているようには感じないので、外気温が高いのか。じっとしていても汗ばむ。半袖を持ってくればよかった。

点滴は昨夜で終わっているのに、手に刺さったままの点滴の針(意味があるんですよね?なんで?)が痛くてこわくて、もうあとは退院を待つばかりとなったので早く抜いてくださいと言いたいけど、あとでどのみち来てくださるし迷惑かなと思って看護師さんを呼べない。
様子を見にきてくれた先生に「頭痛ない?」と訊かれて「いやあ起きたときからありますね」と答えると、「ナースコール押して!我慢しないで痛み止めもらって!」と言われた。体質上、頭痛には慣れているので、そんなことで押していいんですかと思う。ナースコールってどうしようもないときしか押したらダメかと思ってた。

10時ごろ退院。ようやく手の針を抜いてもらう。なんで点滴が終わったあとも付けっぱなしなんですか?と訊くと、「緊急で再度点滴が必要になったとき、もう一度針を刺すのは痛いから」とのことで、やっぱりちゃんと意味があった。

たったの二泊三日だったけれども入院を経て、医療従事者への並々ならぬ感謝の気持ちでいっぱいである。どうしてあんなに優しいのか。技術面にとどまらず、ホスピタリティが高すぎる。迷いのないテキパキとしたお仕事ぶり、細やかな気配りに本当に救われた。

入院も手術もできればもうしたくないけれども、経験値が上がって心を寄せられる出来事が増えた点は良かったなと思う。夜、『不適切にもほどがある!』最終話を見ていて、さっそく「あの点滴ゴロゴロ押すやつめっちゃ煩わしいねんで」などとドヤ顔で話していた。
余談ですが、あのドラマなんか途中からテイスト変わったことないですか?最後までおもしろかったけど、前半の疾走感はなくなった気がする。結局未来は変えられへんっていうことなんかな。

夜は退院祝いと称して焼肉とケーキと麦チョコを食べた。案の定胃もたれ。


3月31日(日)

幸いにも経過良好な様子。油断せず安静に過ごしたい。
休み中に片付けたいことがいろいろあるので、うまく時間を使っていきたい所存。




ほぼ1ヶ月ため込んでしまった。大きめのライフイベントがつづき、楽しくも忙しなかった3月。
4月も気の休まらない予定がいくつか。いよいよ春の匂いがして落ち着かない日々だけれども、とにかく健康第一で、楽しみながら乗り越えていけるといい。

サムネイルは旧ムーア邸のミルフィーユ。クリームたっぷり、パイもサクサクでおいしかった!

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