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今週の注目スポーツテックトピック<22年2月22日-28日>

今週起きた、スポーツテック分野における注目トピックを3つ、以下の通り纏めて見た。エンタメ界の頂点米国におけるスポーツテックの発展は本当に恐ろしい。。

本スポーツテックに関するレターとは別に、スポーツビジネスに関するトピックは別途メーリス配信しているので、こちら欲しい方はDMで。

1.  新興スポーツメディアであるWave Sports & Entertainment、そのシリーズBラウンド(合計USD27mil調達)を実施

日本でもZ世代のスポーツ離れは問題化してきているとの理解だが、米国でもMLB、NFL、NBA、NHLといった主要リーグでもその課題が顕著。同世代における視聴率向上のため、各リーグ多くの取組をしているが、最もファン獲得の入り口に役立つとも言えるメディア領域でも、Wave Sports & Entertainment (旧:Wave TV)がすごい勢いでそのリーチを伸ばしている。

同社は、SnapChat、Instagram、TikTokの3つのSNSプラットフォームを中心に活動しており、それらの中でスポーツ単位で区切ったチャンネルを複数持ち、短尺の動画(最大でも15秒程度)のみを取り扱う新世代のメディアと言える。

<チャンネル一覧>

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なお、そのリーチ力が巨大といえ、全チャンネルを合算すると、総フォロワー数は1億人の上り、コンテンツの総再生数は60億回にも上る。。

<同社紹介動画>

そんなWave TVが今般スポーツメディア界ではかなり巨額とも言えるUSD 27mil (約 32億円)のシリーズB調達を実施。

これまであまり持たなかった自社オリジナルコンテンツをこの出資額を持ちちて作成していくとのこと。今後どのようなオリジナルコンテンツができるのか、とても楽しみだ。

2.  Web3を活用したバスケゲームのスタートアップ、Fast Break Labs社がUSD6milの出資を受ける


この新サービスは極めて興味深い。
最近日本でも取り組む企業が増えた、ファンタシースポーツは米国で何十年にも亘り展開されているが、今回のこれはそのWeb3版と言える。

補足だが、ファンタジースポーツはゲーム内の自チームを実在する選手を基に「ドラフト」してチーム作りをするものであり、ドラフトした選手たちの実際の試合での結果を基にゲーム内での結果が決まるというものだ。
つまり、自分がドラフトした選手が実際の試合で活躍すれば、ゲーム内で自分が獲得するポイントも増えるという仕組みだ。

<VBA社ウェブページ>



さて、本題に戻し、このゲームの凄いところだが、これは実際のNBA(プロ)選手をドラフトするのでなく、架空のバスケ選手をドラフトし、それらを育てるというものなのだ。そして、その選手、並びにアイテムは全てNFT化される予定であり、ゲーム内で取引(売買?)することが可能となる。

つまり自チーム・選手の価値を向上すれば、実際のNBAのオーナーのようにそれらを高額で転売することも可能となる。


これはファンタジースポーツのそれとユーザーのお金の掛け方・儲け方が全くもって異なっている。これらは、実際の試合を基にした結果に応じてお金が儲かる仕組みだが、今回のこれはチーム・選手を育てることで将来的にそのNFT価値が向上しお金を儲けられるというものなのだ。

これは実際のチームオーナーの立場と似ており、チームが競合となればチームを売却する時の価値は上がるし、ドラフトした選手が育てばより良い選手とトレードしたりとできるので。

まだベータ版もリリースされていない本サービスだが、今後本サービスがどう進んでいくのか、とても楽しみである。

3.  MLS、メタバース上にファンを呼び込むことをミッションとしているGreen Park Sportsと長期パートナーシップを締結

最近話題のメタバース、このサービスはスポーツ界でまさにその先端を行っているとも言える。こちらのサービスは、ファンが緑色のアバターと化し、ファンのみが集まるメタバース上にて集まることができるのだ。

このGreen Parkというサービスは、YouTubeのCo-Founderの一人、またZapposのCo-Founderとで創業されており、その創業メンバーの質の高さから、今全米1注目を集めるスポーツテックとも言える。

そのバーチャルな空間の中でファンは、ファン同士で交流することも可能であり、一緒にゲームを行ったり、好きなチームの試合を観戦することもできる。

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同社は既にNBA、LaLiga、League Of Legends (Esports)ともパートナーシップ契約を締結しており、(筆写推測も)今後Z世代の獲得に悩むMLB、NFLも続くのではと思われる。

実際のスポーツコンテンツと、ビデオゲームの境界線が年々曖昧になってきているが、今回のこれはまさにそこをついたサービスとなりそうである。
つまり実際のスポーツ試合を見ながら、まるでゲームを遊んでいるようにアバター(ファン)同士で何らかのゲームをプレイしたりできるので。


以上


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