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断言する、レッドブルは世界一のスポーツ企業になる。(前編)

最近訳ありレッドブルを飲料としてでなく、ビジネスとしてす興味をめちゃ持つようになってきている。

多くの人はレッドブルという飲料のパンチ力、並びにその目立った広告宣伝カーの印象が強いかと思いますが、その裏で創業者による天才的なビジネス戦略があったことはご存知でしょうか?今回の記事ではレッドブルの飲料としての効果や、生い立ちは省略し、同社がどのようにして大きくなったかのビジネス的戦略面に着目して解説していきたいと思う。

そして、近いうち世界一の「スポーツ企業になり得る理由」についても最後触れたい。

1. レッドブルの概要

多くの人はレッドブル自体に馴染みがあると思われるため、簡単にのみ説明させていただくが、レッドブルは元々タイで誕生したクラティン・デーンというエナジードリンクをオーストリア人ビジネスマン/マテシッツ氏が気に入り、その国際販売権を買い取った上で欧米向けのテーストに改良し誕生したエナジードリンクである。

今では、年間75億本(2019年度)も世界中で飲まれている巨大飲料会社なのだ。そして、その影に隠れ、さりげなく1000名以上ものアスリートと専属スポンサー契約しており、また5つのサッカーチーム、2つのF1チーム、さらにはアイスホッケーのチームを世界中で保有しているのだ。これ以外にも多くのスポーツイベントも運営しているから驚きだ。

2.   レッドブル飲料の素晴らしいビジネスモデル

端的に言うと、ここのビジネスモデルは「選択と集中」を最大限に活かした天才的な企業である。あとで説明するが、レッドブルは飲料会社ではないのだ。

創業者は最初からエナジードリンクの本質が何かを見極め、それをいかに効率よくスケールするかに特化させたことで大成長できたと言える。
創業者は既に人々を奮い立たせるエナジードリンクの材料(タイのクラティン・デーン)は手に入れており、その効果の高さは実証済みだったため、この商品が皆に知れ渡り、飲んだら楽しい・凄いという印象づくりの為に、とにかくマーケティングに注力したのだ。

そう、マテシッツはエナジードリンクを初めとする多くのソフトドリンクの味は差別化要因にならず、仮に良い味に作っても何れ真似される可能性が高いとも理解していた為、とにかく商品の「イメージ作り」に注力したのだ。

その為、レッドブルは厳密には「飲料会社」ではないのだ。
日本で言うサントリーや、ダイドーなどといった飲料メーカーは基本自社工場(その子会社含む)でその飲料を製造しているが、レッドブルはなんとこの飲料メーカーにとっての心臓とも言えそうな製造工程を「外注」しているのだ。

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その代わり、レッドブルは自社資源を全て「マーケティング」に注力しており、その飲料をいかに魅力的な商品に「見せていくか」にのみ注力しているのだ。

またそうすることで、低コストで飲料を製造できる業者に製造コストわずか10円/缶で商品を作らせ、注力した「マーケ」にて商品の魅力度をバカ上げした為に、その商品を最終的に300-400円程度という超利益率にて販売できているのだ。(注;小売店への棚卸し価格は小売価格の半額程度。それでも凄い利益率。。。)

3. どうやってイメージを作った?

では、具体的にこのブランドイメージをどのようにマテシッツは作ったのだろうか?その答えとして、以下の3段階がある。

1)ドイツでBAN 〜ニッチファン獲得〜 (1980年代)
操業後すぐ、オーストリアのお隣ドイツにもレッドブルの販路を広げたのだが、ドイツではその効果が強すぎるとして、なんと販売後間も無く同国にて販売禁止とされてしまうのだ。

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ただ、この結果欧州全体に、レッドブルは「凄い効果がある!」との印象作りをすることに成功し、その結果欧州中からオーストリアにレッドブルを求めて若者が来るようになったのだ。
(注:マテシッツはレッドブルがドイツで販売禁止なものか、同国への進出前から予め知っていたという情報もあり、もしそれが本当だとしたらこの男商売の天才としか言いようがない。。)

2)クラブ攻め (1990年代)

ドイツでのBANにより一定の認知度を獲得し、ニッチな市場で爆発的な人気を得たレッドブル、その後より大きなマーケットに進出するべく、とにかくクラブシーンを攻めたのだ。

クラブ・パーティーシーンとレッドブルの相性は極めて良く、そこらに行くのは基本若い層であり、「夜遅くまで」騒ぎたいというインセンティブがある為、エナジードリンクを飲む目的とそれが合致していたのだ。

そして欧米でよく行われる学生寮でのパーティーや、クラブシーンに金銭的バックアップをすると共にに、大量のレッドブルを提供し、若者からレッドブル=クール且つ効果的との印象を築き上げていくのだった。

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3)スポーツ界への進出 (2000年以降)

そして2000年頃より、更なる成長を求めたレッドブルはスポーツ界に激しく進出するようになる。

最初はスケボー、スノボー、バイクといったスピーディーな、エネルギー漲る、エクストリームスポーツのイベント運営から入り、アスリートにもその市場を広げようと躍動した。こうする事で、スポーツシーンでも「レッドブルを飲めば活躍できる、エネルギッシュなプレーができる!」とのイメージ作りができたのだ。

結果今では1000人を越す選手をスポンサーどしており、多くの冠イベントを運営している。今となっては多くのサッカーチームを世界中で持つまでになっている。

この3点目の動きが今後レッドブルがスポーツ界の覇者になり得る理由なのである。ここについては次回じっくりと説明したいと思う。
(つづく)




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