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ゼロから始める伊賀の米づくり番外編:Miroを使ってお米の家系図作りを行う🌾

今回は、少し趣向を変えて、日々の百姓仕事の記録とは別で、お米の家系図をMiroで作ってみることにしました。

Miroと言えば、コロナ禍においてオンラインにおけるコミュニケーションやリモートワーク時のミーティング等のツールが求められていたときに活用され始めた、Web上のホワイトボードのようなツールです。

このツールなら、どんどん拡大していくであろう家系図作りにも対応できるのではないかと考え、早速取り入れてみることにしました。

お米の家系図作りのきっかけとなったのは、以前、知人のお子さんがお米アレルギーを発症してしまったという投稿からでした。

恥ずかしながらこの投稿を拝読するまで、日本人の主食とも言えるお米にもアレルギーが出る人がいるのか!ということにショックを受けました。

(私自身は、幼い頃から「お米の味がわかる」と言い、おかずなしでお米にふりかけや味付け海苔をかけたものを食べるだけで十分満足という米好きでした)

お米の系統によってアレルギー反応の出方も異なるとのことで、これは一度調べ直さねばなるまいとお米の家系図について調べ始めました。

しかし、いくら調べてみても個人ブログやJA系列の情報しか出てきません。

JAも半ば公的な機関ではあるものの、より情報の透明性・公平性を期すためにも政府機関系の情報を取り入れたいところ。

そうして調べていく中で、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、次世代作物開発研究センターの「イネ品種・特性データベース」に行き着くことができました。

この「イネ品種・特性データベース」の検索システムにより、お米の品種とその交配組み合わせを調べることができました。

それを元に現代のメジャーな品種のお米の家系図を作ることとし、ver.1.0として完成させたのが以下の図です。

お米の家系図ver.1.0

こうしてまとめてみると、現在、食べられている多くの品種は、その系譜を遡っていくとほんの数種の品種にたどり着くことが見て取れます。

現在、日本一の作付面積を占めているコシヒカリは、品質、特に食味に優れた米として知られており、私の圃場でもこの品種を育てています。

このコシヒカリもまた、祖先を遡っていくと明治期に育成された「愛国」「旭」「神力(器量好)」、「亀の尾」という品種にたどり着きます。

この「愛国」「旭」「神力(器量好)」「亀の尾」の扱いは別格と言えます。

「旭」と「亀の尾」は良食味品種であることと西日本、東日本での作付けを二分していたことから「西の旭、東の亀の尾」と呼ばれていた他、

「愛国」「神力(器量好)」「亀の尾」は、大正から昭和にかけて水稲の3大品種と謳われました。

コシヒカリの食味の良さは、この明治期の東西の品種から受け継いだものであり、コシヒカリもまた、その食味遺伝子を後々の品種に受け渡すことで、「ひとめぼれ」や「ヒノヒカリ」「あきたこまち」などの良食味品種を誕生させました。

今回、家系図を取りまとめるきっかけとなったのはお米アレルギーでしたが、それをきっかけとしてお米の歴史を深めることができました。

美味しいお米を健康的にいただくうえで、お米の系譜やそこに込められた農家や、新品種開発の物語に思いを馳せてみるのもまた、おもしろいかもしれませんね。

家系図を作り終えてしばらくし、少し、気になったので即ver.1.2へアップデートしました。

レイアウトをやや美修正したver.1.2

今後も、継続的にアップデートしながら、各品種への理解を深めていきたいと思います🌾



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