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vol5.忘れられないこと

私の会社には日報というものがあります。
臆病な私はメモに残すものの、日報にあげられなかったものがたくさんあるのでここにあげてみます。今日のは4ヶ月前のメモ。

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今日は先週亡くなったご利用者さんのお兄さんの訪問に行ってきました。お部屋から借りていたベッドがなくなり綺麗に片付いていて、飾ってあったデイサービスでのステキな笑顔の写真は仏壇へ。お兄さんは「私が頑張らなきゃね」と、葬式や書類整理に追われて疲れた表情で言っていました。

Aさんは、救急搬送先の病院で亡くなりました。行動の振り返りは何度もしたので、ここでは感情の振り返りをします。

ご逝去されたという文字を見た時は、なんで?という疑問と現実味のない感覚でした。その日の訪問が全部終わって一段落した時に、やっと事実と認識できました。

一人で行くことが、今まで以上に怖くなりました。先輩には「できることはやれていた」と言われても、自分を責めることしかできませんでした。亡くなることに、ネガティブな印象はなかったのに抱いた感情は虚しさでした。

Aさんはどんな想いで、どんな場所で誰に囲まれて亡くなったんだろう。考えてもしょうがない。生きている人に還元していくしかないですね。

だいぶ落ち込んでいますが、この経験を自分に刻んで、今目の前にいる人にできることをしていきたいと思います。

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看護師になって初めて自分の関わっている方が亡くなった時の所感でした。

この時は1週間ずっと泣いていました。看護師になったことを後悔しました。先輩に出来ることはやっていた、といわれても、私じゃない人が対応していたら死ななかったんじゃないかと何度も考えました。

何が正解だったかもわからないし、亡くなった人は何も答えてくれない。受け入れざる得ない事実を前に、行き場のない感情が溢れて溺れそうになっていました。先輩や友人に支えられ、徐々に回復しました。

きっと私はこれからも思い出して泣くし、悔しくて自分が嫌になるだろうけど、この経験を絶対に忘れないんだろうと思います。私の中で生き続けて、今関わっている方やこれから出会う人の為に活かしていきます。


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