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均質で薄っぺらいものがハマるときもある

ふと何度目かのphaさんの本を手に取った。ハルキストならニヤりとする淡々としてるけどリズミカルな文体は、ひきこもらないというタイトルとは裏腹についひきこまれてしまう。

この本の影響もあってか何でもないチェーン店の喫茶店が好きになった。

夜9時のドトール、神奈川県の最果てにあるこの街はもう真っ暗である。

スタバとは真逆で、あまり愛の無い機械的なオペレーション。匿名的で聴き終わったら印象に残らないけど、なんとなく流れているにはちょうどいい選曲のセンス。決して不味くはないけど、単調で奥行きのない味。

余白だ。これを求めていたのだ。

至高の一杯を出す喫茶店も好きだし、なんかオシャレな空気を吸ってMacBookどやリングをするだけにあるスタバも大好きだ。

でもどこか肩の力が抜けていて、来るものを拒まない低価格なドトールという存在も、それはそれでいいよな、という価値観のオルタナティブをさりげなーくインストールしてくれる一冊。そう考えるとものすごくコスパがいい。

印象に残らない旅、均質な郊外、何でもないベッドタウン、、、そこに美しさを見出すには、ある意味では港区キラキラ系とか渋谷ウェイ系へのカウンターでもありそうだけれど、それはゴリゴリと積み上げた知識と教養からなっているのでは。もしかしたら教養はコスパ最強の娯楽なのでは、とかいろいろ深読みしてしまった。

さて閉店時間の22時、もう充分に深夜になってしまった。

※2020年以前に書いたものを加筆修正したものです。

★noteにまとまる前の思考のかけらはTwitterにあります。


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