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サウナが教えてくれる、経験学習の3つの要件

20歳くらいで学生起業してから、平日も土日も関係ないワークスタイルを続けています。特に大学院生の5年間のあいだに絶えず実践と研究を往復する(≒2倍働く)」「研究は、休日にこそ進める」という闇の価値観を形成してしまったおかげで、常に経営か研究かどちらかの仕事をしている状況。自分なりの「休息の取り方」は、20代後半くらいから探求し続けています。

結局のところ、自律神経をいかに休ませるか、というのが重要で、忙しいときこそ、以下のようなルーティンをしっかりやるようにしています。リモートワークが中心になってから始めたルーティンもいくつかあります。

・ちゃんと寝る、昼寝をする
・朝イチで散歩する
・1日3回ストレッチをする
・隙間時間で足湯をする
・カフェインを摂りすぎない
・水を毎日2リットル飲む
・定期的に運動をする
・湯船にゆっくりつかる
・スマホを寝室に持ち込まない
・寝る前に瞑想をする
・定期的にサウナに行く

ちなみに「自律神経ボロボロだわ..」という人は、以下の本がおすすめ。

上記のルーティンなかでも「サウナ」は強力で、即効性があります。自律神経乱れてるなーと感じたら、上の本読まなくても、とりあえずサウナ行っとけば大丈夫!

世のプロサウナーな方々に比べたら僕なんかはまだペーペーですが、かくいう僕もサウナが大好きで、定期的に通っています。以前に本場フィンランドで「サウナに入るのは、人として当たり前のことだ」と学び、それ以来、ルーティンに組み込まれました。(フィンランドは自宅にサウナがある)

サウナの「入り方」はとても奥深く、正しいプロセスを辿らなければ、いわゆる「ととのう」という状態には達することが出来ません。適切なタイミングで「水風呂」に入り、かつきちんと「休息」と「水分」をとった上で、再びサウナ室に入る...。そのリズムとサイクルが重要です。ずっと熱いサウナ室で、粘り続けているだけでは、意味がない。

先日、サウナに入りながら「これ、何かに似ているなー」と思い返していたのですが、かの有名な教育哲学者のジョン・デューイの経験学習の教えと同じじゃないか!とことに気がついたんですね。以下、ドヤ顔でツイートしたところたくさんの賛同(?)をいただきました。

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ツイートしたあともう少し冷静になって「本当に同じなのか..?」と考察してみたところ、考えれば考えるほど「やっぱり同じ」だったので、サウナが教えてくれる経験学習のポイントについて、さらに深堀りしてみました。

1.葛藤があるから、ととのう

サウナとは、葛藤に満ちた活動です。冬場ならまだしも、この猛暑の中、お金を払ってわざわざ「暑さ」を得ようとする。サウナに向かう道中が、もうサウナ並の暑さなのに、いったいなぜ私はサウナに通うのか。

いざ、サウナ室に入ってからも、葛藤の連続です。「暑い..キツイ...もう出たい.....」そんな心の弱さからくる衝動に争いながら、「いやいや、もうちょっと粘ろう」と根性を見せる。辛いけど、続けたい。そんな矛盾した感情のエネルギーを溜めに溜めて、それを水風呂で解き放つ!そこに、サウナの醍醐味があるわけです。

思えば、経験学習においても同様です。多くの研究者が、学習は葛藤からはじまることを指摘しています。自宅の「ヌルい」浴槽ではなかなか深くととのえないのと同様に、「ヌルい」経験から学習は生まれないのです。ちゃんと"暑いサウナ室"に入れてますか?

2.水風呂にいくタイミングが重要

葛藤に満ちたサウナ室での経験は、ツイッターで指摘したように「水風呂」というリフレクションとセットで成立します。

けれども、多くのサウナ経験者が実感している通り、水風呂は「タイミング」が重要です。サウナ室での粘りが甘いうちに「もういいや!」と妥協して水風呂に移行しても、いまいち効果がでません。

同じように、経験学習も「いつどのタイミングでリフレクションするか」がかなり重要なように思います。たとえば1日3回、歯を磨くような頻度で日々の業務をリフレクションしても、おそらく深い学習の効果は得られません。メタ認知が優位になりすぎてしまい、活動に対する没入度が下がってしまうでしょう。ある程度、チャレンジングな活動に「のめり込む」時間も必要です。

かといって、半期に1回では、やや足りない気がする。プロジェクトが終わったタイミング。四半期が終わったタイミングなど、「結構がんばったな」と思えるタイミングで、しっかりリフレクションを挟む。これが、経験学習を深く回していくコツのように思います。

3.休むことが重要

ツイッターでもご指摘があったのですが笑、サウナと水風呂の往復は厳密にはダメで、水風呂のあとに「休憩する」というステップが不可欠です。あと水を飲むことも。

これは経験学習においても同様ですね。ハードな仕事をして、リフレクションで意味づけをして、ハードな仕事をして..、ということを繰り返しているだけでは、それこそ自律神経が乱れ、身体を壊してしまいます。

よく学ぶためには、たまには経験学習のサイクルを止めて、サウナにでもいって、しっかり休みましょう!

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ウェブメディア「CULTIBASE(カルティベース)」では、組織イノベーションの知を耕すためのナレッジを毎日お届けしています。編集長の視点から、今週のオススメの記事、イベント、動画コンテンツなどを紹介します。

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[1] 経験学習サイクルの3つの誤解:連載「組織学習の見取図」第2回
安斎の単独連載「組織学習の見取図」の第2回目の記事です。サウナのどうでもいい話は真に受けずに、真面目な「経験学習」の議論は是非こちらを。玄人向けのコンテンツ、と好評です。

[2] コーポレートアイデンティティのリニューアルにおいて回避するべき9つの落とし穴
2020年、コロナ禍など、ある意味での「節目」を機に、ビジョンやミッションの見直そうとしている企業は少なくないと思います。いわゆるコーポレートアイデンティティをリニューアルするプロジェクトは、慎重かつ戦略的に進める必要があるので、そのガイドをまとめました。

[3] 「組織デザイン」は、人の可能性を信じることから始まる──「性善説」「性悪説」によるアプローチ
組織のマネージャーたちが「しみる」と好評のこの記事。ええ話かつためになるので読んでみてください。

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